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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1920話

「テストの成績、張り出されたってよ!」
「よっしゃぁっ! 今回のテストではいよいよ俺の名前が!」
「馬鹿言ってるんじゃないわよ。あんたの名前なんかある筈ないじゃない。いっつも赤点ギリギリの癖に」
「ぐはぁっ! てめえ……言ってはならない事を……」

 月曜の休み時間、教室の中が一気に騒がしくなる。
 テストの成績が張り出されたと聞き、何故か俺の側で順平が緊張した様子で立ち上がる。

「いや、順平の名前が載ってる訳ないでしょ」

 気合いを入れた順平に、これまたいつものようにゆかりが突っ込む。
 ……まぁ、一週間程度の勉強会で赤点ギリギリの順平が、成績上位者になる訳がないってのは、俺も同感だが。

「な、なんだよゆかりッチ。もしかしたら……本当にもしかしたら俺の名前もあるかもしれないじゃん」
「……岳羽さん、夢を見るのは自由だから」

 有里のフォロー……いや、これは追撃か? ともあれ、その言葉に順平はダメージを受けたような表情をうかべる。

「ま、この中でもし名前があるとしたら、アクセルと有里君かしらね」
「ゆかりも可能性はあるだろ?」

 昨日のピクニックでも、今回のテストはそれなりに手応えがあったといった話をしていたのだから。
 だが、そんな俺の言葉に、ゆかりは少し照れたように笑みを浮かべる。

「まぁ、そうかもしれないわね。……それより、ほら。さっさと見に行くわよ。順平の戯言はともかく、アクセルと有里君の名前があるのは確実なんだから」

 そうして照れた様子のまま、ゆかりは教室の外に……成績が張り出されている場所に向かう。
 そんなゆかりの後を、俺達は追う。
 俺、有里、順平、友近、宮本の5人。
 有里、俺達と一緒に行動してるけど、山岸はいいのか?
 この前の一件を考えると、あの不良の女達に苛められてそうな気がするんだが。
 まぁ、山岸がそれを望んでいるのなら、別にわざわざ俺が口を出す事でもないか。
 そんな風に考えながら、ゆかりに追いつき、成績の張り出されている場所に到着する。
 すると、俺達を見た瞬間、その場にいた生徒達の視線が集まる。
 いや、それ自体はそこまで珍しくはない。
 そもそもの話、このグループにはゆかりと有里という、月光館学園の中でも人気のある2人がいるのだ。
 そうである以上、人目を集めるのは当然だった。
 だが……今回いつもと違ったのは、視線を向けられている先がその2人ではなく、俺だった事が大きい。

「ちょっと、アクセルってあの人?」
「ああ。にしても……転校してきて最初のテストで……」

 聞こえてくるその言葉で、何を言っているのかというのは、大体分かった。
 それを確認する為に、張り出されている名前を見ると……

「や、やっぱり」

 張り出されている名前の中でも最初に書かれているのは、アクセル・アルマーという俺の名前。
 ……他の面子が漢字の名前なのに、俺だけがカタカナで書かれているというのは、どうなんだろうな。
 最初に俺の名前が載っているだけに、余計に目立つ。
 まぁ、だからといって、俺の名前を無理矢理漢字にするというのも、それはそれで目立つと思うんだが。
 アクセル……阿久瀬流・有真、とか。……微妙だな。止めておこう、うん。

「うわ、本当にアクセルが1位だ。すげぇ……頭がいいとは思ってたけど」

 順平の驚きの声。

「ちなみに、12位を見てみろ」

 順平を含めて他の面子からの視線に耐えられず、そう告げる。
 そんな俺の言葉に従い、他の面々は12位の場所に視線を向ける。
 そこに書かれていたのは、有里湊という名前。

「ああ、12位だったんだ。結構頑張ったかな」

 淡々と、特に嬉しいといった様子もなく、有里が呟く。
 個人的には有里はもう少し成績がよく……10位までには入るかと思っていたんだが。
 いや、それでも12位ってのは十分凄いんだけどな。
 本人はいつものようにどこか気怠そうな雰囲気をしているだけだが。

「で、後はずーっと下っていって……あ、ゆかりの名前発見」

 張り出された紙をずっと下っていくと、35位にゆかりの名前を発見する。
 200人近い学生の中で35位だから、成績としては間違いなく優秀だろう。
 だが、ゆかり本人はそんな成績を見ても微妙な表情を浮かべていた。

