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レーヴァティン

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第四十話 偸盗その八

「だからな」
「是非にでござるな」
「そのことも考えていくか」
 冷凍技術もというのだ。
「何かと」
「それがいいでござるよ」
「保存技術は大事だ」
 人間が生きる為にだ。
「何ていっても」
「燻製や干物もそうですし」
 謙二はこうしたものを出した。
「塩漬けもあります」
「そして砂糖漬けや蜂蜜漬けもな」
「どれもこの島にはあります」
「この島は砂糖も豊富にあるな」
「それも白砂糖が」
 砂糖は砂糖でもそちらの砂糖である、この砂糖は加工技術がないと出来るものではないがこの島にはその技術もあるのだ。
「あるな」
「豊富に」
「島の南で砂糖が採れるそうだが」
「サトウキビがありますので」
「だからだな」
「砂糖もありまして」
 そしてなのだ。
「加工技術もあり」
「白砂糖もあるか」
「甘いものも豊富です」
「そこは室町の日本とは違うな」
「あの頃の日本では砂糖は貴重品でした」
 狂言にもなっている通りにだ、砂糖は非常に貴重なもので滅多に手に入るものではない珍しいものだったのだ。
「ですがこの島では違いまして」
「多くあるな」
「そしてお菓子にも使っています」
「そういうことだな」
「それで砂糖漬けもあります」
 塩漬けと同じ様にだ。
「塩は塩水の湖があり」
「そこで作っているな」
「そうしています」
 湖の近くに塩田をもうけてだ。
「それでこの島にも塩や砂糖があります」
「そういうことだな」
「そして蜂蜜もありますので」
 良太はこちらの話をした。
「養蜂も行われているので」
「この島にはその技術もあるな」
「それでなのです」
「そちらの味も楽しめてな」
「保存の為に使うことも出来ています」
 その蜂蜜漬けにしてだ。
「保存技術は多彩です」
「そうだな、しかしな」
「冷凍技術もあれば」
「尚いいな」
「あとガラスもありますので」
「ガラスもか」
「この島では硝子と書きますが」
 これもあるというのだ。
「それを造る技術も」
「そうか、ならな」
「おわかりですね」
「ガラス詰めも出来るな、いや硝子詰めけ」
「硝子の瓶を造り」
 良太は具体的な造り方の話をここではじめた。
「その中に保存したいものを入れてコルクなりで密閉し」
「そしてだな」
「思いきり熱してです」
 その硝子の瓶ごとだ。
「そうすればです」
「中にあるものは保存出来る」
「ナポレオンからはじまったものです」
 ナポレオンがエジプト遠征の時に新しい食べものの保存方法を募集してそれで一人のアイディアマンが出したのだ。
「これが缶詰のはじまりです」
「缶詰は流石にな」
「この時代では無理がありますね」
「しかし硝子を造られるならな」
「あと西の島からコルクの技術も伝わっています」
「なら造られる」
 英雄は良太に確かな顔で言った。 
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