七夏「ここちゃー」
心桜「ん?」
七夏「何を読んでるの?」
心桜「ごちうさー」
七夏「ごちうさ?」
心桜「そ。『ごちそうさまです!』略して『ごちうさ』」
七夏「え?『ごちさま』じゃなくて?」
心桜「それだとまんまだからねー」
七夏「くすっ☆ 『ごちさま』は幸せのお裾分けみたいなお話ですよね♪」
心桜「つっちゃーは、そういう解釈か・・・」
七夏「え?」
心桜「あたしは『のろけ話』を沢山聞かされて、そういうの『ごちそうさまです!』って突っぱねるのが、この話の本筋だと思ったんだけど」
七夏「幸せなお話で心が満たされて『ごちそうさまです☆』ですよね?」
心桜「・・・伝わってないかー・・・この通称『おのろけ姫』の、のろけ話が始まる前に先手を打って自分がのろけまくってたら、いつの間にか自分が『おのろけ姫』になってたっていう展開になりそうな勢いだけどなー」
七夏「それって、ミイラ取りが・・・」
心桜「魅入られる・・・なんつって!」
七夏「なんか、間違っていないような気がしてきました」
心桜「でしょ!! ミイラに魅入られ、ミイラになったよ」
七夏「ミイラさんのお話は、本当は怖いお話なのに・・・」
心桜「ま、ミイラはこのくらいにしといて、今日の本題!!!」
七夏「はいっ!」
心桜「・・・の前に、つっちゃー・・・ソーダラムネ1つくださいなっ!」
七夏「はい☆ ちょっと待っててくださいね♪」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
七夏「はい☆ ここちゃー。どうぞ♪」
心桜「ありがとー、つっちゃー。はい!」
七夏「ありがとうです♪」
心桜「そう言えば、つっちゃーの所は取らないんだよねー」
七夏「とらない?」
心桜「うん、消費税」
七夏「あ、お母さんから必要が無いって言われてますので」
心桜「そうなんだ。あたし個人的には助かるなーって思うけど、つっちゃーの家計は大変なんじゃないの?」
七夏「詳しくは分からないです・・・でも、それほど影響は無いみたいです」
心桜「で、今回はその消費税についてなんだけど、つっちゃーどう思う?」
七夏「どう・・・って言われても・・・あ、計算が大変かな」
心桜「確かに、計算が面倒になるよねー・・・そう言えば!」
七夏「え!?」
心桜「5円玉チョコレートってあるよね?」
七夏「えっと・・・あったかなー・・・ちょっと待っててくださいね♪」
心桜「あ、いやいや、つっちゃー。そういう商品が存在するよねって意味」
七夏「あ・・・そういう事なの?」
心桜「そ。んで、その5円チョコってさ、一個5円だよね」
七夏「はい・・・確か」
心桜「今、消費税が8%だから、2個までは非課税で、3個目から課税される事にならない?」
七夏「はい。ひとつ5円で、ふたつだと10円・・・みっつだと16円になりますね」
心桜「・・・って事はさ、2個ずつ買えば課税されないよね・・・まあ、つっちゃーの所では変わらないけど」
七夏「そうですけど・・・何回も買いに来られると、お店の人は困るかも・・・です」
心桜「まあ、そうなんだけど・・・理屈では・・・って事で」
七夏「くすっ☆」
心桜「それより、あたしが思うに消費税上げる前にもっと節約できる所があるんじゃないかなって」
七夏「節約?」
心桜「そ。真っ先に思いつくのは、政治家の給料多過ぎだと思わない?」
七夏「多いって言われても、いくら貰っているのか分からないです」
心桜「それは、なかなか的を得た回答だねー」
七夏「え?」
心桜「一般的な社会人の平均的なお給料より、はるかに多い事は確からしいよ。その上、見えない収入もあったりしてそう」
七夏「見えない収入?」
心桜「そ。一般に公表されていない収入・・・それはまあ、分からないからなんとも言えないけど、あたしが思うに税金の流れをもっと『見える化』してほしいという事!」
七夏「見える化?」
心桜「このままでは『見えるかっ!』って事になっている今、税金の流れを細かく知っている人は殆ど居ないと思うよ」
七夏「具体的にはどうすれば・・・」
心桜「集まった税金をどのように使うのかを決めているのが政治家なんだから、当然自分たちが不利にならないようにすると思うよ」
