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夢幻水滸伝

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第四十一話 耳川の合戦その十二

「その二つがないとでごわす」
「戦えんな」
「そうでごわす」
 まさにというのだ。
「だからおいどんは戦に頭も使うでごわすよ」
「仲間と共にやな」
 中里は笑ってだ、北原にこうも言った。
「そうしてるんやな」
「九州の仲間達と共にでごわす」
 言いつつだ、北原は再び間合いを詰めた、そうして中里に対して激しい打撃を幾度も浴びせだした。中里は今度は二刀でその打撃を受けて防ぎつつ自身も隙があると見ると突きを中心とした攻撃を浴びせた。
「日本と太平洋、そして」
「世界をやな」
「統一し世界を救うでごわす」
「志は一つやな、しかしな」
「それでもでごわすか」
「それは関西に入ってしたらどうや」
 中里は激しい一騎打ちの中で北原に誘いをかけた。
「そうしたらどや」
「そうしたければでごわす」
「勝ってみろか」
「この戦でおいどん達に」
 つまり九州の軍勢にというのだ。
「そうしてみるでごわす」
「言うな、ほなそうしたるわ」
 実際にと返す中里だった。
「自分にも勝ってそしてな」
「戦にもでごわすか」
「勝ってみせるわ」
 こう言ってそしてだ、中里は一騎打ちを続けた。その中で両軍の激しい戦は続き。
 芥川は攻める軍勢を指揮しつつだ、本陣において攻める軍勢全体の援護をしている正岡と織田に言った。
「全体の感じはどや」
「はい、順調にです」
 織田が応えた、今も貝殻でやり取りをしている。
「前方も後方も攻めていてです」
「敵はかなり倒してるか」
「はい」
「出鼻を挫いたのが効いたぜよ」
 正岡も言ってきた。
「そしてそこから攻めたのもぜよ」
「ええな」
「そうぜよ、敵の奇襲を防いでそうして」
「こっちも攻めてな」
「戦か完全にこちらのものになっているぜよ」
 まさにとだ、正岡は芥川に答えた。
「これならぜよ」
「この戦ただ勝つだけやなくてな」
「既にかなり倒しているぜよ」
 九州の軍勢の兵達をというのだ。
「朝には決着がつくと思うぜよが」
「その頃にはな」
「九州の軍勢はかなりの犠牲を出してるぜよ」
「よし、それまで僕等は攻めてな」
「わしと織田が援護するぜよ」
 そうするとだ、正岡は芥川に約束した。
「そうするから安心するぜよ」
「それを確実にしてくるるから自分等に本陣を任せたんや」
 正岡、そして織田にとだ。芥川は正岡に返した。
「井伏や山本は攻める方が得意やからな」
「玲子ちゃんもぜよ」
「そや、そやから三人には攻めさせてな」
「わし等は援護ぜよ」
「そうさせてるんや、そやったらな」
「このまま援護を続けるぜよ」
「僕等はこのまま攻めるわ」
 引き続きそうするというのだ。
「的確な援護頼むで」
「そうさせてもらうぜよ」
 正岡も約束した、そしてだった。
 芥川は九尾の狐に乗り中里から譲り受けた兵一万を合わせた二万の兵を以て軍勢を率い攻めに攻めた、北原が中里との一騎打ちに入り九州の軍勢の主力の指揮は又吉が行っていたがその軍勢を己の神具と術、それに玲子と彼女が率いる軍勢と共にだ。
 激しく攻めつつだ、彼は自軍に言った。
「ええか、ここで勝って終わらせるで!」
「九州での戦を」
「それを」
「そや、そして勝って焼酎や!」
 それで勝利を祝うというのだ。 
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