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笑顔の戦士と絶望に抗う戦士

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8話

みゆきの部屋

「「「「「プリキュア、全員集合おめでとう」」」」」
「おめでとうクル〜!」
みゆきの部屋には、悟飯とプリキュアに選ばれた5人、妖精のキャンディーが、プリキュアが揃った記念と今後の話し合いの為に集まっていた。

「思っていたよりも早く五人揃って良かったよ」
これまでの事を思い出し、悟飯は感慨深く呟いた。
いや、まぁ…何故か都合よく、アカンベー達が攻めて来るたびに新しいプリキュアが目覚めていくから、思っていたより早く五人揃ったのである。


プリキュアになる為には、誰かを守りたい、助けたいなどの強い想いの力が必要だ。
しかし、人々全員がプリキュアに成る程の強い想いを抱ける筈もない。
ましてや戦う相手はアカンベー達の様な怪物で、自分よりも強く巨大なのだ。普通は怖い。それが当たり前だ。

「(それを乗り越えて、誰かの為に前に進める人達がプリキュアになれるのかもな)」
そう心の中で呟きながら、悟飯は集まった五人を見渡した。

星空みゆき、日野あかね、黄瀬やよい、緑川なお、青木れいか

この5人がプリキュアに選ばれた者達だ。
みゆきが「この子とプリキュアしたい!」と言った子達が次々とプリキュアになっていく為、「みゆきにはプリキュアレーダーが付いているのか?」と、悟飯は思ったくらいである。

「(プリキュアも五人揃ったし、これからの戦いが本番か…本音を言えば、みゆき達には戦ってほしく無いけど…)」

プリキュアに選ばれ、強大な力を得たとはいえ、これまで平和に過ごして来た14歳の女の子だ。
殴られるのは痛いし、殴るのも痛い、みゆき達みたいな一般人に戦って、傷ついてほしくない。肉体的にも精神的にも。だが、アカンベーを浄化する力を持っているのは彼女達だけだ。
なら、自分は彼女達が傷つかない様に出来る限りフォローしようと悟飯は考えるのだった。

「しかし、悟飯には驚かされたよ」

「本当だよね!一回攻撃する度にアカンベーが数十メートルは飛ばされてたもんね!」

「うん?」
どうやら、考えを巡らせている間にキャンディーの説明が終わり、話の話題が自分の方に向いていたらしい。

「体育の授業の時におかしいとは思っていましたが、私達のように変身をせずにあれだけの力があることに驚きです」

「えへへ〜悟飯君は凄いでしょ〜」

「何でみゆきが自慢げにしとんねん」

自慢げに胸を張るみゆきに呆れ顔であかねがツッコミを入れる

「…それで?悟飯さんは何者なんですか?」

「…え〜と、それは…」
れいかの質問に、悟飯は考える。

「(彼女達はこれから一緒に戦う仲間だ。みゆきやキャンディーに話のに彼女達に話さないわけにはいかないか)…実は「悟飯君は異世界の地球からきたんだよ!」…」
悟飯が他の4人に事情を説明する前にみゆきが答えてしまった。

「え?」

「ん?」

「ふぉおおお!!まさかのI✨SE⭐️KA I !!」

「…えっと、どういうことでしょうか?」

「え〜と…(アレは放っておいて良いのかな?)」
若干一名テンションがおかしい人間がいるが、悟飯はみゆきやキャンディーにした説明を4人にする。

「…それ、ホンマなん?」

「…妖精のキャンディーもいるくらいだし、そういう事もあるかもね。悟飯が言うなら信じるよ」

「まぁ、確かに…うん!悟飯が言うならウチも信じるわ!」

「ねぇ!ねぇ!悟飯君!ロボッターは!?巨大ロボットはいるの!?」

「ありがとう2人とも…あと、やよい。巨大ロボットはいないかな」
悟飯はなおとあかねに感謝の言葉を述べ、やよいには(やよいにとって)非情な現実を突きつける。
現実を突きつけられたやよいは、そのまま膝から崩れ落ち「そんな…異世界にも巨大ロボットが居ないなんて…一体どこに希望はあるの?」と呟いている。

「あは、あはは…」
それを見て悟飯は乾いた笑いを浮かべるしかなかった。

「…しかし、悟飯さん。急に居なくなってはご家族の方はご友人の方は心配されているのでは無いですか?」

「「「あっ」」」
悟飯が異世界から来たと言う衝撃発言で思い至っていなかったが、れいかの言葉で皆、顔を曇らせる。
「そうだよ!」
この暗い空気を切り裂くように叫んだみゆきに皆の視線が集まる。
「悟飯君を早く帰す為にも、キュアデコルを集めて!クイーン様を復活させて!クイーン様に頼んで悟飯君を元の世界に返すんだよ!」

「せやな!」

「うん!」

「そうだね!」

「頑張りましょう!」

「…ありがとう。みんな」







バッドエンド王国

「うぅ〜!何なんだわさ!あのプリキュアって連中は!」

「へっ、派手にやられたむみてぇだな。マジョリーナ」
苛立ちげに地団駄を踏むマジョリーナを見て、笑うウルフルン

「うるさいだわさ!」

「それにしても、またプリキュアが増えたオニな」

「…これで5人か。まさか、また増えたりしねぇよな」

「その心配はありませんよ。三幹部の皆さん」
忌々しげに眉をひそめるアカオーニとウルフルンの言葉に答えるように、ジョーカーがいつの間にかに現れて居た。

「私の手に入れた情報によると、プリキュアは全部で5人。これ以上増えることはありません」

「テメェがどこでそんな情報を手に入れたか知らねぇが、これ以上増えねぇなら有難いぜ」

「そうオニな。戦うたびに新しいプリキュアがポンポンポンポン現れたらたまったもんじゃないオニ」

「…それじゃあ。一番の問題は、あの小僧だわさね」
プリキュアがこれ以上増えないことを知り、3人は悟飯のことに焦点をあてた。

「残念ながら私の方でも彼に対する情報は得られませんでした」
肩をすくめ、答えるジョーカーに3人は苦虫を潰したような表情をする。
3人とって一番厄介なのは悟飯なのだ。
その身体能力はアカンベーを大きく上回り、自分たち自身も何度も捕まりそうになった。
ギリギリでバッドエンド王国に転移して捕まらずにいるが、戦うことになれば認めたくないが、勝つのは難しいだろうと、三人は思っていた。

「ですので、今回は私も出ます。彼の相手はお任せください」

「何!?」

「お前って、戦えるオニか?」

「戦えますよ〜それに一人で倒す必要は無いんです。時間さえ稼げば皆さんがプリキュアを倒してくれるでしょ?その後に全員でかかれば良いんです」

「なるほど、オレ達がプリキュアを倒すまでの時間稼ぎをしてくれるわけだ」

「ええ。ですので、三人全員で戦ってくださいよ。チャチャっと片付けて助けに来てください?」

「へっ!テメェこそちゃんと時間稼げよ?」

「全員でかかれば勝てるオニ!」

「アイツらさえ居なくなれば、バッドエナジーが集め放題だわさ!ピエーロ様の復活も早まるだわさ!」

「ええ!ピエーロ様の復活の為に、この戦いで邪魔者を始末しましょう!」 
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