| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハイスクールD×D/EXTELLA

作者:edjigboj
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

月光校庭のエクスカリバー
  聖剣計画

一誠side

 「聖剣計画?」
俺の言葉に部長は頷く。

 「そう、祐斗はその計画の生き残りなのよ」
あの後、木場が去ってから俺は、アイツの変貌に疑問を持って思い切って部長に聞いてみた。
部室には木場と棟夜以外のメンバーがいる。

 「数年前まで、キリスト教内で聖剣エクスカリバーが扱える者を育てる計画が存在したの」

 「・・・・・・初めて知りました」
アーシアはこの計画を知らなかったようだ。聖女として祭られていた彼女の耳にまで極秘っぽい計画が届くわけもないか。

 「聖剣は対悪魔にとって最大の武器。私たち悪魔が聖剣に触れたらたちまち身を焦がす。斬られればなす術もなく消滅させられてしまう。神を信仰し、悪魔を敵視する使徒にとっては究極とも言える兵器よ」
聖剣・・・・・・ゲームや小説にも出てくるものだよな。俺も悪魔だし、実際問題一番危ない武器ってことだ。

 「聖剣はその出自は様々だけれど、一番有名なのはエクスカリバーかしら。日本でも色々な書物で取り上げられているわね。神の領域にまで達した者が魔術、錬金術などを用いて創りあげた聖なる武器・・・・・・聖剣。けれど、聖剣は使うものを選ぶの。使いこなせる人間は数十年に一人出るかどうかだと聞くわ」

 「木場は魔剣を創りだす神器を持った能力者ですよね? それと同じように聖剣を創りだす神器はないんですか?」
俺の質問だ。魔剣の神器があるなら、必然的に聖なるほうもあるんじゃないかって短絡的に思った。

 「ないわけじゃないわ。けれど、現存する聖剣に比べると、今のところ聖なる神器は今一つね。もちろん、弱いってことではないのよ? 中にはあなたの神器同様に神滅具の聖具もある。イエス・キリストを殺した者が持っていた神器・・・・・・『黄昏の聖槍』が有名かしら。『神滅具』の代名詞となったものとも言われているわ」
・・・・・・『神滅具』
神を倒せるほどの力を有した神器のことだ。俺の左腕にもそれが宿っている。聖なる武具の神器にも『神滅具』があるのか。てか、キリストさんを殺した槍も『神滅具』とは・・・・・・。歴史の謎が唐突にネタバレされるから上級悪魔様とのお話は奥が深いぜ。

 「ただ、エクスカリバー、デュランダル、日本の天叢雲剣、それらの聖剣が強力すぎて、匹敵する聖なる神器は現時点で存在しないわ。魔剣のほうもほぼ同様かしら」
へー。って、俺には良くわからないことばかりだ。本当は知っておかないといけないんだろうけど、最近は覚えることが多くてついて行けない部分も・・・・・・。

 「祐斗は聖剣・・・・・・特にエクスカリバーと適応するため、人為的に養成を受けた者の一人なのよ」

 「じゃぁ、木場は聖剣を扱えるんですか?」
俺の質問に部長は首を横に振る。

 「祐斗は聖剣に対応できなかった。それどころか、祐斗と同時期に養成された者たちも全員適応できなかったようだけれど・・・・・・」
そうなのか・・・・・・。
あれほど剣に精通して、魔剣を数多く扱える木場でも聖剣はダメだったのか。

 「適応できなかったと知った教会関係者は、祐斗たち被験者を『不良品』と決めつけ、処分に至った」
・・・・・・処分。
何だか嫌な言葉だ。内容も容易に想像がつく。
部長も不快な思いなのか、目を細める。

 「祐斗を含む被験者の多くは殺されたそうよ、ただ『政権に対応できなかった』という理由だけで・・・・・・」

 「・・・・・・そ、そんな、主に仕える者がそのような事をしていいはずがありません」
アーシアにそってその情報はショックだったようだ。目元を潤ませている。
自分の信じていたものが次々と裏切ってくれれば、泣きたくもなるだろう。

 「彼ら教会の者たちは私たち悪魔を邪悪な存在だと言うけれど、人間の悪意こそが、この世界で一番の邪悪だと思うわ」
部長の瞳は憂いを帯びていた。
部長は悪魔だ。だけど、とても優しい。人間界にいるのが長いから、人間のような感情を得てしまったと部長はおっしゃっていたけど、それだけではないと俺は感じる。
部長は生来優しい女性なんだと思う。じゃなければ、部長の優しい笑顔は説明できないさ。悪魔にだって優しい者はいる! 俺の持論だ。

