転生とらぶる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
ペルソナ3
1954話
「来ました! やっぱりその……白河通りです!」
7月7日……七夕であり、期末試験の準備期間の始まりであり……同時に満月の日。
そんな色々な意味で重要な今日、俺達は巌戸台分寮に集まっていた。
タルタロスでは美鶴達と別々に行動しているのだが、今日は満月でイレギュラーシャドウが出る日だ。
そんな訳で、協力して対処するという事になり……ゆかり、荒垣、コロマルを含め、俺達は全員がこの場にいた。
「白河通りか」
呟く荒垣の言葉に、たった今その名前を口にした山岸の頬が赤くなる。
いや、山岸だけではない。ゆかりや美鶴も赤くなっていた。
……特にゆかりの場合は、自分で直接白河通りの偵察に向かい……更にそこで色々と刺激的な光景を見てしまった為か、美鶴や山岸と比べても頬は赤くなっている。
それこそ、到底冷静ではないだろうと、そんな風に思ってしまえる程度には。
勿論落ち着かない様子なのは女達だけではない。
順平の方も白河通りという名前には色々と言いたい事があるのか、どこか挙動不審になっている。
まぁ、順平にとって白河通りは、名前は知っていても実際に行った――正確には利用した――事がない場所だけに、妄想力も捗るのだろう。
そう考えると、何だか微妙に順平に哀れみを覚えてしまう。
いつか、利用出来るといいな。
「ん? ど、どうしたんだよ?」
俺の生暖かい視線に気が付いたのか、順平がどこか戸惑ったように声を掛けてくる。
だが、俺は順平に対して首を横に振り、本題に入る。
「さて、じゃあ行くか。幸い白河通りなら、タルタロスとかのように遠いって訳じゃない」
「何言ってるのよ。遠くても遠くなくても、結局アクセルの影のゲートで転移するんでしょ? なら、そんなのは気にする必要がないんじゃない?」
ゆかりのその言葉は、否定出来ない事実だった。
もっとも、山岸のバックアップを受けるという意味では、近い方がいいのは事実だ。
「そうかもな。……それで、何人で行く?」
「あ、それだけと……山岸君も連れて行ってくれないか?」
「は?」
幾月の予想外の言葉に、思わず視線を向ける。
実際、そのような事を言うとは全く思っておらず、だからこそ若干視線が厳しくなるのも当然だった。
「おっと、そんなに怒らないでくれ。勿論アルマー君が怒る理由も分かる。けど知っての通り、山岸君のバックアップは近ければ近い程にその効果を発揮するんだ。つまり、最大限にその効果を発揮するのであれば、白河通りに行く必要がある」
「……そう言われてもな。そもそもその話、もし山岸を白河通りに連れていけば、護衛が必要になるぞ?」
山岸のペルソナのルキアは、高い索敵能力を持っている非常に有能なペルソナだ。
だが、その反面戦闘力という点では皆無に近い。
ゆかりのイオのように、その質量を活かして敵に体当たりをするという戦い方もあるにはあるが、ルキアは他のペルソナと違って、その体内に山岸を抱え込んでいる。
そうである以上、イオのように質量を活かして敵に体当たりをする……といった真似も難しいだろう。
また、山岸本人もとてもではないが運動神経が高くはなく、バックアップとしてならともかく、実戦に参加するメンバーとしては非常に心許ない。
だからこそ、ここでルキアを使ってバックアップして貰う……というのが、俺の提案だった訳だが……幾月はそれが気にくわなかったらしい。
「それは分かってる。けど、これだけの人数なんだ。そうれば、当然全員で建物の中に突入するなんて出来ないだろう? であれば、突入しないメンバーは暇になる訳だ。その人達が山岸君を守ればいいのでは?」
「それは……」
それを否定しようとしたが、幾月の言葉にも一理あると認めざるを得ない。
イレギュラーシャドウが外に出ているのであれば、それこそ全員で戦うような真似も出来るだろう。
だが、もしラブホテルの中にいるのであれば?
