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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百二十八話 夏の大阪へその五

 甲子園が視界から消えたのでだ、そのままだった。
 難波に考えを向けた、僕達が今から行くその場所に。そして三人で難波のことを話しているとあっという間にだった。
 その難波駅に着いた、まずはなんばパークスの前に出たけれど。
 ジューンさんと水蓮さんはそのパークスを見てだ、こんなことを言った。
「ここが昔野球場だったなんテ」
「想像出来ないある」
「別のことを楽しむ場所よネ」
「食べたりショッピングしてあるな」
「今はね」
 僕達が生まれる前からだとだ、二人に答えた。
「そうだよ」
「そうよネ」
「こうして見てみても想像出来ないある」
「ここが野球場だったなんテ」
「嘘みたいある」
「ホークスの本拠地だったんだ」
 僕は二人にこのことから話した。
「今の福岡ソフトバンクホークスのね」
「あの九州の球団ネ」
「パリーグのチームあるな」
「昔は南海っていってね」
 南海ホークスだった、当時は。
「親会社も鉄道会社だったんだ」
「あそこネ」
 ジューンさんは僕達から見て左手の上にある駅を指差して僕に聞いてきた。本当にパークスのすぐ傍のその場所を。
「南海ネ」
「うん、そうだよ」
 僕もジューンさんにすぐに答えた。
「あそこだよ」
「あそこの会社が持っていたあるか」
 水蓮さんもそこを見て言った。
「南海あるな」
「昔は関西のチームは全部ね」 
 僕は二人にさらに話した。
「親会社は鉄道会社だったんだ」
「阪神だけじゃなくテ」
「他のチームもあるか」
「うん、南海に阪急に近鉄ってね」
 他に京阪もあるけれどこの鉄道会社は球団を持っていなかった。
「四つあったんだ」
「多いネ、それは」
「十二のうち四つあるか」
「その昔は国鉄と西鉄もチーム持ってたから」
 それぞれヤクルトと西武の前身だ、もっとも西武は今でもグループの基幹は西武鉄道だと言っていいだろうけれど。
「六つあったんだ」
「じゃあ半分?」
「そこまでだったあるか」
「昔はね、それとね」
 僕は二人にさらに話した。
「映画会社、東映とかも持っていたから」
「ああ、特撮ノ」
「あの会社あるな」
「昔はね、今と違ってね」
「それで南海もなのネ」
「チームを持っていたあるな」
「それで本拠地の球場がここにあっタ」
「嘘みたいあるな」
「嘘でもね、本当に昔はね」
 パークスの高いビルを見ている、その場所が高くなっていてそのさらに上に高層ビルとやはり高層のホテルがある。
「ここにあったんだよ」
「阪神じゃないのネ」
「あのチームの本拠地ではないあるな」
「阪神は確かに関西のチームだけれどね」
 そして親会社も関西の私鉄だけれどだ。
「大阪のチームは南海だったんだ」
「ううん、阪神は大阪のチームじゃなイ」
「大阪の人は皆好きあるが」
「それでも本拠地は甲子園だから」
 西宮のだ。
「あそこの、もっと言えば関西のチームだから」
「関西全域なノ」
「阪神はそうしたチームあるか」
「今や全国区だしね」
 その域まで至っている、そもそも巨人というまやかしの人気のチームなぞとは訳が違うということだ。 
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