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レーヴァティン

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第三十二話 六人目の手掛かりその四

「食べていました」
「そうだったよな」
「駱駝や孔雀、熊等と」
「本当に色々食ってたんだな」
「そうでした」
「じゃあそのローマ帝国みたいにな」
 この島の食文化をというのだ。
「凄いものにしたいな」
「食文化も発展すれば」
「産業だってな」
 それもというのだ。
「栄えるからな」
「だからですね」
「ああ、もっとな」
 それこそというのだ。
「豊かにしたいな」
「調味料も産業になりますし」
「醤油も味噌もな」
「作って売れれば」
「産業になるからな」
「だからこそ」
「味噌は無理か?」
 久志は味噌の味を思い出して言った、彼は決して嫌いではないが西洋の料理に合うかどうかというのだ。
「流石に」
「西洋の料理にはやはり」
「隠し味としてはわからないけれどな」
「はい、合わないかも知れないです」
「醤油はいけるか?」
 正はこちらの調味料のことを述べた。
「そっちは」
「ムニエルにかけてもフライにかけてもな」
「いけるだろ」 
 そうだろうというのだ。
「だからな」
「よし、醤油だな」
「そっちだよ」
 産業として造るのならというのだ。
「俺はそう思うぜ」
「確かにな、味噌よりもな」
「醤油だよ」
「そっちだな」
 そうなるとだ、醤油についての話もした。そしてだった。
 デザートのアイスクリームも食べてだ、久志は今度はこんなことを言った。
「現代的だよな」
「アイスクリームってね」
「昔からあったにしてもな」
 それでもというのだ。
「どうしてもな」
「おいらもそう思うよ」
 淳二もアイスを食べている、そのうえでの言葉だ。見れば他の面々もアイスを食べている。
「実際にね」
「作るにはそれなりの素材と技術が必要だからな」
「設備がね」
「今はね」
 彼等の本来の世界ではというのだ。
「普通に作られるけれどね」
「本来はな」
「中世だとね」
「貴族の高級料理か」
「イタリアとかにあった」
 フランスにはカトリーヌ=ド=メディチがもたらしたという。
「そうしたのだったね」
「昔はな」
 まさにというのだ。
「そうしたものだったよな」
「そうそう、特にね」
 淳二は笑いながらこうも話した。
「胡椒はね」
「あれな」
「こっちの島じゃ皆普通に使ってるけれど」
「中世の欧州だとな」
「金一粒ってね」 
 胡椒一粒がである。 
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