転生とらぶる
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ペルソナ3
1868話
チーズフォンデュを食べ終わり、食後の紅茶も飲み……一段落したところで、いよいよ今日の本題に入る。
現在俺達がいるのは、食事を終えた後の居間……居間? ここは居間でいいのか?
ともあれ、そんな場所だ。
そうして現在ここにいるのは、桐条、真田、幾月、俺、ゆかり……そして、今回の主役とも言える有里だった。
食事が終わって本題に入る事になったのはいいのだが、そうなると周囲の雰囲気が重くなる。
まぁ、それも分からないではない。
桐条は有里を巻き込む事を決めているのだろうが、それを断られたらどうするか……といった事を考えてもおかしくはないし。
現状この場にいる者の中で最も有里と仲がいいのは、俺だ。
そうなれば、有里が俺のパーティに入ろうと考えても、おかしくはない。
何らかの契約があれば話は別だったが、桐条達は有里に最初からそれを望んでいた訳ではない。
いや、正確には望んではいたが、本当にそうなるかどうかというのは分からなかった……というのが正しいだろう。
まぁ、それも分からないではない。
そもそもの話、誰に影時間の適性があるのかなんて話は、普通ならそう簡単に分かるものではないのだから。
一応桐条グループでは影時間の研究をしているのだから、適性を調べたりといった事は可能かもしれないが……正確に分かる訳ではないのは確実だろう。
そもそも正確に分かるのであれば、俺がこの世界に来た日、ゆかりが覚醒したその日に、桐条達が姿を現さなかったのは疑問となる。
まぁ、もしかしたらある程度の反応は感じていたのかもしれないが、実際に影時間に適応するにはランダム性が高い……とか、そういう可能性もあるのだが。
ともあれ、ゆかりとかはもしかしたら可能性はあると考えていたかもしれないが、有里はそもそもこことは別の場所で暮らしていた男だ。
そうである以上、有里が影時間に適性を持ち……更にはペルソナに覚醒するのかどうかは、微妙なところだったと思われる。
ともあれ、そんな訳で桐条にしてみれば不安なんだろう。
「さて、このまま黙っていても仕方がないので、私が話そう。……有里君。1日が24時間ではないと言ったら……君は信じるかね?」
沈黙を破り、幾月が有里にそう声を掛ける。
そこから、幾月は影時間についての説明をしていく。
有里はその説明を聞いているのか、いないのか、どこか怠そうに幾月を眺めていた。
いや、勿論この状況で話を聞いていないなんて事はないと思うんだが。
幾月の言葉を継ぐように、桐条が口を開く。
「そのような影時間を解決する為に、私達は特別課外活動部……Special Extracurricular Execute Sector、通称S.E.E.Sとして活動している」
特別課外活動部? ……桐条達と協力関係を結ぶようになってからそれなりに時間が経っていると思うが、それは初めて聞く名前だな。
ゆかりの方を見ると、こちらも俺と同様に特別課外活動部という単語を初めて知ったのか、驚きの表情を浮かべていた。
まぁ、別に影時間の中で活動している時に桐条達と遭遇しても、特別課外活動部という名前で呼び掛けたり、そう名乗ったりといった真似もしてなかったしな。
であれば、別にその名前を俺が知らなくても問題ないか。
「じゃあ、アルマー達もその特別課外活動部に?」
こちらを見て、そう尋ねる有里。
まぁ、影時間について説明している場所で、そこに俺達がいるんだから、そんな風に思っても不思議はない。
不思議はないんだが……
「いや、彼等は違う。アルマーと岳羽、それとここにはいないが、もう1人は私達特別課外活動部とは違う勢力だ。だが、違う勢力ではあっても、影時間についての問題を解決しようという思いは同じなので、協力関係を結んでいる」
「……違う勢力?」
こっちに視線を向け、確認するように尋ねる有里の言葉に頷きを返す。
「そうだ。自分で言うのもなんだが、俺はちょっと色々と特殊な存在でな。ともあれ、。そんな俺がこの地にやって来た時、丁度ゆかりが影時間に適応して、街中で野良シャドウに襲われているのを助けて……そこから俺達は一緒に行動している。ここにいないもう1人は後で仲間になったけどな」
「……何で別々に? 目的が同じなら、特別課外活動部で一緒に活動してもいいと思うけど」
「残念ながらそれはちょっと難しいな。俺達と桐条達では色々と違うところも多いしな」
それに、有里が知ってるかどうかは分からないが、この寮にはいたる場所にカメラが仕込まれている。
当然のように今の俺達の姿も録画されている可能性があるが、特別課外活動部に所属すれば、当然この寮に入寮するように求められる筈だ。
この居間のような場所だけならともかく、部屋の中まで盗撮されるというのは、ちょっと面白くない。