 「私が祐斗を悪魔に転生させたとき、あの子は瀕死の中で強烈な復讐を誓っていたわ。生まれた時から聖剣に狂わされた才能だからこそ、悪魔としての生で有意義に使ってもらいたかったのよ。祐斗の持つ剣の才能は、聖剣にこだわるにはもったいないものね」
部長は聖剣によって無残な人生にされてしまった木場を悪魔にすることで少しでも救いたかったのだろう。
聖剣なんかに拘らないで、悪魔として力をふるい生きてくれ・・・・・・と。
でも、木場は。

 「あの子は忘れられなかった。聖剣を、聖剣に関わった者たちを、教会の者たちを・・・・・・」
神父を嫌悪していたこと、聖剣の情報に拘ったこと、木場は結局いまだに引きずってるのか。
いや、自分の人生を好き勝手にしておいて殺されたんじゃ、怨恨持ってもおかしくないと思う。俺も堕天使の姉ちゃんに殺されたとき、恨みを感じたもんな。
それが幼少のころからなると、恨みの大きさも相当なものだろう。
部長は大きくため息をつく。

 「とにかく、しばらくは見守るわ。今はぶり返した聖剣への思いで頭がいっぱいでしょうから。普段のあの子に戻ってくれるといいのだけれど」

 「あ、それの事なんですが、切っ掛けがこの写真っぽいんです」
俺は例の写真を部長へ手渡す。木場がこの写真に写っている剣を『聖剣』と言っていた。何か関係があると思うんだけど・・・・・・。
部長は写真を見るなり、眉をひそめる。

 「イッセー、あなたの知り合いに教会関係者と関わりを持つ人がいるの?」

 「いえ、身内にはいません」
一応、両親にも聞いてみた。

 「ただ、俺が幼いころに近所に住んでいた子がクリスチャンだったみたいです」

 「そう、あなたの近くに・・・・・・いえ、十年以上も前にこの町には聖剣があったなんてね。恐ろしいわ」

 「じゃぁ、その剣はマジで聖剣なんですか?」

 「えぇ、聖剣のひとつね。先ほど説明した伝説の聖剣ほどではないけれど、本物だわ。となると、この男性が聖剣使い・・・・・・。なるほど、私の前任悪魔が消滅させられたと聞いていたけれど、その理由がこれなら説明もつくわ。でも、確か・・・・・・」
おおぉっと、部長が何やら独り言を始めてしまった。
何か思い当たるところがあるようだ。
そんな時、ガチャっと部室の扉が開いた。

 「いやー。濡れた濡れた。誰かタオルくんない?」
そういって入ってきたのは、全身びしょ濡れの棟夜だ。っておいおい! どうしたんだよその状態!!

 「棟夜君! 大丈夫!? サラマンダー、シルフ。棟夜君を乾かしてあげて!」

 「任されよ綾」

 「オッケ~。すぐに乾かすね~」
柴崎が慌てて近づいて、精霊にお願いするとサラマンダーとシルフが出てきて、棟夜の体を乾かし始めた。
具体的には、シルフの風をサラマンダーが温めて棟夜に直接当てている。精霊って便利だね。

 「トーヤ。あなた今までどこにいたの? 連絡も寄越さないで」

 「悪い・・・・・・大会後、俺はこっそりと木場の後を追いかけていたんだ」
木場の奴を追いかけてたのか。道理で大会後姿が見えないと思ったよ。

 「そして道中、木場は最悪な奴と最悪な武器に出会っちまった」
最悪な武器・・・・・・まさか。

 「聖剣?」

 「当たり。木場が心底憎んでいる聖剣エクスカリバーに出会っちまったのさ。しかも使い手は綾以外面識のある神父・・・・・・フリードだ」

 「「「「「!?」」」」」
皆が驚愕する。当たり前だ! フリードが未だこの町にいるのに驚いたけど、そいつがエクスカリバーを持ってんのに驚いたよ!!
部長は額に手を当て、深くため息をつく。

