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歌集「春雪花」

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 風をいたみ

  乱れしこづゑ

    葉を散らし

 逢えぬ君へと

   木枯らしぞ吹く



 快晴だと言うのに風が強く、木々の梢を大きく揺らしている…。

 梢からは葉が散りゆき、地に落ちた枯れ葉は風に吹かれて右往左往…秋の物寂しい風景だ…。

 こんなに強い風ならば…逢えない彼の元まで行くのではないか…?


 どうせならこの寂しい心を…その木枯らしに乗せて届けておくれ…。



 雲そなく

  空に光の

   注ぎしも

 想いに耽る

    心くもりし



 雲一つない青空…太陽は大地に光を注ぎ、愁いなど無いかのように鳥は歌う…。

 だが、私の心はどうだろう…。

 こんなに清々しい天気に恵まれようと、彼への想いに浸っては…心を曇らせるばかり…。


 どうしたらこの心は…晴れ渡るのだろう…。



 
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