桐条や真田は幾月ならそのような事はしないと思っているようだが、残念ながら俺は幾月をそこまで信用出来ない。
そうである以上、実質的に幾月が責任者をしている特別課外活動部に入ろうなどとは、一切思わない。
特別課外活動部の中から探るような真似をするのもいいかも? と思わないでもなかったのだが、それはそれで色々と面倒な事になるのは目に見えている。
俺もわざわざ好んで桐条達と敵対しようと思わない以上、やはりこれがベストの選択だろうという思いがあった。
「ふーん。……そう」
「その、出来れば有里には私達と行動を共にして欲しい。勿論、相応の報酬は払おう」
へぇ……特別課外活動部だと報酬とかあるのか。
まぁ、シャドウとの戦いに巻き込むんだから、まさか部活という名目だからってただ働きをしろとは言えないか。
……いや、もしかしてこれは、俺達という存在がいたからなのか?
もし俺達がいなければ、特別課外活動部は無償奉仕も同然だった可能性がある?
まぁ、どのみち特別課外活動部から報酬が出ようと出まいと、別の勢力の俺達には特に関係ない事なんだし。
ただ、報酬という言葉にゆかりを見る。
俺と一緒に行動しているゆかりだが、そこに報酬は出ない。
いや、一応タルタロスの宝箱から得た現金は渡しているので、全くの無報酬という訳ではないのだが……それでも、報酬は宝箱次第となってしまう。
勿論普通にコンビニのバイトとかをするよりはかなり割がいいのは間違いないのだが……ただ、コンビニのバイトは命を懸ける必要がないのに対して、タルタロスでは命を懸ける必要がある。
一応炎獣の護衛を付けていても、やはり命懸けのバイトと考えると報酬はかなり少ないだろう。
ましてや、あの死神が姿を現せれば、護衛の炎獣1匹程度、時間稼ぎくらいしにかならないだろうし。
「ちなみに、アルマー達の方は報酬とかは?」
「あー……ない事はないが、少なくても桐条達の方が報酬はいいと思うぞ」
「……なるほど」
俺の言葉に、有里はいつも通り気怠げな表情を浮かべつつ、頷きを返す。
「どうだろう? 勿論報酬だけではなく、戦闘で使う装備や消耗品の類もこちらで用意する。また、君に必要かどうかは分からないが、月光館学園を卒業した際、大学に行くのであれば全面的にバックアップするし、就職するにしても桐条グループで雇えるようにする」
これだけを聞けば、桐条グループに就職が決まったも同然なんだから、誰でもそっちを選びそうだな。
実際このペルソナ世界で桐条グループはかなりの規模を持つグループ企業だ。
それこそ、桐条グループのどこかに就職出来れば、間違いなく勝ち組であると言える程に。
ましてや、ペルソナ能力という特殊な能力を買われての就職である以上、出世とかも普通に入社する者達よりも大分有利だろうし。
勿論ペルソナ能力を買われて就職した以上、シャドウ関連で何か問題が起これば真っ先に危険な場所に行かなければならないといった風にもなるだろうが。
「それと、その……何だ」
桐条の言葉に何かを考えている様子の有里に、幾月が口を開く。
「こういう権力の使い方はどうかと思うけど、もし特別課外活動部に入ってくれるのであれば、成績の方とかでもある程度優遇は出来るよ」
成績を優遇出来る。
その言葉を幾月が口にした瞬間、桐条の表情が微かに歪む。
桐条本人は、成績を優遇するという事をあまり好ましく思っていないのだろう。
……まぁ、俺達という存在に有里を取られないようにする為に、取れる手段は全て取るといったところか。
俺達は別にそこまで有里を必要としている訳じゃないんだけどな。
戦力的には、ゆかりと俺、それともし何かあった時の為に荒垣がいれば十分だし。
「……そう、ですね」
一瞬有里が俺の方に視線を向ける。
それに、お前の好きにした方がいいという思いを込めて、頷きを返す。
それを見て、覚悟が決まったのだろう。
有里は、やがて小さく頷く。
「じゃあ、桐条先輩達の方に協力します」
「本当か!?」
意外そうな声を上げたのは、桐条。
まさか、本気で自分達に協力してくれるとは思っていなかったのだろう。
正直なところ、俺もそう思わないでもない。
有里は俺達と一緒に行動したいといい、どうにかしてそれを説得して桐条達のパーティに入れるようにする……と、そんな風に考えていたのだ。
だが、実際にはこうして俺達ではなく、桐条達を選んだ。
有里の性格から考えれば、桐条と幾月の出したメリット……いわゆる進学やら就職やら、報酬やらに惹かれたとは思えない。
「有里、何でまた桐条達に協力しようと思ったんだ? いや、俺としてもそっちの方がいいと思ってたんだが……かなり予想外な選択だったから、不思議に思ってな」
「だって、アルマー達に協力するとなると、この寮にはいられないんでしょう?」
その言葉に、微妙に嫌な予感を抱く。
これは、念動力が教えてくれた危機か!?
