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ヘタリア大帝国

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49部分:TURN5 中帝国その六


TURN5 中帝国その六

 一旦皇帝の前から下がりだ。すぐにだ。宮殿の一室、紅い長方形の木製の机のある部屋に一同を呼んだ。すぐに彼と同じ軍服姿の面々が部屋に来た。
 中国妹に香港とマカオと彼等の妹達、合わせて五人が部屋に来た。彼等は中国を上座に置きそのうえでだ。着席してから話をはじめたのだった。
 まずはだ。中国が難しい顔で五人に述べた。
「僕としてはある」
「戦争したくない的な?」
「近頃あちこちがたが来ているある」
 左手の肘のところを押さえながらだ。中国は香港に答えた。
「だから戦争よりもある」
「内政ですね」
「そうある。けれど世界の状況はそうも言ってはいられないある」
 中国は今度はマカオに答える。
「だから仕方ないある。僕達も出撃して日本を迎え撃つあるよ」
「それはわかったのですが」
 マカオ妹がこう中国に言ってきた。
「北京での戦いですね」
「そうある」
「それならこちらの指揮官は」
「リンファある」
 彼女だとだ。中国も答える。
「あの娘に行ってもらうあるよ」
「リンファあるか」
 中国妹はリンファの名前を聞いてだ。眉を顰めさせたうえで兄に述べた。
「能力的にも人望も問題ないあるが」
「それでもあるな」
「そうある。共有主義に染まり過ぎているあるよ」
 中国妹が気にしているのはこのことだった。
「勝ったとしてもある」
「国内での共有主義の勢力が大きくなるあるな」
「私それが心配ある」
 心からだ。中国妹はこのことを懸念していた。
「いいあるか?共有主義はどう考えても我が国を飲み込もうとしているある」
「下手をしなくても日本帝国より危険的な?」
「中帝国をソビエトにするものですね」
 香港とマカオもだ。この国の危機をだ。共有主義に見ていた。
「だからリンファには共有主義を捨てて欲しい的な?」
「ご本人は純粋に素晴らしいものと信じておられますが」
「そのことは僕も心配しているある」
 中国も腕を組み難しい顔になって言う。
「ランファはまだいいあるが」
「リンファは危険過ぎる的な」
「善意のみであるだけにですね」
 香港妹もマカオ妹もだった。
 リンファのその思想を心配していた。そうして中国に言うのあった。
「先生、本当にリンファはどうにかならない的な?」
「リンファと彼女の同志達の勢力が大きくなれば困ります」
 また言う香港妹とマカオ妹だった。
「ですからここはランフアを出すべき的な?」
「そうしませんか?」
「それができればそうしているある」
 ところがだった。中国は二人にこう返したのだった。
「北京にいるのは北軍ある。北軍はリンファの管轄ある」
「だからリンファしかいないあるか」
「これが南京なら別ある」
 そこならばだとだ。中国は中国妹に述べた。
「南軍はランファの管轄あるからな」
「ううん、国軍を統一したいあるよ」
 中国妹は困った顔で腕を組み言った。兄の言葉を聞いて。
「日本帝国との戦いが終わればそうしないあるか?」
「そうあるな。何よりも共有主義を何とかしたいある」
「共有主義の勢力にはロシアさんがおられます」 
 マカオがこの国の名前を出すと皆顔が蒼ざめた。香港兄妹も微かに。
「ロシアさんのところに入ればです」
「バルト三国やウクライナと同じになる的な」
「奴隷扱いですよ」
 香港とマカオ妹がだ。マカオの言葉を聞いて言う。
「だから絶対に嫌、的な」
「はい、そう思います」
「これは万歳爺も懸念されています」
 マカオは皇帝を中帝国の古い呼び方で呼んだ。
「何しろ満州は今の皇帝家の故郷だったのですから」
「そこを最初に奪ったのはロシアある」
 中国は忌々しげにだ。マカオに応えた。
 
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