 「ハァ・・・・・・どうして次から次に問題が起こるのかしら」
深く項垂れる部長。
そりゃそうだ。身内で大変なことが起きてるっつうのに、さらに面倒事が起こるなんてこれ以上は御免だぜ。
最悪な奴に最強の聖剣か・・・・・・絶対会いたくないな。

 「そこでちょっとした斬り合いになったが、俺がゲイ・ボルクを顕現させたら尻尾巻いて逃げてったよ。ホント、危機感能力はピカイチだな」

 「・・・・・・祐斗はどうだったの?」

 「ありゃ完全に復讐心に捕らわれているな。今アイツに何言っても聞き入れちゃくれないだろうさ。一応、無理はするなとは言ったが、果たして聞き入れてくれるものかな」
困り顔で棟夜はそう言った。
木場の人生をメチャクチャにした聖剣。それさえ破壊すれば、アイツは元に戻るのか?

 「とりあえず今夜はもう切り上げだろう? なら早いと転移で帰ろうぜ。一人で帰ってたらフリードの奴が来るかもしれねぇからな」

 「そうね・・・・・・今日はもう終わりにしましょう。イッセー。あなたを自宅まで転移させるわ」

 「あ、はい部長」
部長の言葉で部活を切り上げ、帰りは久しぶりの転移になった。




棟夜side
一誠、朱乃を家に転移で返してからリアス、アーシア、小猫も帰宅。あ、俺は綾と一緒に帰っているぞ。まだオカ研に来て日が浅い綾はまだ転移で帰ることが出来ない。ので俺が送っている。
まぁ、相当リアスに問い詰められたが、ひっそりと『今度背中流してやる』と小声で伝えれば軽く承諾してくれた。
傘を差し綾の家に向かう俺と綾。何にも会話ねぇな。
無言で歩いていると、綾が声をかけてきた。

 「ね、ねぇ棟夜君」

 「ん?」

 「あ、あの。その・・・・・・桐生さんから聞いたんだけど、棟夜君って、今リアスさんたちと暮らしているの?」
! 桐生の野郎・・・・・・。余計な事教えやがって。綾には後で話す予定だったのに!

 「え、うん。まぁ、そうなるな。ああ、一応言っておくけど、ちゃんと両親から公認されてるからな!・・・・・・まぁ、風呂に入ってきたり寝ることはあるが一線は超えてないから丈夫だ」

 「・・・・・・うん」
あれ? 何か言葉間違ったか? 何かメチャクチャ泣きそうな感じなんだけど。

 「あ、綾? 大丈夫か?」

 「・・・・・・」
あ。頷きだけで話さなくなっちまった。やっべ~、何か気に障ること言ったか?
その場で止まり考えていると。

 「棟夜」

 「棟夜お兄ちゃん」

 「・・・・・・棟夜」

 「・・・・・・」
そして何故だかサラマンダーにシルフにウンディーネにノームに睨まれている。え? 何でおれ睨まれてんの?

 「節操なし。少しは綾の気持ちを考えてやれ」

 「最低。マスターの気持ちを考えてよ!」

 「・・・・・・女ったらし。見損なったわ」

 「カキカキカキカキカキ。バッ!」←どこからか取り出したプレートに『馬に蹴られて地獄に落ちろ。マスターが可哀そう』と書き見せつける。

 「えぇ!! 何で怒られるの!!?? 何か綾が悲しむことしたか!?」

 「ふん。少しは自分で考えろ」

 「棟夜お兄ちゃんのおたんこなす」

 「・・・・・・自分の胸に聞きなさい」

 「カキカキカキカキ・・・・・・バ!」←『少しは乙女心を知るべき!!』
それだけ言うと、みんな綾の体の中に戻っていった。

 「・・・・・・??? 俺、何か癪に障ること言ったか?」
あの後、無言で歩きながら考えたが、やっぱり何も心当たりがない。




綾side
私は自分の家に帰ってる最中、一緒に来てくれてる棟夜君に聞いてみた。それは棟夜君がリアス先輩、アーシアさん、小猫ちゃんと一緒に同棲してる話。

 『棟夜君って、今リアス先輩にアーシアちゃんに、後輩の小猫ちゃんたちと同棲してるらしいよ。何でも親の公認のもとだって』
昼休み。桐生さん話から話を聞いた私は、動揺を隠せなかった。嘘であってほしいと思った。
だから、今日の帰り道二人っきりで聞いた。そして帰ってきたのが・・・・・・。