「アクセルと有里君の成績を見た後だと、正直いまいちだよね」
「そうか? 35位ってのは、十分に優秀な成績だと思うが」
「……一応、ありがとうってお礼は言っておくわね」

 そう言葉を交わし、再び張り出された名前に目を通していくが、この面子の中で名前が載っているのはゆかりが最後だった。

「えー、俺ッチの名前は載ってないのかよ」
「あのね、本当に名前が載りたいんなら、普段からもっとしっかりと勉強しなさいよね。テスト前に急いで勉強して、それで成績優秀者になりたいってのは、図々しいわよ」
「うわ、ゆかりッチ、厳しい……ただでさえ、剣道部の練習で筋肉痛なのに」

 いや、それは今のゆかりの言葉に関係あるか?
 そう思わないでもなかったが、実際今日の順平の動きは微妙に鈍い。
 一昨日の土曜日から始まった剣道部の練習で、それだけしごかれたのだろう。
 一応ランニングとかはしていたって話だが、それでも足りなかったらしい。
 まぁ、自主的なランニングと本格的な剣道部の部活ともなれば、色々と違うところがあって当然だろう。
 ましてや、月光館学園の剣道部はそれなり強豪として有名だ。
 剣道の素人が、2年になってから入部するというのは……普通なら有り得ないのだろう。
 もっとも、桐条が根回しを行ったから、問題なかったのだろうが。
 そもそも順平が今回のように剣道部に入るというのも、影時間の件を解決する為……そして、タルタロスでの戦いの為だ。
 防具とかそういう部活に必要な代物も、桐条グループで用意したらしいし。
 何だかんだと、防具とかは結構な値段がするらしいしな。

「だが、順平の上達速度はかなりのものだぞ。それこそ、下手をすれば団体戦のレギュラーに入ってもおかしくないくらいにな」
「へぇ。やるじゃん」

 宮本の言葉に、ゆかりが少しだけ感心したように呟く、
 三馬鹿トリオのメンバーにして、俺に嫉妬していた……と、ゆかりにとって順平の印象は最悪と呼ぶに相応しいものがある。
 だが、こうして見る限りでは、多少なりとも見直しているのは間違いないのだろう。

「ただ、時々判定を取れない場所に攻撃するのはどうかと思うがな。足とか」
「あー……悪い。反射的にな」

 頭を掻きながら言葉を濁す順平だったが、俺とゆかりと有里の3人は何が原因で咄嗟にそんな行動が出るのか知っている。
 タルタロスで行われるシャドウとの戦いでは、それこそ型どおりの剣術とかは全く役に立たない。
 当然だろう。そもそも剣術というのは、人間を相手にする為に産み出された代物だ。
 だが、シャドウは基本的に人型というのはそう多くはない。
 それこそ、スライムだとか鳥だとか、ちょっと変わったところではテーブルだとか、そういう奴も多いのだ。
 そんな相手に大剣で勝負を挑む順平は、当然ながら剣道とは違って攻撃出来る場所、攻撃しやすい場所、効果的なダメージを与えられる場所……といった場所があれば、反射的に狙うようになっていてもおかしくはない。
 それが剣道部の練習中にも出たのだろう。

「ま、取り合えず成績も確認したし戻ろうぜ。……ん? どうした?」

 照れくささを誤魔化すように、教室に戻ろうといった順平だったが、ふと有里が俺達から離れていくのを見て声を掛ける。

「あ、先に行ってて。僕はちょっと用事があるから」

 そう言いながら離れていく有里。
 何だか微妙に不機嫌そうな様子があったが、何だ?
 実はもう少し成績がいいかも? と思ってたとか?

「何だ?」
「さぁ? ただ、ちょっと怒ってたように見えるけど」
「だよな」

 ゆかりも俺と同じ感想を抱いたのか、そう言ってくる。
 そうなんだよな。怒っていたように見えたのは間違いない。
 ただ……何故怒ったのかと聞かれれば、首を傾げる。
 今までの俺達の会話で、何か怒る要素があったとは思えなかった。
 となると、また別に何か怒る要素があったって事なんだろうが。
 そんな疑問を抱きつつ、ともあれという事で俺達は教室に戻る。
 すると教室の中では既にテストの結果を見て戻ってきた者もおり、俺を見るとおめでとうといった風に声を掛けてくる者も何人かいた。

