八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百四十五話 夏の終わりの海その十一
「これも宇宙人だったんじゃって言われているんだ」
「肉人ですの」
「そうなんだ」
「どういう姿だったのでしょうか」
「目も鼻も何もないのっぺりした外見で」
「のっぺりとした」
「何か宇宙服着たみたいな」
その絵を見る限りはだ。
「そうした風だったんだ」
「では」
「うん、お空を指し示したっていうしね」
ジョーンさんにこの話もした。
「ひょっとしたら」
「宇宙人だったのかも知れないのですね」
「そう言われているんだ」
「妖怪では」
「そうも言われてるよ」
俗にはこう言われている、何でも食べるとそれで長寿を得られたとか後で学者さんが言ったらしい。
「今も正体は不明だけれど」
「宇宙人が迷い込んだ」
「そうかも知れないね」
「謎ですわね」
「まあ宇宙人らしき話もね」
僕は具体的にその話をもう一つした。
「丸い球体から砂浜に出て来た人を観たってお話ああって」
「丸い球体」
「うん、それがUFOじゃないかってね」
そして出て来た人は異星人かとだ。
「言われているんだ」
「日本はそうした文献もありますのね」
「古い文献は多いみたいだね」
この辺り日本語が昔からあって識字率も高かったからだろうか。そして戦乱が少なくそうしたものも残されやすくてだ。
「そしてその中にね」
「そうしたお話もありますの」
「そうなんだ」
「あと海のお話も多くて」
エリザさんも言ってきた。
「例えば浦島太郎も」
「あの童話も宇宙人とも言われてまして」
「そういえば何か」
「思わせるところがありますね」
僕はエリザさんに応えて言った。
「どうにも」
「言われてみれば。何か海と宇宙が重なり合った」
「海は水の大海、宇宙は星の大海」
「そうなるから」
「同じ海ですね」
「そう思った、何か海を観ていると」
そうしていると、とだ。エリザさんはさらに話した。
「宇宙にも通じる」
「じゃあ地球は海に囲まれているんですね」
「海の中の一粒」
広大な宇宙という大海の中のだ。
「そして人間はその中の一粒」
「さらに一粒ですね」
「そんなもの」
「やっぱり小さいですね」
「小さくてその小ささを自覚出来て」
そうしてとだ、またこの話をしてくれた。
「素晴らしくなれる」
「それが人間なんですね」
「出来ないことは物凄く多い」
エリザさんはこうも言った。
「けれど出来る為に努力を出来て」
「そしてその努力の結果ですね」
「出来る様になる」
その出来ないことがだ。
「それが人間」
「そう思うと凄いってことですね」
「人間は絶対の神様にはなれないけれど」
それでもというのだ。
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