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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百四十五話 夏の終わりの海その三

「ひょっとしたら」
「いますかね」
「いて欲しい」
 エリザさんは個人的な望みを述べた。
「出来たら」
「そうですよね」
「絶滅していたら悲しいから」
 エリザさんはまた本音を話した。
「だから」
「そうですわね」
 ジョーンさんも言ってきた。
「我が国にもムカシトカゲがいますけれど」
「あの三つの目がある」
「はい」
 まさにという返事だった。
「あのトカゲですけれど」
「かなり珍しいトカゲだよね」
「文字通りの古い」
 まさに生きる化石だ。
「そうした生きものですが」
「絶滅したら」
「残念ですわ」
 そう思うというのだ。
「やはり」
「そうだよね、我が国もね」
 日本にしてもだ。
「そうした生きものがいるから」
「アシカですね」
「それもなんだよね」
「あとカワウソもですか」
「もういないと思うよ」
 凄く稀に目撃例があるけれどだ。
「ニホンカワウソは」
「そうですか」
「いて欲しいけれど」
 明治からの乱獲と河川の汚染でだ。
「もうね」
「いなくなりましたか」
「そうなったみたいだよ」
「そうですか」
「いなくなってね」
 本当にそれからだ。
「わかるんだよね、人間って」
「そのいなくなったことに」
「まさにそのことがね」
「非常に残念なことに」
「トキだってね」
 話題のこの鳥もだ。
「昔はニッポニアニッポンっていって」
「日本ですね」
「その学術名が付くまでにね」
 まさにだ。
「日本によくいたんだ」
「そうだったんですか」
「それがね」
 もう今ではだ。
「あんな状況だから」
「必死に飼育してですね」
「数を増やそうとしているんだ」
「そうですか」
「正直いなくならない為にも」
 あらゆる生きもの達がだ。
「最初から気をつけないとね」
「駄目ですよね」
「後悔先に立たずだから」
 まさにこの通りだと思う。
「ムカシトカゲもね」
「気をつけないといけないですね」
「そうだよ」
「さもないとですね」
「後で無念で仕方なくなるから」
 アシカやカワウソのことを思うとどうしてもだ。 
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