その場合、人数が多いというのは戦力が増えるのではなく、上手く動く事が出来ずに仲間の足を引っ張る事になりかねない。
そして、わざわざ白河通りという場所にイレギュラーシャドウの反応があった以上、まさか外でこっちを待ち受けているという可能性は皆無ではないが……限りなく少ないのも、また事実だった。
「先月のイレギュラーシャドウを思い出して欲しい。今までは1匹ずつ出ていたにも関わらず、先月は2匹同時に出てきたんだろう? だとすれば、今回もそうなる可能性は否定出来ない。そして、その辺りの情報を素早く把握する為には、山岸君が必要だと思うんだが……どうかな?」
そう言われれば、俺としても無条件に反対は出来ない。
実際、先月戦ったイレギュラーシャドウは、俺に直撃というあらゆる障害を突破して敵にダメージを与えるという、半ば反則的な能力があったからこそ何とかなったが、もし俺がいなければ……つまり原作通りの展開なら、山岸がいなければどうにもならなかった可能性は高い。
先月と全く同じ能力を持つイレギュラーシャドウが出てくるとは思わないが、それでも、似たような展開になる可能性は否定出来なかった。
「分かった。元々山岸は俺達のチームって訳じゃなくて、美鶴のチームだ。もし美鶴がそれで構わないのなら、こっちはそれで構わない。……ただ、そうなると護衛の方もしっかりと考える必要があるだろうけどな」
「……構わん。理事長の懸念ももっともだ」
結局美鶴が俺の言葉にそう返したのは、やはり先月のイレギュラーシャドウとの戦いで思うところがあったからだろう。
「分かった。なら、全員で行くか。集まってくれ」
俺はペルソナを使えるメンバーにそう呼び掛けるのだった。
白河通りに姿を現すと、当然ながら通りには幾つもの棺の姿がある。
その殆どが2つ並んでおり、どういう組み合わせなのか……そしてこれからどこに行って何をするのかというのは、考えるまでもなく明らかだ。
「ルキア」
周囲の様子を警戒しながら、山岸がルキアを召喚する。
そして数秒……山岸は少し離れた場所にあるラブホテルを指さす。
「あのラ……その、ホテルです。あのホテルの中から、イレギュラーシャドウの反応があります」
「ふむ、何匹だ?」
「……恐らく、1匹かと。ただ、ちょっと怪しいところがあるので、もしかしたら、という事を考えておいて下さい」
美鶴の言葉に、山岸がそう返す。
「分かった。では……山岸、イレギュラーシャドウのいる場所での戦闘は何人くらいが可能だ?」
「その……えっと、その……」
美鶴の言葉に、何故か山岸は言葉に詰まる。
何だ? 何でいきなり急に?
そんな疑問を抱いたのは俺だけではなかったらしく、美鶴が不思議そうに言葉を促す。
「どうした? 何かあるのであれば、今のうちに言っておいて欲しい」
「いえ、そうではなく……その、イレギュラーシャドウがいると思われる部屋は、その、ですね。大勢が入れるようになっているみたいで……かなり広いです」
大勢が入れるように。
その言葉の意味が、最初は分からなかったのだろう。
美鶴や真田、有里といった面子は軽く首を傾げ……
この前ここに来た時、女2人と男1人という者達を見たゆかりは、すぐにそれが何を意味しているのかを理解して、顔が真っ赤に染まる。
順平もそっち系には興味が高い為か、顔を赤く染めながらも興味深そうに山岸を見ていた。
荒垣は元々ポートアイランド駅の裏側にいる事が多いためか、耳年増……といった感じで大体理解しているらしい。もしかしたら、そういう経験があるのかもしれないが。
ともあれ、山岸が言ってる広い場所というのは、つまりそういう場所の事なのだろう。
結局美鶴はその山岸の話の裏を読み取る事は出来ないまま、口を開く。
「では、突入するのは……アクセル、岳羽、私、明彦、有里の5人でどうだ?」
「俺は行かなくてもいいのか?」
「俺ッチも?」
「わん!」
名前を呼ばれなかった荒垣、順平、コロマルの2人と1匹がそう聞き、もしくは吠えるが、それに対して美鶴は表情を変えずに頷く。
「そうなる。山岸を寮に残してきたのであれば、出来るだけ多くの者を連れていきたかったのだがな」
そう言われれば、美鶴がこのメンバーを残した理由も納得出来る。
まず荒垣は、俺達のグループから1人を派遣するという意味で選ばれたのだろう。
勿論腕利きという点も考慮されている筈だ。
