レーヴァティン

「食欲をそそるでござる」
「だからか」
「左様でござるが」
「それでもだよな」
「どうしてもでござる」
「こっちの世界じゃないからな」
「諦めるしかないでござる」
　そうだというのだ。
「だからオリーブオイルト塩胡椒で、でござる」
「食うか」
「これもまたよしでござる」
　今の鯉のカルパッチョもそうしたもので味付けをされている。
「美味でござるな」
「ああ、白ワインにも合うな」
「ないものは仕方ないでござる」　
　それならというのだ。
「諦めるでござる」
「諦められないならな」
「作るでござるな」
「そうなるよな」
「ではでござる」
　それならとだ、進太はこう言った。
「この島でも落ち着いたなら」
「お醤油をなんだ」
「作るでござるよ」
「お魚で？」
「大豆からもでござる」
「どっちでもなんだ」
「作ってみればいいでござるよ」
　こう言うのだった。
「そうして食べるべきでござる」
「どっちもだね」
「西洋でもでござる」
「お醤油は使える調味料だね」
「ローマだけではないでござる」
「今のお料理でも使えるね」
「だからでござるよ」
「お醤油もだね」
「作っていくべきでござる」
「だよな、こっちの世界にいるとな」　
　ここでこうも言った久志だった。
「やっぱりな」
「お醤油がでござるな」
「味噌もだけれどな」　
　久志はこちらの調味料の名前も出した。
「こっちの世界にいても欲しくなるな」
「だからでござるか」
「醤油に味噌もな」
　どちらもというのだ。
「作ってみるか」
「そうお考えでござるか」
「やっぱり魚はな」
　こちらの料理はというのだ。
「醤油があると違うからな」
「確かにね」　
　源三はフライを食べつつ述べた。
「フライにも合うしね」
「お醤油はな」
「うん、だからだよね」
「俺もそう思うんだよ」
　実際にというのだ。
「醤油もな」
「必要だってだね」
「西洋にいてもな」
「こうした時もだね」
「ローマ人は偉大だよ」
　魚介類を生で食べ漁醤を使っていた彼等はというのだ。
「日本人よりも前に刺身食っててな」
「お醤油も使っていた」
「尊敬するぜ」
「当時のローマの食文化は素晴らしいものでした」
　順一もこう言う。
「様々なものを食べていてです」
「魚介類だってな」
「ふんだんに食べていました、そしてです」
「他のものもだよな」
「肉もお野菜も果物も」
　とかく様々なものをというのだ。