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夢幻水滸伝

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第三十二話 九州上陸その三

「私が神具も使ってだ」
「守るか」
「そうする、だから安心しろ」
「わかった、ほなな」
「物資は博多と大宰府にだ」
 その二つの地域にというのだ。
「順調に届く」
「そうなるんやな」
「そうだ、戦は数というが」
「ものもやな」
「だからだ」
 それでというのだ。
「海は私が守る、空船もある」
「空からも見張れるか」
「そうだ、だからな」
 海は任せろというのだ。
「そのうえで九州を攻めていけ」
「わかったわ」
「一応博多と大宰府を攻め取るけどや」
 ここでまた芥川が話した。
「戦の流れによってはな」
「さらにやな」
「上陸を仕掛けることもな」
 それもというのだ。
「あるで」
「となると日向とか薩摩にか」
「そや、制海権があるとな」
「そうしたことも可能か」
「薩摩いうたら北原の本拠地やな」
「そこに一気に攻め入ることもな」
 それもというのだ。
「やるかも知れん」
「戦の流れ次第ではか」
「流石にこれは今は実際にやるかどうかわからんが」
「それでもやな」
「確実に出来たらしてな」
「九州の戦を一気に終わらせるか」
「それも考えてるわ」
 こう中里、そして艦橋にいる他の星の者達にも話した。
「戦は相手の思わぬことをする」
「それも確実に成功するんやったらな」
「やったるわ」
「そうして勝つか」
「数と頭や」
「その二つで勝ってくのが戦やな」
「時としてどっちかだけで戦わなあかん場合もあるけどな」
 芥川はその場合についても中里に話した。
「時と場合によっては」
「数だけ、頭だけか」
「そのどっちかだけでも勝たなあかん場合はな」
「どっちかだけでもやな」
「勝ってくで」
「いつも数と頭があるとは限らん」
「そや、出来る限り備えるべきやけどな」
 その両方をというのだ。
「どっちかだけでも、もっと言えば」
「どっちもなくても」
「勝たなあかん場合もあるぜ」
「絶体絶命ってやつやな」
「その場合でもや」
 勝たねばならない時があるというのだ。
「その場合はもうな」
「開き直ってやな」
「どっちもないなりにやるしかないわ」
「そういう時もあるか」
「そういうもんや、しかし今はな」
「数があってやな」
「僕もおる」
 軍師である芥川自身がというのだ。
「そやからな」
「ここはやな」
「両方使ってくで」
「わかったわ」
 中里は芥川の言葉に頷いた、そうしてだった。
 彼等はまずは萩の沖で井伏、山本と彼等が率いる軍勢と合流した。その合流を受けてだった。
 中里は全軍に強い声で告げた。
「ほな今からな」
「九州上陸だね」
「そや、まずは博多に上陸してや」
 そしてというのだ。 
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