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夢幻水滸伝

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第四十話 高城への進軍その七

「実際に攻めてじゃな」
「そのうえでじゃな」
「僕等も釣られる、そこにや」
「来るぜよ、相手が」
「そうしてきますね」
 正岡と織田も言ってきた。
「四方八方から」
「それでわし等を攻めて来るぜよ」
「そうしてくる、しかしな」
 それでもと言うのだった、芥川はここで。
「そこであえてや」
「罠にかかるぜよ」
「そうして罠をな」
「今軍師さんが話してくれた策でのう」
「徹底的に破るんや」
 こう正岡に話した。
「そうするで」
「わかったぜよ、ではわし等はのう」
「僕と一緒にいてもらう、ええな」
「わかったぜよ」
「では高城に行くで」
 敵が待つそこにというのだ、こう話してだった。
 関西の軍勢は今は休み英気を養った、九州の軍勢もそれは同じで彼等の必勝の策を整えつつもだった。
 休むことは怠っていなかった、北原は高城において兵達について美鈴に話していた。
「美味いものをたらふく食ってもらうでごわす」
「決戦に備えて」
「今夜もそうしてもらうでごわす」
 まさにとというのだ。
「今夜は薩摩芋が出ていたでごわすな」
「はい」
 美鈴は微笑み北原に答えた。
「左様です」
「ではでごわす」
「棟梁も薩摩芋を召し上がられますね」
「大好物でごわす」
 北原は美鈴に笑って答えた、
「何といいましても」
「そうですか、では」
「皆で食べるでごわす」
「焼き芋でして」
「ではおいどん達も食うでごわす」
「はい、それでは」
 九州の星の者達も薩摩芋を食べるがそこでだった、北原は美鈴達に対して言った。
「決戦の時でごわすが」
「その時にですね」
「策の通りにでごわす」
「釣り野伏で」
「仕掛けるでごわす」
 薩摩芋を食べつつ鋭い目での返事だった。
「そうするでごわす」
「そしてその時はですね」
 又吉が言ってきた。
「一気にですね」
「関西の主力を徹底的に叩くごわす」
 そうするというのだ。
「これ以上はないまでに」
「そしてそこから反撃に転じて」
「大宰府まで奪い返してでごわす」
「さらにですね」
「本州、四国を攻めるでごわすが」
 ここでこうも言った北原だった。
「それは次の戦の勝ち方次第でごわす」
「徹底的に勝てば」
「一気にでごわす」
 関西の主力を殲滅したならばというのだ、高城において。
「攻められるでごわす」
「では次の戦いは」
「本当にだね」
 肥前や肥後で戦ってきて今は転移の術でいる純奈と雪路も応えてきた。
「私達の運命を決する」
「そうした戦になるたい」
「そうでごわす、だから死力を尽くして」
 そうしてとだ、北原は二人にも話した。
「戦うでごわすよ」
「若し敗れれば」
 その場合のことをだ、美鈴はあえて話した。 
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