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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百二十七話 飲んだ後でその十一

「過ごしやすいんだ」
「そうでしたね」
「気温は高いけれどね」 
 それでもだ。
「あそこはまだ大阪より過ごしやすいよ」
「そうでしたね」
「大阪とか京都の方がね」
 夏に限るとだ、京都は冬もかも知れない。
「過ごしにくいんだよね」
「私もそうだと思います」
「江田島は本当に過ごしやすいよ」
 あそこの夏はだ。
「実際にね」
「また行きたいと思っています」
 千歳さんは微笑んでこうも言った。
「あそこに」
「そうなんだね」
「来年も行けますよね」
「うちの合宿は大抵あそこでやるからね」
 殆どの部活があそこで合宿を行う、それもその時期が重なることが多い。だからあの時八条荘の皆もあそこに集まったのだ。
「だからね」
「それでは」
「うん、来年も行けるよ」
「それは何よりです」
「それでね」
 僕は千歳さんにさらに話した。
「あそこで飲めるし」
「お酒もですね」
「それに海自さんの場所も行けるよ」
「あそこもいいですよね」
 海自さんのことについてもだ、千歳さんはにこりとして応えてくれた。
「格好よくて」
「そうだよね」
「実は自衛隊のことはよく知らなかったんです」
「あそこに行くまでは」
「はい、これといって」
 女の子なら当然だろうか、軍事関係はどうしても男の方が興味がある。とはいっても八条学園はそうしたミリオタ系の娘も多いけれど。
「知らなかったんです」
「それがだね」
「あそこに行って変わりました」
「自衛隊のことも知ったんだ」
「海軍さんのことも」
 海自さんの前身というのだろうか、それとも昔の呼び名と言うべきか。何か海自さんは海軍の名残を強く感じる。
「知りまして」
「そのこともなんだ」
「はい、よかったですから」
「まただね」
「江田島に行きたいですね」
「北海道は陸自さん多いけれど」
 美沙さんも自衛隊の話に加わってきた。
「こっちも格好いいのよ」
「ああ、陸自さんも」
「そうよ、頼りになるわよ」
「北海道はそうだよね」
 防衛戦略上どうしても陸自さんは北海道に多くなるらしい、とはいっても日本全土にいてくれているけれど。
「あそこは」
「ヘリも飛んでて戦車もあって」
「人気あるんだ」
「あたし達の間ではね、それでもあたしも陸自派だったけれど」
 北海道で生まれ育っただけにというのだ。
「海自さんも好きになったわ」
「江田島に行ってから」
「ええ、ただあたしはね」
 美沙さんは笑ってこうも言った。
「実は空自さんが一番好きなのよ」
「そっち派だったんだ」
「パイロットとあの青い制服が好きだから」
 実は自衛隊の制服の色はそれぞれ違う、海自さんは夏は白冬は黒で陸自さんは緑だ。そして空自さんは青なのだ。
「だからなのよ」
「空自派なんだ」
「そうなのよ、パイロット格好いいじゃない」
「確かにね」
「実は少ないらしいけれど」
「うん、空自さんでもね」
 実際にだ、空を守る人達だけれどだ。 
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