……一瞬そんな風に思ったが、当然そのような理由ではないのは明らかだろう。
つまり……
「それだと、引っ越すのは面倒だし」
「……あー……」
予想通りの言葉が有里の口から出て、何と言えばいいのか迷う。
いや、有里らしいんだけどな。
「それに、受験勉強とか就職活動をしなくてもいいのは楽そうだし、就職してもそこまで大変そうじゃないし」
うわ、有里の性格だと桐条達の条件では引き受けないと思っていたんだが、そっちに惹かれたのか。
いやまぁ、有里のように受験勉強とか就職活動とかしなくてはいけない身としては、桐条と幾月が出した条件というのはかなり魅力的なものだとは思うんだが……まさか、といったところだな。
かなり予想外だったのは事実だ。
まぁ、だからって文句がある訳じゃない。
ここで正義の味方とかなら、そんな裏取引は正しくないとか言う奴もいるんだろう。
だが、生憎とシャドウを倒せるペルソナ使いの素質を持った人間というのは、非常に少なく、希少価値がある。
である以上、桐条達の条件というのは決して汚くはない……と、そう思う。
「なるほど。有里が自分で望んで桐条達の方に行くのなら、俺からは別に何も言う事はないな」
別に桐条達の方に行ったとしても、俺達と敵対している訳じゃない。
桐条達と俺達は協力関係にあるのだから。
それに、元々こっちとしては予定通りでしかないのだから、ここで不満を口にする筈もない。
「それで、桐条先輩。僕は一体どうすればいいんですか?」
「え? あ、ああ。……そうだな。早速今日から活動を……と言いたいところだが、退院したその日にというのは、幾ら何でも厳しいだろう。可能であれば明日、それが無理なら明後日からタルタロスに向かって欲しい」
そう有里に告げた桐条は、そのまま視線を俺の方に向けてくる。
「出来れば、アルマーと岳羽、荒垣の3人には悪いが、最初ということもあるので彼と行動を共にして貰いたいのだが……どうだろう?」
「まぁ、俺は構わないけどな。ゆかりは?」
「有里君を放っておく訳にもいかないでしょ。それで怪我をしたら、またクラスの方で色々と騒動になりかねないわよ?」
「……それは否定しない」
実際有里は既に桐条、真田、ゆかりに続く第4の存在として認識されつつあるような人物だ。
そのような人物が退院して数日でまた入院するなんて事態になれば、色々と面倒な事になるのは確実だった。
「すまない。アルマー達と一緒に有里が行動してくれるのであれば、私はナビゲートに専念出来る」
「ナビゲート?」
桐条の口から出てきた言葉をそのまま返すと、桐条は少しだけ得意げに口を開く。
「ああ、私のペルソナ、ペンテレシアはそちら方面の能力を持っているのでな。戦闘出来る人数がある程度集まっているのであれば、より安全にタルタロスを攻略するためにも、そちらに回りたいと思っていたのだ」
ナビゲート、か。
あれば便利そうな能力だけど……どのくらいの有用性があるのか、ちょっと楽しみだな。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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