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ヘタリア大帝国

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114部分:TURN11 エイリス女王その八


TURN11 エイリス女王その八

 セーラはその中で宮廷の私室において一時の休息を取っていた。そこにだ。
「あら、休憩中ね」
「大丈夫?お姉様」
「お母様、マリー」
 二人の美女がだ。セーラの前に来ていた。
 見れば二人共セーラと同じ髪と瞳の色だ。しかしだった。
 二人共胸はセーラよりある。セーラとて決して小さくはないがだ。
 セーラが母と呼んだエリザ=ブリテン、先代のエイリス女王は年齢を感じさせない若々しさと気品のある美貌をたたえ長く癖のあるその髪を後ろで束ねている。
 そしてセーラを姉と呼んだマリー=ブリテンは髪をショートにしており中性的な、少年めいた顔立ちをしている。二人共エイリスの色である緑に白の配色のドレスと軍服をそれぞれ着ている。
 その二人がだ。笑顔でセーラにこう言ってきたのだ。
「頑張ることはいいけれど無理をしては駄目よ」
「祖国さん達もネルソン達も心配してるわよ」
「それはわかっているけれど」
 だがそれでもだとだ。セーラは眉をひそませて二人に答えた。
「今は。エイリスの危機だから」
「だから。セーラちゃんはいつも一人で背負い込み過ぎなのよ」
「僕達だっているから」
「御仕事は私達でできるのなら受け持つわ」
「一人で背負い込まないの」
「では私は」
 戸惑いを見せるセーラにだ。二人はまた言った。
「少しは寝なさい」
「倒れたら元も子もないからね」
 これが二人のセーラへの言葉だった。
「だからいいわね。今日からはね」
「僕達もお仕事手伝うから」
「セーラちゃんが自分から言ってくれるのを待ってたけれど」
「お姉様って本当に自分で何でも背負い込むんだから」
「私は女王だから」
 それ故にだとだ。セーラは後ろめたそうな顔で二人に答える。
「だから。どうしても」
「それがセーラちゃんのいいところだけれどね」
 エリザは母としてだ。セーラのことがよくわかっていた。
「責任感が強くて真面目でね」
「しかも努力家でね」
「子供の頃から。叱ったこともなかったし」
「叱られるのはいつも僕でね」
「マリーちゃんは元気がよ過ぎるのよ」
 エリザはマリーにも顔を向けてだ。笑顔で言った。
「そこがマリーちゃんの長所だけれどね」
「えへへ、今もあまり変わってないかも」
 マリーはぺろりと舌を出してだ。母に応えた。
「お転婆なままかな」
「そうね。セーラちゃんは真面目でね」
「私は。ただ」
 二人の話を聞いてだ。セーラは。
 少しだけ微笑みになって気を晴れやかにさせてだ。こう言ったのだった。
「やるべきことをやっているだけで」
「そのやるべきことを果たす人はそう多くないわ」
 エリザは今度は己の人生の経験から話した。
「だからこそセーラちゃんは凄いのよ」
「そうなのですか」
「けれど。誰かに頼りなさい」
 その自分で何でも背負い込むセーラの短所をだ。エリザはまた指摘した。
「エイリスの危機は私達共通の危機だから」
「僕だって戦うよ」
「だから。いいわね」
「これからは僕達もお仕事するから」
 こう二人でだ。セーラに話してだった。 
 マリーはセーラの前にあるものを出した。それは。
「ケーキ?」
「そうだよ。苺ケーキだよ」
 生クリームをふんだんに使り上に苺を置いた可愛らしいケーキだった。マリーはにこりと笑ってだ。姉にそのケーキを差し出してきたのである。
「一緒に食べよう。お姉様ケーキ好きだから」
「有り難う、マリー」
 セーラもだ。微笑んでマリーの好意を受け取った。
 
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