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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百二十八話 夏の大阪へその六

「あそこは、また別だよ」
「まあそう言われるとネ」
「阪神はそうあるな」
「あそこはまた人気があり過ぎてテ」
「そうなってるあるな」
「うん、阪神は置いておいてね」
 そもそも勝っても負けても絵になるチームは他のチームと比較出来ない、そんなチームは本当に阪神だけだ。
「大阪のチームは南海だったんだ」
「ホークスが九州に行くまでハ」
「紛れもなくだったあるか」
「そうだったんだ、近鉄も一時期そうだったけれどね」
 大阪にあった、大阪ドームが本拠地だったので。
「昔は南海だったんだ」
「チームに歴史ありネ」
「場所にもあるな」
「そのこと日本も同じデ」
「大阪も然りあるな」
「そうなるね、けれど変わらない場所もあるから」
 僕は二人に微笑んであらためて話した。
「これからね」
「うん、夫婦善哉ネ」
「あそこに行くあるな」
「その前にね」
 僕はさらに言った。
「色々なお店に行こう」
「自由軒のカレーとカ」
「金龍ラーメンもあるな」
「あと蓬莱と北極」
「たこ焼きもお好み焼きもあるな」
「食べていこう」
 その変わっていない場所のものをだ。
「そうしていこう」
「うん、今からネ」
「そうしようある」
 二人も笑顔で頷いてくれてだ、そのうえで。
 僕は二人をその場所に案内した、まずはだった。
 金龍ラーメンだ、後ろに座敷の席があるけれど立ち食いのカウンターのそのお店の前でまずは券を買ってだった。
 豚骨ラーメンを食べた、ここでだ。
 ジューンさんはカウンターにある大蒜と韮を見てこう言った。
「取り放題なの」
「サービスがいいあるな」
 水蓮さんも言ってきた。
「これはいいある」
「じゃあ沢山入れようネ」
「入れるとね」
 キムチもある、僕はその三つを見つつ話した。
「味がよくなるんだよね」
「ラーメンのネ」
「それがあるな」
「そうなんだ、それに幾らでも入れていいから」
 好きなだけだ、その人の。
「二人の好きな様に入れてね」
「食べル」
「そうしていいあるな」
「ここはね」
 僕も大蒜とキムチを入れて食べる、胡椒も忘れない。二人は胡椒と大蒜だった。キムチやニラは入れていない。 
 そうしてラーメンを食べてだ、次は。
 自由軒に行ってカレーを食べた、僕達はラーメンはなんばグランド花月の近くのお店からそちらに行った。お店の中は意外と簡素で昔ながらの日本の食堂といった感じだ。
 そこで三人共だ、名物カレーを頼むと。
 最初から御飯とルーが混ぜられていて真ん中に生卵が入れられている、二人共そのカレーを見てまずこう言った。
「この卵にカレーがネ」
「最初驚いたある」
「こうして食べるのっテ」
「しかも生卵あるよ」
「ロッキーで生卵飲んでるけれド」
「生卵を食べること自体驚くある」
 こう二人で言うのだった。
「中国ではこうして卵を食べないあるからな」
「オムレツでもスクランブルエッグでもなくてね」
「うん、こうしてカレーを食べるのもね」
 僕はそのカレーの卵のところにソースをかけた、勿論二人もそうしている。それから卵とカレーを三人共かき混ぜていた。何だかんだで二人もこの食べ方に慣れてきている。 
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