夢幻水滸伝
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第三十五話 筑後を抑えその三
「子だけ消しても」
「別に」
「そやろ、まあ雅ちゃんのこっちの世界での名前も決まったし」
瑠璃子はこの話に戻してきた。
「ほなな」
「筑後やな」
「重要事項が決まったし」
この四人にとっては大事なことだ。
「そやったらな」
「まずは筑後やな」
「そや、まずは筑後を抑えて」
瑠璃子はリーダー格として話した。
「そしてやな」
「肥前に行くにしてもな」
雅美も言ってきた。
「肥後から筑後を攻められたら本末転倒やし」
「かといっても肥前も広いで」
由香も言ってきた。
「そやからあそこ攻めるんならな」
「うち等四人、二万で攻めたいな」
紗枝も言う。
「やっぱり」
「ほなここはどうする?」
「あれしかないやろ」
ここで紗枝が出した策はというと。
「中里さんに筑後を抑えてもらう」
「大宰府に残るか」
「あの人に兵を送ってもらってな」
大宰府から筑後にというのだ。
「それで筑後守ってもらうか」
「それがええかもな」
「そやな」
まずは瑠璃子と由香が頷いた。
「一万の兵のうち幾らか出してもらって」
「早いうちにな」
「どっちにしろ一万の兵で留守守るって話やし」
「それやったらな」
「ほなすぐに連絡しよか」
最後に雅美が賛成した。
「夏目さんに」
「そやな、ほなすぐに連絡するわ」
紗枝は三人が賛成したのを受けて自分の貝殻を出した、そのうえで夏目に連絡をすると夏目は笑って言ってきた。
「麿から言おうと思っていたでおじゃる」
「そうでしたか」
「もっと後でと思っていたでおじゃるが」
「ほな」
「筑後は任せるでおじゃる」
こう紗枝に言うのだった、貝殻越しに。
「占領していくと共に五千程向かわせるでおじゃる」
「そうしてですか」
「筑後を守るでおじゃるよ」
「ほなうち等は」
「そのまま肥前に行くでおじゃる、若し肥後から攻めてきてもでおじゃる」
肥後にいる純奈がそうしてきてもというのだ。
「麿が大宰府から移って迎え撃つでおじゃるよ」
「そうしてくれますか」
「だから貴殿達は安心して肥前に向かうでおじゃる」
予定通りにというのだ。
「そして二万の兵で肥前全土を占領するでおじゃる」
「それが済んでからですね」
「肥後を攻めるといいでおじゃる」
今は攻めてくることを警戒しているこの国にというのだ。
「わかったでおじゃるな」
「わかりました」
紗枝は夏目に笑顔で応えた。
「そうします」
「では肥前は頼むでおじゃるよ」
ここまで話してだ、夏目は貝殻での通信を切った。紗枝はそのうえでだった。他の三人に笑顔で話した。
「ええって言うてるわ」
「よし、ほなな」
「今から肥前に行くか」
「そうしよな」
「筑後を占領してからな」
そのうえでというのだ。
「長崎も行こうな」
「それでカステラ食おうな」
「ちゃんぽんもな」
「あとあそこの海でムツゴロウも食べよか」
「そうしよな、食べる方も楽しみや」
四人は明るく笑ってこんなことも話した。
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