八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百二十九話 夫婦善哉その三
「特にこの大阪はね」
「あちこちにたこ焼き屋さんあるね」
「そうなっているあるな」
「それで皆食べてるよ」
本当に皆がだ。
「退院してまずはって言う人がいる位ね」
「というかたこ焼きだけで蛸かなり食べてなイ?」
「他の国ではこんなに蛸食べないあるぞ」
二人はこうも言ってきた。
「関西だけで世界の蛸の何割を食べているある」
「相当なのは間違いないね」
「そうだね、実際日本人って蛸相当に食べるけれど」
烏賊もだ、魚介類の中でもどちらの消費量もかなり上位だと思う。
「関西は特にだね」
「たこ焼きでネ」
「かなり食べるあるな」
「そうだね、他の食べ方でも食べるけれど」
茹でダコ、酢蛸、唐揚げ、天麩羅、刺身、お寿司にとだ。僕も好きでよく食べる。勿論烏賊の方もよく食べている。
「これが一番かな」
「世界で一番蛸食べてるネ」
「確実にそうあるな」
「そうだね、日本でも関西はね」
もう否定出来なかった、現に食べているし。
「特に食べてるね」
「そうよネ、というか蛸大丈夫?」
「いなくなったりしないあるか?」
「乱獲とかでネ」
「その心配はないあるか」
「養殖出来たかな」
鮪みたいにだ、何でも次は鰻らしい。
「だとしたらいいけれどね」
「美味しいからって食べたらいなくなるヨ」
「そこは気をつけるべきある」
「たこ焼きもそこは考えないとネ」
「いなくなってからじゃ遅いあるな」
「そうだね、こうして普通に食べてるけれど」
お店も多い、大阪全体で一体どれだけあるだろう。
「蛸を絶滅させたらいけないね」
「リョコウバトみたいに多くてもいなくなるヨ」
「ヨウスコウカワイルカの二の舞は避けるある」
「日本でもそうしたお話あったね」
「ニホンオオカミとかニホンアシカあるな」
「あとカワウソもね」
ニホンカワウソは四国にまだ残っていると聞いたことがあるけれどもういないんじゃないかと言う人も多い。
「どうなったかな」
「そういうことにならない様にネ」
「要注意あるよ」
「全くだね」
出来れば養殖が可能ならとだ、食べながらスマホを出して検索したら一応出来るとあって商業用のそれの道も開かれようとしているとあった。希望はあtった。少なくとも今はそうではないけれどそれでもだった。
そうした話もしてだ、たこ焼きを食べていよいよだった。僕は二人を善哉のお店に案内した。その夫婦善哉に。
広い道を左に曲がってだ、昔ながらの小路に入った。すると二人は目を瞬かせて僕にこんなことを言ってきた。
「また古いネ」
「日本の昔の道あるな」
「時代劇に出て来るみたいナ」
「そんな道あるな」
「うん、ここはね」
僕も二人に言った。
「そうした趣を残した路なんだ」
「そうなのネ」
「こうした道も大阪に残っているあるな」
「まだね、ただね」
ここでだ、僕は足元を見て二人に話した。
「アスファルトの道とは違うからね」
「つまづいたりしない様にネ」
「注意が必要あるな」
「そうしてね、それでね」
僕は法善寺横丁、僕達が歩いている小路の左側を見ながらそのうえでさらに話した。
「もうすぐだからね」
「そのお店ネ」
「夫婦善哉あるな」
「本当に少しだよ」
もう見えていた、僕の目には。
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