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儚き想い、されど永遠の想い

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247部分:第十八話 相互訪問その十四


第十八話 相互訪問その十四

「そうとも言えますね」
「ですね。そうとも」
「これこそが」
「日本の味」
 このことを味わいながらわかったのだ。
「今我が国にあるものですね」
「思えば贅沢ですね」
「贅沢。こうしたものが食べられることがですか」
「この和食だけではないのですから」
 真理は今食べている日本だけかと考えた。しかし義正はだ。
 それだけではないと。こう言うのだった。
「他にも」
「西洋や支那のものも」
「味わい、見聞きして」
 そうしてだった。さらに。
「楽しめるのですから」
「そうですね。他の国のものも」
「それを考えるとやはり」
「贅沢ですね」
「いい時代です」
 義正も懐石料理を味わいながら。こう言うのだった。
「恋愛。心からお互いに愛し合うのなら」
「それができて」
「そうして愛し合いながら」
 そのうえで、であった。さらに。
「様々な文化を楽しめるのですから」
「それが今の日本ですね」
「これからどうなるかわかりません」
 だがそれでもだった。今は。
「江戸の頃よりも明治の頃よりも」
「過去よりさらに」
「幸せになっています」
「これからも」
「幸せになりましょう」
 真理を見て。微笑んで述べた。
「そうしましょう」
「そうですね。やがては」
「やがては?」
「今私達は二人で楽しんでいます」
 真理からだ。こう言ったのだった。
「ですがそれをです」
「そうですね。二人だけではなく」
「子供達もです」
 既にだ。そのことを考えている真理だった。
 そしてだ。そのことを考えながら義正に話した。
「そうして家族で」
「楽しむべきですね」
「幸せは増えるものですから」
「増やせるものですね」
「ですから」
 家族をだ。もうけたいというのだ。
「これからは」
「そうですね。幸せは大きくできて」
「増やせるものですね」
「はい」
 義正は真理の言葉にこくりと頷いた。
「だからこそ是非」
「大きくして増やしていきましょう」
 二人は笑顔で話していくのだった。
「幸せを」
「そうですね。日本もさらに幸せになっていっています」
「ですから私達も」
「そうなりましょう」
 二人でそのことを話すのだった。今の彼等は。
 幸せに満ちていると思っていた。全てが。しかしだった。
 不幸というものは突如として来るものということはだ。まだ知らないのだった。
 その二人は食事の後でだった。
 屋敷の応接間でだ。義正の妹、その義美と話していた。
 洋服、紅のドレスの彼女はだ。にこやかに笑って兄とその妻に言うのだった。
 
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