「ん?」

 そうして会話をしていると、ふと携帯に着信の音が。
 メールか? と思って見ると、桐条からのメール。
 そこに書かれていたのは、『ブリリアント』の一言。
 ……何を言いたいのか、さっぱり分からない……訳ではない。
 このタイミングでこのようなメールが来たという事は、恐らく俺の順位を何らかの手段で桐条が知ったのだろう。
 まぁ、桐条は生徒会長なんだし、それを思えばそこまで不思議な事でもないと思う。
 取り合えず簡単に感謝の言葉だけを送っておく。
 一応一緒に勉強会をした者として、桐条にも色々と思うところがあったのだろう。

「どうしたんだ、アルマー」

 俺の様子を見ていた友近が、そう声を掛けてくる。
 もしかして、俺が桐条からメールを貰ったのを本能で嗅ぎつけたとか?
 普通なら考えられない事だったが、これが友近なら有り得ると思っても不思議ではない。
 ……叶との仲も、本人曰く結構順調に進んでいるらしいけど、それはそれ。これはこれってところか。

「いや、何でもない」

 取りあえず、そう誤魔化しておく。
 でないと、色々と面倒な事になりかねないし。

「ふーん。そうなのか? ……まぁ、いいけど」

 そう言うと、俺から視線を逸らす。
 さて、何とか誤魔化したし……後は……
 そう思っていると、有里が教室に入ってくる。
 さっき俺達から離れていった時と同様……いや、それよりも更に不機嫌になっている。
 本当に、どうしたのやら。
 そう疑問に思わないでもないも、今ここで何か声を掛けても、間違いなく何があったのかといった事を言ってきたりはしない筈だ。
 であれば、有里が声を掛けてきた時、すぐに反応出来るようにしておいた方がいい。
 そう思いつつ、俺は戻ってきた有里に声を掛けるのだった。





「イオ、ガル!」

 ゆかりの言葉に、召喚されたイオは炎と氷のバランサーに対してガルを放つ。
 このシャドウは、アギとブフ、それとマハアギとマハブブを使ってくる厄介な敵だったが、俺達にしてみれば容易い相手でしかない。
 何故なら、こいつの弱点は風。
 イオの放ったガルにより、三匹の炎と氷のバランサーはその場に倒れ込む。
 そして、俺達がそのような絶好の好機を見逃す筈がない。
 荒垣の召喚したカストールが、ゆかりの弓とイオの攻撃が、あっさりと炎と氷のバランサーを倒していく。
 現在俺達がいるのは、タルタロスの28階。
 テストも終わったし、成績も張り出されたという事で、ようやくタルタロスの攻略を再開したのだ。
 そうして25階から28階までやってきて、現在探索中だった。
 それなりにシャドウは出てくるが、それでもゆかりと荒垣にしてみれば、特に問題なく倒せる程度の敵でしかない。
 何といっても、ゆかりは現在最強のペルソナ使いだし、荒垣もペルソナの潜在能力が高すぎて、カストールを暴走させないようにするのがやっとだという……
 精鋭だったり、高い潜在能力を持っているペルソナ使いなのは間違いない。
 17階以降の、周囲の様子が変わったところから出てくるシャドウはかなり強くなったが、最初はともかく、今のゆかりと荒垣であれば問題なく対処出来るようになっていた。
 ……ただ、ゆかりのイオは俺と一緒に行動している間にそれなりに魔法を習得してるんだが、荒垣のカストールは未だに何も魔法やらスキルやらを習得してないんだよな。
 やっぱりカストールの能力が高いから、それが影響して魔法とかスキルを覚えるまでにも長い時間が掛かる……ゲーム的に表現すると、もっと高レベルにならないと新しい魔法やスキルは習得出来ないといったところか。

「ご苦労さん。風が弱点のシャドウだけあって、倒すのは簡単だったな。なら、次は……ん?」
「あ、ちょっと。どうしたのよ、いきなり」

 突然行動した俺を見てゆかりがそう尋ねてくるが、俺はそれをスルーして通路を曲がる。
 そうして俺が見つけたのは……輝く宝箱。
 いわゆる、レア宝箱と呼ばれている代物だ。
 この階にやってきてからは現金と男用のシャツを見つけただけだったから、このレア宝箱は嬉しい。
 後ろから追いついてきたゆかりと荒垣がこっちを見ているのを理解しながら、その宝箱を開く。
 そして入っていたのは……

「ハイレグアーマー……これは、やっぱりゆかりに着ろっていうタルタロスからの要求だな」
「なんでよーーーーーーーーーーーっ!」

 呟く俺に、ゆかりは絶叫するのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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