八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百四十二話 靖国神社その七
「というかアマゾンはスズメバチどころじゃないよね」
「まあね、怪談だってね」
それもだった。
「謎の失踪とかだから」
「怪談になるかな」
「なると思うけれど」
「まあ日本でもあるかな」
幽霊や妖怪の話でもだ。
「実際に」
「そうでしょ、本当にね」
「うん、それが幽霊とかじゃなくて」
「生き者であるのがね」
「アマゾンなんだね」
「そうよ」
「何かあそこはね」
アマゾンには行ったことがないけれど聞く限りではだ。
「物凄いところだからね、生きものもね」
「そんな場所だから」
「とんでもない生きものばかりで」
「まだ見付かっていない生きものも一杯いてね」
「じゃあこの怪談も」
「事実もあると思うわ」
それもというのだ。
「アマゾンの場合はね」
「成程ね」
「そう、オオナマケモノがいるとも言われてるし」
「あれ絶滅したよね」
この生きものについては僕も聞いている、中南米にいて五百年かそれ位前に絶滅したらしい。
けれどだ、そのオオナマケモノがなのだ。
「まだ生きているんだ」
「そう言われてるの」
「本当なのかな」
「それがわからないからね」
「噂になってるんだ」
「この生きものは人を襲わないみたいだから怪談には出ないけれど」
それでもという返事だった。
「それでもね」
「まだいるかも知れないんだ」
「恐竜がいてもおかしくないし」
話がコナン=ドイルのロストワールドみたいになってきた、この作品の舞台はギニア高地が舞台でアマゾンに近いと言えば近い。
「どんな種類の恐竜もね」
「日本が幾つも入る広さだしね」
「そうでしょ、それだけの面積が密林よ」
それならだった。
「もうね」
「何がいてもおかしくないのね」
「そうよ、恐竜がいてもよ」
「それで恐竜絡みの怪談もあるんだ」
「聞いたことあるわ、あと嫌な話だけれど」
「嫌な?」
「人食い人種ね」
嫌な話と言った通りだ、ニキータさんは眉を曇らせて僕に話した。
「これの話もあるし」
「ああ、その話もあるんだ」
「ニューギニアにもあるのよね」
「実際にいたらしいよ」
二十世紀にはまだいたというかそうした風習の部族がいたと聞いている。何かその部族の儀式とかで食べていたと聞いている。
「僕もね、それでアマゾンにも」
「いるってね」
「言われているんだ」
「まだね」
「実際にアマゾンにもいたんだ」
「いたらしくてね」
そしてというのだ。
「今って噂もあるの」
「そうなんだね」
「だから行方不明になった人も」
「どうやらね」
「そんな話があるんだ」
「あくまで怪談で」
「本当の話かは」
「信憑性はあるのよ」
幽霊や妖怪の怪談と違ってだ、確かに聴いていても信憑性を感じずにはいられない話だった。
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