儚き想い、されど永遠の想い
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241部分:第十八話 相互訪問その八
第十八話 相互訪問その八
「美しいのです」
「自然が生み出したものだからですね」
「そう思います」
「ですね。私達もですね」
「自然の中の一つなのです」
あまりにも壮大なだ。その中の一つだというのだ。
「思えば小さな存在です。しかし」
「しかし?」
「その小さな存在がです」
どうかというのだ。その小さな人間がだ。
「やはり美しいのです」
「私達がですか」
「醜い部分もあります」
それは否定できなかった。人には確かにそうした部分もある。
だがその醜も頭の中に入れてだ。話すのだった。
「ですが。それと同じだけです」
「美もありますか」
「そう思います。近頃は特に」
「近頃は」
「貴女と共にいるようになり」
それからだ。さらに思うようになったというのだ。
「そうなりました」
「そうでしたか。私と」
「美しいのは外見のことではなく」
「中ですね」
「はい、心です」
美しいのはだ。それだというのだ。
「人のその心がです」
「美しいのですか」
「だからこそ私達はです」
「こうして二人で、ですね」
「幸せに導いてもらいました」
他の人達のだ。美しい心によってだというのだ。
「そうしてもらいましたから」
「他の方々の清らかな心が」
「そうしてくれました」
こう真理に話すのである。
「素晴しいことに」
「そうですね。私達だけではとても」
「今こうしてここにいることは」
「できませんでした」
二人でだ。このことを確かめ合うのである。
「ではやはり」
「人の心には清らかなものがあります」
そのことだった。確かめ合うものだ。
その話をしてだ。さらにだった。
二人でだった。その蓮達を見てだ。次は。
真理がだ。こう義正に言ってきたのだ。
「あの」
「はい、次はですね」
「私のお家に」
招待するというのだ。真理の実家にだ。
「二人で」
「そうですね。お互いにですから」
「そうして頂きますね」
「そうさせて下さい」
穏やかな言葉でだ。義正は答えた。
「二人で」
「有り難うございます。それでは」
「今度は」
「中に入りますか」
屋敷の中にだ。戻ろうかというのだ。
「そうしますか。それでお茶でも飲みましょう」
「お茶をですね」
「それか食事でも」
それにもだ。真理を誘うのだった。
「そうされますか」
「御食事ですか」
「もういい時間です」
義正は懐から懐中時計を出して時間を見た。見ればその時間は。
「十二時です」
「もうそんな時間ですか」
「はい。ですから」
どうかというのだ。食事をだ。
「如何でしょうか」
「御食事は」
「遠慮することはないです」
真理がそれを見せたのでだ。事前にだった。
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