| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

歌集「春雪花」

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

396




 空よどみ

  憂きぞ降らせし

   時雨なる

 落ちし涙の

    夕の寂しき



 また雨…まるで憂いでも降らすかのような時雨は、心の中まで憂いを降らす…。

 夕暮れのただ中では、まるで涙が注ぐかのように錯覚し…寂しさだけが染み渡る…。


 必要のない私は…どこへ行こうか…。



 秋雨に

  色づくもみじ葉

   侘び濡れて

 変わらぬ想いぞ

   打ちにけるかな



 秋の雨に気温も下がり…紅葉もその葉を紅く染めてゆく…。

 葉に降りかかる時雨…項垂れて、私のように自信なさげに見えるのは…私の勝手か…。

 葉を打つ雨音は、変わらない私の恋心を嘲笑うかのように響く…。


 彼を想うこの心も…いずれは散り逝くものなのだろうか…。



 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