 『まぁ、そうなるな』
頬をかきながら、少し恥ずかしそうに棟夜君が答えてくれた。
それを聞いた私は、胸が締め付けられる感じを覚えた。とても苦しくて、痛みが走った。

 「今日は送ってくれてありがとう」

 「気にすんなよ。『幼馴染』だからな」

 「・・・・・・っ」
幼馴染。棟夜君は私を一人の女性ではなく、幼馴染としか見てくれない。それがちょっと、寂しい。

 「ん? どうした綾?」

 「え、あ、ううん。何でもないよ。棟夜君も気をつけてね」

 「おう。じゃぁな。風邪ひくなよ」
それだけ言うと、棟夜君は自分の家に帰り始めた。
私は自分の部屋に行き、電気もつけず制服のままベッドに倒れこむ。
・・・・・・っ。ダメ。我慢してたのに。もう抑えられない。

 「うっ・・・・・・ひく・・・・・・うぅ」
押さえてた涙が溢れてきた。手で拭ってもどんどん出てくる涙。
涙を止めるように顔に枕を押し付ける。
私も・・・・・・一緒に暮らせないかな?




棟夜side
綾を自宅に送り届け、自分家に帰ってきて早々リビングで黒歌に抱き付かれ一悶着あったが、夕飯食い終わって後は寝るだけだ。
今、女性陣は皆風呂に入ってる頃だろう。

 「スゥ~・・・・・・ハァァァァァ」
体を拭き終わりパジャマに着替え、ベッドに寝転がり深くため息をつく。ゴロリと仰向けからうつ伏せになりマクラに顔を埋める。
ついに・・・・・・ついにこの時が来てしまった。
そう。ついに聖剣の話がきたんだよ。

 「はぁ」
もうね。フェニックスの話が終わってから、そろそろ来るんじゃないかと思ったけど、ついに来ちゃったんですねぇ。えぇ。
確かこの世界、ってまぁ転生前の話じゃ聖剣は壊されたことになってるんだよねぇ~。それを俺が持ってることになると、どうなるか分ったもんじゃないからね。

 「は~もう~。嫌だな~」
もう鬱になるんじゃないかと思うくらいひどく落ち込んでいます。はい。
その時、コンコンと扉をノックした。

 「どうぞ」

 「入るわね」
そう言い入ってきたのは、リアスだ。まだ髪が湿っているのかバスタオルで拭いてる。
ベッドに腰掛けると、ほんのりといい香りが漂ってきた。

 「トーヤ。あなた大丈夫? 何か思いつめた感じがあるけど」

 「ん。あぁ、大丈夫さ。ちょっとね」

 「・・・・・・もしかして、祐斗を考えているの?」

 「まぁそれもあるけど、個人的な問題だよ」
それに、やっぱり綾が悲しそうな表情浮かべてたのも気になるし。
互いに沈黙し静寂が部屋を包む。バサっと音が聞こえた。見ればリアスが拭き終ったバスタオルを椅子に掛けた音のようだ。
再び腰掛けると、切り出した。

 「祐斗を止められなかったのは、主である私の責任でもあるわ。いいえ。もしかしたら、心のどこかで安心していたのかもしれないわ。学園生活を楽しんで、上手く溶け込んでくれたら、きっと祐斗の復讐心も消えると思っていたのかもしれないわ。まったく。主失格ね」
皮肉ぽっく笑い、髪を触る。

 「仕方ないんじゃないか。誰だって復讐心を忘れることは無理だろう。それが処分ってことで自分も含め皆殺されたのなら尚更だ」
起き上がりリアスの隣に座る。

 「リアスが言った通り、今は見守るしかねぇよ。今のアイツに何言っても聞きゃしない」

 「そうよね」
それで言葉が途切れ、再び静寂になる私室。途端にリアスが、

 「もう寝ましょう。あまりあれこれと考えていても祐斗の機嫌がおいそれと直ってくれるわけでもないわ」
そういうとパジャマに手をかけ・・・・・・って脱ぎだした!!

 「まてまてリアス! 何故ねるのにここで服を脱ぐ!?」
俺が手で目を隠し背を向け聞くと、すでに下着姿のリアスは首をかしげきょとんそしている。何できょとんとする?

