レーヴァティン
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第三十話 返還と賠償の後でその十一
「やはりもちません」
「身体がだよな」
「はい」
その通りだというのだ。
「ここで私は腹八分とは言いません」
「よく健康の為にっていうよな」
「確かに過ぎると動きが鈍くなりますが」
食べた分だけ身体が重くなり眠気も来てそうなってしまう、こうした時の戦闘が不利になるのは事実だ。
「満腹で止めますと」
「いいんだな」
「はい、百パーセントであるべきとです」
食べる量、それはだ。
「それでいいと思いますが」
「それでもか」
「それを過ぎますと」
百パーセント以上、つまり食い過ぎになるとというのだ。
「いざという時に困ります」
「そこまで食わないといいか」
「そうです、むしろ私の考えでは八分では」
それ位ではというのだ。
「すぐにお腹が減り」
「よくないか」
「そうなればかえって力が出ません」
「だからか」
「八分ではなく」
「満腹か」
「丁度満腹です」
それ位だというのだ。
「その満腹を過ぎますと」
「よくないってことだな」
「身体の為には」
「あれだね、スポーツ選手もね」
源三はワインを飲みつつ言った、いい飲みっぷりである。
「試合前は食べないしね」
「口にしても軽食ですね」
「しっかりした食事を食べるとね」
軽食と呼べるものではなく、というのだ。
「動きが鈍るってね」
「言われていますね」
「足の動きが特に鈍くなって」
それが結果しかも悪いものとして出てだ。
「怪我をしたりするね」
「そうしたお話がありますね」
「うん、何か試合前にお弁当を食べて」
普通ならば問題はないが試合前だ、その身体を出来る限り軽くしておくべきその時にである。
「こけて大怪我したとかね」
「そうしたお話もありましたね」
「現実にね」
まさにというのだ。
「あったね」
「スポーツはまだいいですが」
試合前はというのだ。
「決まった運動量になりやすいので」
「試合の展開によって変わるけれどね」
野球でも試合が長引けばそれだけカロリーも消費する、試合の展開次第で確かにカロリーが違う。
「それでも大体はね」
「同じだよな」
正も言ってきた。
「試合だとな」
「カロリーの消費具合もね」
「けれど俺達の場合は」
それがというのだ。
「冒険だからな」
「歩いて動き回る」
淳二が言ってきた。
「そして戦うね」
「その通りだな」
「だから余計にね」
「何もかもがカロリーだからか」
こう淳二に述べた。
「生きる為には」
「うん、お腹一杯ってことだね」
「八分でなくてな」
「そうです、スポーツ選手とは違います」
彼等と冒険者はというのだ。
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