七夏「お国の為に最善を尽くされているのでは?」
心桜「ホントにそう思う?」
七夏「本当のところは・・・分からないです」
心桜「分からない・・・それが問題なんだよ。税金は『お小遣い』じゃないんだから、どのような事にいくら使ったのかを国民は、もっと知る必要があると思うよ」
七夏「具体的にはどうすればいいのかな?」
心桜「簡単なことだよ。集まった税金の使い道を公表すればいいだけ。例えばみんなが良く見るWebサイト(予報:Yohoo!/クゥール:Cooool)に税金の配分をざっくりと円グラフにして公開するだけでも、随分見える化ができると思うよ」
七夏「なるほど☆」
心桜「ここであたしが知りたいのは税金の何パーセントが政治家のお給料になっているかという事。絞れるトコを絞って、それでもダメなら増税って事なら、あたしは何も思わないよ。安易に消費税上げたら、そのまま政治家の浪費税になりそうだよ。ちなみに国民の為の政治を行わず、自分の為の政治を行う人の事を「政治屋」っておじいちゃんが言ってたなー」
七夏「私たちはまだ、税金を納めてませんから・・・」
心桜「消費税として納めてるでしょ!!」
七夏「そうですけど・・・」
心桜「特に、つっちゃーは家のお手伝いとはいえ、お仕事をしている事になるんだから、もっと税金について感心を持たないと!!」
七夏「うぅ、すみません」
笹夜「エンゲル係数の高いご家庭は、生活に影響が大きいですからね」
心桜「わわっ! びっくりしたぁ~!」
笹夜「すみません。心桜さん」
心桜「いえいえ」
七夏「笹夜先輩! こんにちわです☆」
心桜「こんちわー! 笹夜先輩!」
笹夜「はい♪ こんにちわ!」
七夏「えんげるけいすうって何です?」
笹夜「エンゲル係数は家計の消費支出に占める飲食費の割合(パーセント単位)の事で、この割合が高いほど、生活が苦しいという事になります」
七夏「なるほど☆」
心桜「エンゼル係数は自分の心や感情に占める天使度の割合(パーセント単位)の事で、この割合が高いほど、性格が清らかという事になりま・・・止めてよ、つっちゃー」
七夏「え!?」
笹夜「まぁ♪ エンゼル係数・・・高いと素敵ですね♪」
心桜「さ、笹夜先輩ぃ~・・・いつもの切れ味が・・・つっちゃー砥石ある?」
七夏「えっと、台所にありますけど・・・」
笹夜「コホンッ! まあ、エンゼルさんは素敵ですけど、エンゲルさんは深刻な問題になったりしますので、消費税はエンゲル係数の高いご家庭に配慮してほしいと願います」
心桜「そだねー」
笹夜「でも、エンゲル係数だけで計れない問題もあります」
七夏「え?」
笹夜「エンゲル係数は食費の割合に過ぎないので、高価な食べ物ばかりを食べているご家庭は自然とエンゲル係数が高くなってしまいます」
七夏「高級品は大きく課税する事になるのかな?」
笹夜「それもひとつの方法ですけど、高く課税すると売れなくなる可能性が大きくなります。売れなければ、税金も生まれません」
心桜「あ゛ー色々、難しいねー」
笹夜「そうですね。ですから、政治家さんがこれらの事を決めるのが、どれだけ大変な事なのか、少しでも分かったかしら?」
心桜「う・・・そうきたか・・・。でも、笹夜先輩に言われたら確かに分かるよ」
笹夜「私は、心桜さんの話してた『税金の流れの見える化』は、とても大切な事だと思います」
心桜「ありがとー! 笹夜先輩!」
七夏「みんなが協力/助け合う気持ちで納税できたらいいな♪」
笹夜「素敵な考え方ですね。そうなると、いいですね♪」
心桜「あたし、消費税めんどくてやだなーと思ってたけど、つっちゃーの考え方なら不満はないよ・・・あ、消費税見える化前提での話ね」
七夏「くすっ☆」
心桜「という事で、みんなも消費税をなんとなく支払うのではなく、もっと関心を持とうという事が、言いたかったのでしたっ!」
七夏「私も意識しておきますね♪」
幕間十二 完
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幕間十二をお読みくださり、ありがとうございました!
本編の方も、どうぞよろしくお願い申しあげます!