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夢幻水滸伝

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第四十二話 西国統一その一

               第四十二話  西国統一
 雪路と純奈も戦っていた、二人共兵達を率いつつ自身も果敢に戦う、それは夜を通して行われていた。
 だが二人共朝日が昇るのが近付きようよう白くなってきた戦場を見て歯噛みするしかなかった。
「兵がここまでやられているなんて」
「これは・・・・・・」
 二人は今は合流していた、闇夜の中それを果たしそれぞれが率いる軍勢もそうさせて戦かっていたのだ。だがその彼女達が見たものは。
 一方的に倒されている自分達の軍勢だった、関西の兵達は釣り野伏を防いでそれから数と装備それに星の者達の力で果敢に攻めその攻めでだった。
 兵の強さで大きく優る筈の九州の軍勢を一方的に押していた、その戦局を見ることになったのだ。
 その自分達にとってあまりにも劣勢な状況にだ、雪路は準兄歯噛みして言った。
「先輩、これはね」
「あかんたい」
「ああ、もうね」
「これはどうしようもなかとよ」
「そう言うしかないね」
 雪路は純奈に苦い顔で答えた。
「ここは」
「そうたい、しかし」
「ああ、今はね」
「棟梁から何も言われてないとよ」
 それ故にとだ、純奈は矢を放ちつつ雪路に言った、彼女が遠間を攻めており雪路が近間を受け持っている。
「それならたい」
「降る訳にはいかないね」
「うち等は九州の星たい」
「棟梁はあの人だからね」
「北原さんが言わんうちは」
 それならというのだ。
「勝手なことは出来んとよ」
「そうなるね、じゃあ」
「戦うたい」
 北原が何らかの断を言うまではとだ、純奈は言ってだった。
 再び矢を放つ、その屋で多くの敵兵を倒すがそれでもだった。戦局を覆すことは最早無理なのは彼女自身が最もよくわかっていた。
 戦局は関西の軍勢に完全に有利になっていた、正岡はその状況を次第に近付いてくる朝日の中で言った。
「このままいくとぜよ」
「我等の勝ちですね」
「そうですね」
「そうぜよ、いい状況ぜよ」
 まさにとだ、彼は周りにいる兵達に答えた。
「わし等にとって」
「それではですね」
「今は」
「敵を倒していくぜよ」
 このままというのだ。
「攻めている仲間の援護をしながら」
「そうしていきますか」
「このまま鉄砲や弓矢や術で」
「そうしていきますね」
「術は色々あって使い方ぜよ」
 それ次第で大きく変わるというのだ。
「それを援護に使ってぜよ」
「敵を効果的に倒していく」
「そうしていってですね」
「敵を徹底的に叩く」
「そうしていきますか」
「そうぜよ、そして勝つぜよ」
 こう言ってだ、自身も術を使う。これは織田も同じで彼等は攻める友軍の援護をしていた。その援護を受けてだった。
 芥川達攻め手はかなり効果的に攻めることが出来ていた、井伏はその猛烈な威力と速さの張り手の嵐で敵兵達を吹き飛ばしつつ兵達に言った。
「このまま朝まで攻めてのう」
「はい、勝ちを決定的なものにしましょう」
「そうしていきましょう」
「勢いは完全にこちらのもんですさかい」
「そうしていくべきですわ」
「そうじゃ、ここで大勝利を収めたらじゃ」
 まさにというのだ。 
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