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夢幻水滸伝

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第三十二話 九州上陸その五

「そしてでごわす」
「博多からですね」
 美鈴も言う。
「九州を攻め取ってきますね」
「そうしてくるでごわす、博多からです」
「大宰府にも」
「そうなるでごわすから」
「まずはですね」
「この博多で、でごわす」
「敵を食い止める」
「そうするでごわす」
 こう言うのだった。
「関西の軍勢を水際で食い止めるでごわす」
「ではです」
 ここで言ってきたのは又吉だった。
「我等全員が出陣して」
「そうでごわす」
「そして九州に上陸自体をさせない」
「そうするでごわすよ」
「わかりました、では今度は僕も」
「戦ってくれるでごわすな」
「はい」
 一も二もなくだ、又吉は北原に答えた。
「そうさせてもらいます」
「五人全員で向かうでごわすよ」
「わかりました」
「よし、やるばい」
「雪辱を晴らすよ」
 純奈と雪路も言ってきた。
「壇ノ浦のそれをね」
「そしてそこから反撃ばい」
「その通りでごわす、ではでごわす」
 こう話してだ、そのうえで。
 北原は博多の軍勢を率いて水際で関西の軍勢を迎え撃とうとしていた、そして水際に行くとだった。
 既に関西の軍勢が集結していて上陸用意に入っていた、中里は三笠の艦橋に芥川と共にいる。そのうえで。
 軍勢の動きを見つつだ、こう言った。
「ほなな」
「今からや」
「上陸作戦やな」
「敵はかなりおるな」
 水際を見てだ、中里はまた言った。
「もう誰一人としてあがらせへんって感じやな」
「そやな、ほなや」
「水際におる敵をか」
「まず攻める」
「艦砲射撃にだ」 
 艦橋には吉川もいる、その彼も言ってきた。
「そしてだ」
「術も使ってか」
「そしてや」
 そのうえでというのだ。
「それからになる」
「上陸やな」
「そうなる」
 まさにというのだ。
「まずはだ」
「敵を弱めることやな」
「それはわかるな」
「ああ、直感的にな」
 その感じでというのだ。
「わかるわ」
「流石は六武星だ」
「褒めるか、そこで」
「わかっているからだ」
 だからだというのだ。
「こう言った、褒めたつもりはない」
「事実を言ったってことか」
「そこでわかっていなかったならだ」
「僕はここにおる資格はないな」
「そうなる」
 まさにというのだ。 
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