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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百四十二話 靖国神社その十三

「あの人はリアルで怖かったんだよ」
「実際の本人さんは吸血鬼より怖い」
「事実はね」
「現実の方が怖いとかね」
「世の中そうしたもの?」
 二人でこんな話もした。
「やっぱり」
「そうなるのね」
「サイコ殺人鬼とかそうした手合いはね」
 本当にだ。
「実際幽霊とかより怖いよね」
「もっとね」
「そうしたのより」
「洒落になってないから」
 怪談は物語だけれど現実は実際に人が死ぬ、それだけに怖いのだ。
「だからね」
「余計によね」
「怖いわよね」
「恐怖なんてものじゃないよ」
 それこそだ。
「自分の国には絶対にいて欲しくない人だから」
「ゲリラとか麻薬組織より怖い?」
「そうよね」
 今度は中南米の社会問題の話が出た。
「ドラキュラ公は」
「もうそれこそ」
「今いたら」
「絶対にそうね」
「ドラキュラ公は確かに優雅で紳士的だし」
 これもクリストファー=リーの影響だろうか、けれど昔のドイツ映画ノスフェラトゥはかなり怖かった。
「カーミラも奇麗で魅力的なんだよね」
「カーミラは女吸血鬼よね」
「確かレズよね」
「そう、同性愛者だよ」
 カーミラの特徴だ、だから余計に妖しい魅力を放っている。。
「美少女の血を吸っていくんだ」
「妖しいけれど魅力的だわね」
「それはまた」
「うん、カーミラはそうした吸血鬼だよ」 
 怖い感じはあまりしない、そうした作品ということか。
「日本でもこうした吸血鬼漫画で結構出るし」
「日本の漫画もホラー多いし」
「同性愛も多いしね」
「うん、ポーの一族とかね」
 吸血鬼の漫画の古典的名作だ、僕も読んだことがあるけれど最後までとても魅力的な作品だった。
「多いよ、この書斎にもあるし」
「あっ、その漫画あるの」
「そうなの」
「よかったら読んでみる?」
 僕は微笑んでこう二人に話した。
「ポーの一族ね」
「ええ、よかったら」
「そうさせてくれる?」
「じゃあね」
 僕は二人に応えて席を立った、そしてだった。 
 書斎からポーの一族を出してだ、二人に手渡してまた言った。
「どうぞ」
「じゃあお部屋に帰ったら読むわね」
「順番でね」
「そうしてね、本当に名作だから」
 萩尾望都先生の代表作と言えるだろう。
「読み応えもあるよ」
「そんなに長くないお話じゃない」
「それでもなの」
「内容が濃くてね」
 その密度の濃さも魅力の漫画だ。
「読み応えがあるんだ」
「ふうん、そうなの」
「短めのお話でもなの」
「そうなんだ」
 こう二人に話した。
「だから呼んで後悔はしない筈だよ」
「それじゃあね」
「読ませてもらうわね」
「そうしてね、あとね」
 僕はポーという名前からさらに話した。 
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