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夢幻水滸伝

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第二十七話 浮島の内政その一

           第二十七話  浮島の内政
 中里は芥川、そして棟梁である綾乃と共に浮島を見て回った。その日一日見て回ってから浮島の官邸に入ってそのうえで二人に言った。丁度夕食時だったので食べながら話をしていた。
 食事は天平時代のそれを再現したものだった、中里はその中の蛸の干物を口にして白い酒を飲みつつ綾乃に言った。
「内政自体は順調みたいやな」
「この島はそやねん」
 綾乃は白い酒、即ち濁酒をぐいぐいと飲みつつ中里に答えた。
「田畑も整ってて道や堤も出来てるし」
「工場もやな」
「出来てるから」
「ええ感じにやな」
「いけてるねん」
「道やけどな」
 芥川はこちらのことも話した。
「見てわかるやろ」
「ああ、道は外見は土の道でもな」
「アスファルトっていうかな」
「舗装した道にしてる」
「そやな」
「土の道はどうしてもな」
「雨でぬかるんだりするから」
 綾乃もそうした道について話した。
「舗装してるねん」
「外見は土でもやな」
「そうしてるねん」
「雨でぬかるんだりせん様にか」
「そやねん、陰陽術で土の質を変えたので舗装して」
 そしてというのだ。
「何時でも進みやすい道にしてるねんで」
「そやねんな」
「人も馬も車も」
「全部やな」
「そうしてるねん」
「あと農具や工具もや」
 そうしたものもとだ、芥川も話した。
「どんどん変えてるやろ」
「そやな」
「トラクターも入れて牛や馬と併用してな」
「家畜と一緒に使うのがな」
「こっちの世界の特徴や」
 機械をというのだ。
「こっちの世界は家畜やないと出来んことも多くてな」
「それでやな」
「家畜も使い続けてる」
 農業にというのだ。
「騎馬隊もあるしな」
「古今の技術が混ざり合ってるんやな」
「そやねん、面白い世界やろ」
「ああ、景色は昔の日本のままで」
 彼等の世界のだ。
「今の日本も入ってる」
「どの国もやで」
「科学も魔術も一緒にあって」
「そうした世界や」
「まさに夢の世界やな」
「政治でもな、それでこの島はな」
「ああ、内政をしていってか」
 中里も言った。
「豊かになってもらうか」
「そうや、順調やったらな」
「もっともっとやな」
「そうなってもらうわ、例えばな」
 ここでだ、芥川は蘇を食べて言った。
「この蘇もな」
「これ美味しいやろ」
 綾乃もその蘇を食べてからまた飲んで中里に話した。
「中里君も多分知ってるけど」
「これチーズやろ」
 蘇は何かとだ、中里は綾乃と芥川に返した。
「要するに」
「そやで、これチーズやねん」
「そやな」
「他にも酪とか醍醐とかあるけど」
「全部乳製品やな」
「チーズとかやで」
 今の時代で言うとそうなるというのだ。 
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