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ヘタリア大帝国

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29部分:TURN3 新生連合艦隊その七


TURN3 新生連合艦隊その七

「子供・・・・・・ですか」
「無礼者!」
 突如としてだ。女の方から声がしてきた。
「子供とは何だ!控えおろう!」
「むっ、声はするが」
 東郷はその声を聞いて女を見た。しかしだ。
 女は口を開いていない。では誰が喋ったのか。
 東郷は少し考えた。そしてだ。
 こうだ。自分からも女に言うのだった。
「君がか。その平賀長官か」
「博士でもいいぞ」
 また声がしてきた。
「平賀津波。日本帝国科学技術庁長官である」
 再び声がしてきた。
「これでわかったか」
「ああ、よくわかった」
 東郷はその声に対して微笑んだ。そしてだ。
 そのうえで女のところに近寄りだ。猫を見て言うのだった。
「喋っているのは御前だな」
「むっ、わかったのですか」
「わかるさ。そうか喋る猫か」
「そういう御前は」
「ああ、東郷毅だ」
 東郷は微笑んでその黒いトラ猫に話す。
「海軍長官だ。宜しくな」
「あの女好きという」
 その猫がだ。さらに言う。
「御前があの海軍きっての問題児の男なのですか」
「ははは、俺はどうも有名人らしいな」
「むう、全く動じませんね」
「それで何で猫が喋ってるんだ?」
 東郷はあらためて猫に尋ねた。小柄な少女の頭の上にいる猫を見下ろしながら。
「元々喋れる猫だったのか?」
「はっはっは。よくぞ聞いてくれました」
 その質問を待っていた様だった。猫は誇らしげに笑ってだ。
 そのうえでだ。こう東郷に言ったのだった。
「まず私の名は久重といいます」
「それが御前の名前か」
「そうです。そして何故私が喋れるのか」
 そのことも話す久重だった。
「それは私が津波様に声帯と頭脳の手術を受けまして」
「それで喋れる様になったのか」
「津波様はお喋りが非常に苦手ですから」
「はい、実は長官はです」
「無口なのだよ」 
 日本と柴神がここでその平賀に対して説明する。
「非常に優秀な科学者であられますが」
「どうもな。昔からな」
「昔からですか」
 秋山がここで二人の言葉に尋ねた。
「では平賀長官は」
「女性の年齢については申し上げません」
 日本はこのことはだ。あっさりと止めた。
「そういうことでお願いします」
「わかりました。それでは」
「とにかくだ。こうしてその猫を己の代理として喋らせているのか」
 柴神もその平賀に対して言う。
「己が喋る代わりに」
「はい、そうです」
 久重は柴神にも答える。
「それで私が改造されたのです」
「そういうことだな」
「そういうことで柴神様も祖国様もお願いします」
 こう言う久重だった。そしてだ。
 東郷は久重を見ながらだ。そのうえでだ。その身体全体をまじまじと見てだ。
 そのうえでだ。髭を引っ張ってみた。
「にゃにゃっ!?」
「髭は普通か」
「な、何するんですか一体!?」
 久重は髭を引っ張られてだ。慌ててもがきながら東郷に抗議する。
 
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