 「何故って、私は寝るとき裸じゃないと眠れないって、トーヤも知っているでしょう?」

 「そうじゃなくて、何で俺の部屋で!?」

 「あなたと一緒に寝るからに決まっているでしょう」
当然のような口調でリアスは答える。そこは一人で寝ろ!! 毎朝毎朝俺もヤバいんだよ!!

-ガチャッ!!-

「抜け駆け禁止よ!!」

「部長・・・・・・ズルいです」

 「私も一緒に寝ます!!」
部屋の扉が開き黒歌、小猫、アーシアの順に部屋に入ってくるなる服を脱ぎだす!! 野郎の前で脱ぐんじゃない!!

 「リアス! 黒歌はともかく、小猫とアーシアには悪影響だから早く服を着てくれ!!

 「ちょっと! 私に対する扱いがひどくにゃい!?」

 「お前は裸で風呂に入ってきたりベッドに侵入してたじゃねぇか!!」

 「悪影響? それはずい分な言い方ね、トーヤ。私が裸で寝ているのは知っているでしょう? 現に一緒に寝たじゃない」

 「アレはリアスが三人を魔力で強制的に眠らせて入りこんだんだろう!?」
もう~・・・・・・毎日寝ようとするとこれだ。

 「アーシア、黒歌に小猫。今夜は私に譲りなさい」

 「嫌です。・・・・・・私だってイッセーさんに甘える権利があると思います。私だってトーヤさんと寝たいんです!!」

 「私も・・・・・・先輩と寝たいです。部長や姉さまはいつも甘えてる・・・・・・私にも・・・・・・一緒に眠る権利はあります」

 「私だって寝たいの! リアスが来てから一緒に寝れる機会が少なくなったにゃ!! それにいつも体を押し付けて誘惑してるリアスに譲る気はないにゃ!!」

 「あなたちだって普段から甘えてるでしょう!?」
・・・・・・何だよこれ。俺の部屋でみんなが睨みあって火花散らしあってる。メチャクチャ空気が薄い。酸素が足りない。
俺は気づかれないようコソ~っと移動し、部屋から出ようとするが。

 「では、トーヤに決めてもらいましょう」
ここで俺に振るか!?
全員が俺に視線を向けてくる。特にリアスは『私を選びなさい!』と言わんばかりの視線だ。迫力がある。

 「トーヤさん、私と寝てくれますよね?」
瞳を潤ませながら聞いてくるアーシア。演技なしのガチの奴やん。

 「先輩・・・・・・私と寝ましょう」
普段は仕舞っている耳と尻尾を露わにし、枕を抱きかかえ可愛らしい声で誘ってくる。これはこれで可愛い。

 「棟夜~。今日は一緒に寝るにゃ。特別にサービスするにゃ♡」
ワザと胸を見せつけるよう、腕を組んで強調しいつもより艶っぽい声に流し目で見てくる。エロい!
これ、選ばなかった方に恨まれるな。
ある意味、究極の決断を強いられた俺は今までにない以上頭を抱えるのだった。




あの後、俺は『今回は全員で寝る』ってことで落ち着いてもらった。無論、みんなにはパジャマを着てもらっている。
全員女子で下着姿で寝る中、俺だけ男・・・・・・色々ヤバいだろう! 
一応承諾してくれたが、今度は誰が俺の両脇で眠るかで戦いが再び勃発した。どうでもいいだろうそんなもん!!
熱くある四人に、俺はジャンケンで勝者が俺の両脇で、敗者は勝者の隣・・・・・・つまり壁側でと床で寝ることになる。
その結果。俺の両隣にはリアスとアーシアが寝ることになった。負けた姉妹はどうしたかと言うと。

 「・・・・・・にゃん」
小猫は小柄な体を利用して、俺の体の上で落ちないよう器用に寝ている。そして黒歌だが・・・・・・。

 「はぁぁ」
一人床で寝ている。ちゃんと敷布団を敷いて寝ているようだが、かなり落ち込んでいる。

 「黒歌」

 「・・・・・・なぁに?」
声に何時もの覇気がない。仕方ねぇなもう。

 「あのさ。今度お詫びに二人だけでどこか行こうぜ」

 「!! ホント!?」

 「シィ! バカ、声がデケェよ!!・・・・・・バレねぇようにな。だから機嫌なおせよ?」

 「分ったにゃ! お休み!!」

 「あぁ、お休み」
元気が出て取り合えず一安心だな。
・・・・・・俺も明日に備えて寝るか。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