順平が選ばれたのは、美鶴達からもここに残す戦力を用意する必要があり、大剣を武器にしている順平は建物の中では戦いにくいというのもある筈だ。
……それと、戦力として信頼されている証でもあるだろう。
コロマルの場合は……何か異常があった場合、すぐにでも嗅覚で察知出来るというのが大きい筈だ。
周囲を警戒するという意味では、コロマルはかなり頼りになるのは間違いない。
後は、やはり人間ではなく犬である以上、美鶴達にとっては連携を取りにくいというのもある筈だ。
「では、山岸の防御は頼む」
美鶴の言葉に、2人と1匹はそれぞれ了承の返事をする。……コロマルは鳴き声だったが。
順平も素直に頷いたか。以前……それこそ俺に対抗心を持っていた頃であれば、自分が突入ではなく外で山岸の護衛をするというのは、間違いなく不満を口にしていた筈だ。
だが、今の順平は大剣を手に、いつ敵が襲ってきてもいいように山岸の近くで待機している。
荒垣が少しだけ感心したように見ているのだから、順平も以前に比べると随分と成長したものだ。
もっとも、それまでに掛けられた迷惑の事を思えば、それくらいはやってくれなきゃな……と思うのだが。
ともあれ、残る方が大人しく決まった以上、俺達は突入する事になる。
俺を含めて、突入する5人はラブホテルの前に立つ。
そうして、一気に建物の中に突入していく。
だが、すぐに異変に気が付いた。
「シャドウがいない?」
長剣を手に、有里が小さく呟く。
そう、有里の言葉通り、建物の中にシャドウの姿がなかったのだ。
いや、イレギュラーシャドウの姿がないのは分かる。
山岸の力で、ここではなくもっと奥の多人数プレイで使う部屋にいると言われていたのだから。
有里が口にしたシャドウがいないというのは、イレギュラーシャドウではなく、雑魚シャドウの事だろう。
先月出てきたイレギュラーシャドウは、タルタロスのエントランスに出てきた為か、雑魚シャドウを引き連れているような事はなかった。
だが、その前のモノレールに現れたイレギュラーシャドウの時は、モノレールの中に多くの雑魚シャドウがいたと聞いている。
だとすれば、今回も雑魚シャドウがいてもおかしくはないのだが……その辺り、一体どうなっているんだ?
『周辺にシャドウの反応はありません。そのまま進んでも問題ないかと』
山岸の声が聞こえてくる。
最初は雑魚シャドウがどこかに隠れているのでは? と思わないでもなかったが、山岸の報告を聞く限りではその様子はないらしい。
となると、本当に雑魚シャドウはいないのか?
「奥に進もう」
周囲に雑魚シャドウがいない以上、ここにいる必要はない。
そう判断して告げると、全員が頷く。
そうして山岸の案内に従って真っ直ぐ進んでいくと……やがて、1つの部屋が見えてくる。
そう、山岸が最初に言っていた、多人数プレイ用の広い部屋。
『そこです。その部屋の向こうにイレギュラーシャドウがいます』
山岸の言葉に導かれるように、俺はその扉を開く。
手には既にゲイ・ボルグを持っており、いつでも戦闘可能な状態だった。
そして、姿を現したのは……風船のような腹を持つ、太ったシャドウと表現すべきか。
「全員、攻撃開始!」
美鶴の言葉に、その場にいた全員が行動を開始する。
俺もゲイ・ボルグを手に……イレギュラーシャドウの様子を見つつ、周囲を確認する。
山岸の言葉から、もしかして前回のように2匹のイレギュラーシャドウがいるのではないかと、そう思っていたのだが……部屋の中にいるのは、1匹だけだ。
なら、話は簡単だ。後は、向こうが妙な真似をするよりも前に、片付けてしまえばいい。
『雷系の攻撃は反射します! 闇と光が無効! それ以外は問題なく効果があります!』
山岸の言葉に従い、俺達は一気に攻撃を仕掛け……特に苦戦らしい苦戦もせず、あっという間にイレギュラーシャドウを倒す。
それこそ、戦闘時間は数分と掛かってはいなかっただろう。
「え? あれ? これで……終わり?」
予想外にあっさりと終わった戦闘に、ゆかりが呟く。
そんな気持ちを抱いているのは他の者達も同様のようで、どこか落ち着かない様子で周囲を見回し……
瞬間、俺は殆ど反射的に近くにあった鏡に向かい、鬼眼を発動していた。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
ページ上へ戻る