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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百四十五話 夏の終わりの海その十

「目撃のお話自体は」
「ありそうだけれど」
「多くないですわ」
「日本は」
 ここで僕も言った。
「それなりかな」
「そうですの」
「うん、あることはあるよ」
「それなりに」
「すぐに違うって話にもなるし」
「車のライト等ですわね」
「それじゃないかとかね」
 幾ら何でもUFOの全部がプラズマの筈もないけれどだ。こんなのは幾ら何でも暴論の極みだ。
「言われるし色々と」
「検証されて」
「違うってことが多いよ」
「多い、ですわね」
「中にはね」 
 見間違いを引いてもだ。
「あるよ」
「間違いないというものは」
「そう、あってね」
 そしてだ。
「やっぱり宇宙からって話もね」
「あると思うのがですわね」
「道理かな」
 少なくとも全否定は出来ないと思う、この話も。
「人魂かも知れないし」
「人魂ですわね」
「そう、それも有り得るから」
「それはそれで大発見ですわね」
「そうなんだよね」 
 僕は少し笑ってジョーンさんに答えた。
「人魂だったらそれはそれで」
「そうですわね、ウィル=ウィプスですわね」
「ああ、そっちじゃ人魂はそう言うんだ」
「イギリスですけれど」
「イギリスの影響が強いからね」
「イギリスからの移民が多い国なので」
 そこにマオリ族の人もいる、オペラ歌手のキリ=テ=カナワはイギリス系とマオリ族のハーフとのことだ。
「ですから」
「イギリスの妖精もなんだ」
「そのお話も入っていますの」
「そうなんだ」
「ただ、イギリスは根付いていますけれど」
 イギリスという国の土壌に完全にというのだ。
「ニュージーランドは言い伝えだけで」
「物語だけなんだ」
「はい、ただのお話です」
「妖精のお話自体がだね」
「むしろマオリ族や南洋の存在が大きいでしょうか」
 そちらの方がというのだ。
「オセアニアにありますので」
「そうなんだね」
「マオリ族の伝承も多いですし」
「人魂もそっちなんだね」
「おそらく。ウィル=ウィプスではなく」
 何でもウィルオー=ウィプスと呼ぶ場合もあるらしい、本当に人魂に似た夜に光る球形の妖精だ。
「南洋の」
「そちらなんだね」
「はい、ですが確かに人魂とUFOは見間違える可能性がありますね」
「間違えるよね」
「昔は見間違える人もいたでしょうか」
「多分ね。それとね」 
 僕はあらためてジョーンさんに話した。
「昔の文献でUFOにしか思えない話もあったりするから」
『日本ではそうですの」
「うん、これがそうじゃないかとかね」
「そうですの」
「徳川家康も肉人を観たっていうけれど」
 よりによって江戸か駿府か知らないけれど居城のお庭に入ってきてそうしてその手で天を指し示したらしい。 
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