夢幻水滸伝
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第二十七話 浮島の内政その二
「そうなるで」
「そやな」
「そうした乳製品もな」
「牧場で牛や馬を育てて」
「加工してな」
そのうえでというのだ。
「どんどん、国内でも国外でも売って」
「儲けるんやな」
「経済政策やで」
それもまた、というのだ。
「食べものもな」
「魔法で冷凍してやな」
「どんどん売ってるねん」
「魔法はほんま使えるな」
「結局あれやで」
「あれって?」
「魔法と科学、あと超能力も錬金術もな」
日本では陰陽道や仙術が魔法や超能力になっている、錬金術は丹術と称されて発展している。僧侶の術は道術だ。
「進化してくとな」
「一緒か」
「そやねん」
こう中里に話すのだった、やはり酒をぐびぐびと飲みながら。
「これがな」
「そういうものやねんな」
「術ってのはな」
「科学も魔法もか」
「一緒やで、区別つきにくくなってるわ」
「ただ呪文唱えるか、とかか」
中里は今度は猪肉を食べつつ応えた、その隣には自然薯がある。
「そうした違いか」
「そやで、それで冷凍した乳製品をな」
この場合は蘇や酪、醍醐等をだ。
「他の国に売ったり国内で売ることもな」
「やるんやな」
「もううちの勢力圏でははじめてるし」
関西、中国、四国ではというのだ。
「世界に売ったら」
「かなり儲かるな」
「他のものもな、それ東海もやってるし」
「あそこやったら」
東海と聞いてだ、中里はこうした食べものの名前を出した。
「八丁味噌、きし麺、あとういろうやな」
「それ売りはじめてるわ」
「あっちも考えてるな」
「そやで、ものを作って売る」
「商売やな」
「それで商売をして成功したらな」
そうなればというのだ。
「売れる、太平洋中がその商売で動いてるし」
「戦だけやなくてか」
「うちも負けてられん、この島では木綿も作ってるし」
「それでタオルとか服も作って」
「あと絹や」
こちらもというのだ。
「こっちの服とかも作ってるで」
「絹もかいな」
「幸いこっちの世界蚕が蛾になって出た後の繭を使って絹にするから」
蛹の時に茹でて殺すことなく、というのだ。
「命のことを考えずな」
「どんどん作れるんやな」
「そや、それで絹が生まれるところは蛾がめっちゃ多いねん」
その成長したカイコガが、というのだ。
「それを狙って鳥やら何やら来てな」
「賑やかな生態系みたいやな」
「そうなってるわ」
「そうなんか」
「そこで魔物も出るけどな」
芥川はこの話もした、山菜料理を食べつつ。赤い飯も食っているがこれはもち米の赤飯ではなく赤い米を使ったものだ。
「普通の生きもの以外に」
「魔物は退治やな」
「若しくはこっちの軍勢にするか」
こうも言うのだった。
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