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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百四十五話 夏の終わりの海その四

「だからね」
「充分に気をつけて」
「保護していかないとね」
「そういうことですね」
「そう、我が国は」
 エリザさんがここで言うことはというと。
「残念だけれど」
「と、いいますと」
「絶滅した生きものの種類はトップ」
「一国で」
「そう、一番多い」
 こう僕に話した。
「最悪の記録」
「まあいい記録じゃないですね」
「だから余計に気をつけないといけない」
「これ以上絶滅させたらいけないですね」
「絶対に、カンガルーもワラビーも蛇も」
 有袋類だけじゃなかった。
「海の生きものも」
「その全部が」
「絶滅しない様にしないと」
「未発見の生きものもですね」
「当然、恐竜とかなら余計に」
 UMAでよくその正体として言われる、ネッシーとかチャンプとかミゴーがその代表だろうか。
「保護しないといけない」
「恐竜なら」
「そう、絶対に」
「恐竜ですね」
「多分いる」
 エリザさんはこう僕に話した。
「オーストラリアいえ地球に」
「まだ、ですね」
「気がするんじゃなくて本を読んでいると」
「そう思えますか」
「ディーダラス号の話もそうだし」
 その喜望峰の話だ。
「ブラジルの沖でも出たとか」
「ブラジルでも」
「そう、エラスモサウルスだったとか」
「そんな話もあったんですね」
「そうらしい、ノルウェーの絵でも恐竜の絵がある」
 随分と詳しかった、僕もブラジルの話やノルウェーの話は全く知らないことだった。そのどちらも。
「首を絡め合ったオスとメスの」
「首っていうと」
「そう、首長竜」
「エラスモサウルスとかですね」
「あとプレシオサウルス」
 海にいた恐竜達だ、かなり大きかったらしい。
「そうした恐竜の絵があった」
「昔の絵ですよね」
「科学とかない時代」
「というと」
 つまり恐竜についての学問が確立していないどころか恐竜の存在すら信じられていなかったであろう時代だ。
「やっぱり」
「想像して描いたとは思えない」
「その目で見て、ですね」
「描いたみたい」
「それじゃあ」
「この話はかなり怪しい」
 恐竜の実在を確信させるというのだ。
「私はそう思った」
「そういえば」
 ジョーンさんも言ってきた。
「私もこうした話を聞いています」
「どんな話かな」
「はい、第一大戦の時に」
「あっ、ひょっとして」
「ドイツ軍の潜水艦が敵艦を撃沈した時に」
 Uボートだ、ドイツ軍の潜水艦といえばこの通称だ。
「撃沈した船の爆発の中から」
「恐竜がだね」
「飛び出たという」
「鰐に似た」
「そうした話があったとか」
「その話僕も知ってるよ」
「そうでしたか、そして私もです」
 ジョーンさんもというのだ。 
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