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ヘタリア大帝国

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136部分:TURN13 オフランスへその九


TURN13 オフランスへその九

 そしてそのうえでだ。こう言うのだった。
「俺は自分じゃあまり」
「いや、そうだから」
「結構以上にあれじゃない」
「のんびりかなあ」
「そうよ。まあとにかくね」
「そろそろはじまるわよ」
 妹達はその話題をテレビに戻した。そうしてだ。
 そのうえで番組がはじまるのを待った。するとだ。
 いきなり派手な音楽が鳴りだ。それからだった。
 明るい笑顔が出て来た。豊かな、特に胸が目立つ身体をイタリア達と同じオレンジの軍服に金色の装飾をかなりつけてそのうえでだ。黒いマントを羽織っている。下はスカートで黒いストッキングをはいている。
 ピンク色の豊かな長い、波がかった髪の上に黒い格好のいい帽子を被っている。群青色の目をしていてそれは見事なまでの垂れ目である。
 その表情は優しく威厳がない。しかしどうにも好感を抱かずにはいられない顔をしている。
 その美女と言っていい二十代と思われる女を見てだ。イタリアが言った。
「出て来たね、ドウーチェ」
「そうね。何か今日もね」
「穏やかな感じね」
「この穏やかな感じがいいんだよ」
 まさにそれがだと言うイタリアだった。
「このさ。おっとりとした感じがさ」
「けれど何かな」
 ここで言うのはロマーノだった。食べながらその首を少し傾げさせている。
「この人ってな」
「うん、どうしたの兄ちゃん」
「あれだよな。あまり考えてない感じするよな」
「えっ、そうかな」
「確かにいい人だけれどな」
 このことはロマーノも認めた。まさにそうだとだ。
「けれどそれでもな」
「駄目かなあ」
「駄目とは言ってないぞ」
 ロマーノはこのことは否定した。
「俺達のことも考えてくれて努力もしてるしな」
「そうそう。ちゃんとやろうとしてるよ」
「それでも何かな。おっとりしててな」
 また言うロマーノだった。
「それで考えてないっていうかな」
「そうかなあ。何か俺達に合ってる感じだけれど」
「ひょっとして会ってる感じがまずいんじゃ」
「そうかもね」
 妹達はここでこのことに微かにだが気付いた。
「ドイツさんみたいに真面目で厳しい方が」
「実はいいのかもね」
「おい、あいつの名前は出すなよ」
 ロマーノはドイツの名前が出るとすぐに嫌そうな顔になり妹達に言った。
「飯がまずくなるだろ」
「けれどねえ」
「ドイツさんって確かに厳しいけれど」
「何だかんだでいつも助けてくれるし」
「頼りになるよね」
「俺はあいつが嫌いなんだよ」
 あくまでこう言うロマーノだった。
「あのジャガイモ野郎はな」
「だからまたそんなこと言って」
「ロマーノ兄貴だっていつも助けてもらってるのに」
「それでもそう言うなんて」
「ちょっと違うんじゃないの?」
「あいつもプロイセンも嫌いなんだよ」
 ロマーノは嫌悪感丸出しの声で妹達にまた言った。
「とにかくな。何であんなのと同盟組んだんだよ」
「だって。俺達だけじゃ寂しいからって」
 それでだとだ。イタリアがロマーノに話す。
「この人が決めたんじゃない」
「ムッチリーニさんがかよ」
「そう、ムッチリーニ=ベニスさんがさ」
 イタリアはそのテレビ画面ではしゃいでいる軍服を美女を見ながら兄に答えた。
「決めたんじゃない、ドクツと一緒に楽しもうってさ」
「ったくよ。嫌な奴等と一緒になったぜ」
「とか何とか言ってロマーノ兄貴もドイツさん達と結構一緒にいるし」
「わからないよね、そういうところ」
 妹達はそんな兄を見ながら言うのだった。そしてそのテレビの中では。
 子豚達もいる。人間の他にだ。二本足で立ちイタリン軍の軍服とズボン、ブーツの彼等がだ。その人間達と共にだ。ムッチリーニを囲んでこう言っていた。
 
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