ヘタリア大帝国
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149部分:TURN14 マジノ線攻略その十一
TURN14 マジノ線攻略その十一
何処から攻撃を受けたかはわからずだ。彼等は混乱の中でだ。
必死に索敵を行う。だが。
「馬鹿な、いないぞ!」
「敵は何処にもいないぞ!」
「正面にはいる」
ドクツ軍の主力は見える。しかしだ。
攻撃が来た方にはそんなものはいない。それで慌てたのだ。
「どういうことだ、一体」
「幽霊か!?」
「幽霊船がいるのか!?」
こう言い合う。幾ら索敵をしても見つからない。それでだ。
彼等はただただ狼狽するばかりだった。その彼等にだ。
エルミーの艦隊はさらに攻撃を浴びせる。そしてだ。
マジノ線はさらにダメージを受けてだ。その機能が低下していた。それを見てだ。
フランスも狼狽しきった様子でだ。自身の妹に尋ねた。
「おい、何がどうなったんだ!」
「私にもこの事態は」
フランス妹もだ。かなりの狼狽を見せている。
「一体何が起こったのか」
「鉄鋼弾だな!?」
とりあえずだ。何で攻撃されたのかはわかっていた。
「それで攻めてきてるんだな!?」
「はい、それは間違いないです」
「じゃあ駆逐艦か!?」
鉄鋼弾を放つといえば駆逐艦だ。誰もが想定することだった。
だがそれでもだ。駆逐艦はだ。
「しかしよ。姿がな」
「はい、見えないですね」
「何でだ!?」
本気でいぶかしむ顔でだ。フランスはまた言った。
「何で鉄鋼弾が出て来たんだ」
「何が何なのか」
「おい、また来たぞ!」
イギリスが叫ぶ。見ればだ。
マジノ線がまた攻撃を受ける。遂にだ。
その戦闘能力がなくなった。それを見てだ。
さしものフランスもだ。このことを認めるしかなかった。
「駄目だ、これは」
「ああ、マジノ線はな」
「もう戦えねえ」
戦闘能力を喪失したというのだ。
「あのマジノ線がな。まさかな」
「何が起こったんだよ」
フランスもイギリスも呆然とするばかりだった。
「難攻不落だ、それは間違いないんだよ」
「何が攻撃してきたんだよ」
「あの、祖国殿」
オフランス軍の提督の一人が後ろから声をかけてきた。
「敵軍が」
「・・・・・・来たんだな」
「どうされますか?」
「総員迎撃用意だよ」
呆然としながらもだ。この命令は出せた。
「いいな。まだ艦隊は健在だよな」
「はい、何とか」
「じゃあ戦う。けれどな」
「けれど、ですか」
「一体何がどうなってんだよ」
最早戦いのことは考えられなくなっていた。フランス以外の国家も。
それで迎撃に向かう。だがこれではもう結果が出ていた。マンシュタインもロンメルもだ。
破壊されたマジノ線の中に布陣する連合軍を見てだ。こう評した。
「終わったな」
「ええ、彼等は最早抜け殻です」
「抜け殻の軍なぞどうということはない」
「では」
「全軍突撃」
これがマンシュタインの命令だった。
「敵軍を一気に叩き勝敗を決する」
「そうですね。では」
「我等は勝ったのだ」
マンシュタインは腕を組み言った。
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