八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百二十七話 飲んだ後でその八
「それこそね」
「それで今はあるのね」
「普通に食べられるよ」
二日酔いは不思議なことにお酒が抜けると食欲も出る、それまでの頭痛やだるさも嘘みたいに消え失せてしまう。
「そんな気分だよ」
「じゃあ今日も朝からしっかり食べて」
「頑張るよ」
僕は美沙さんに笑顔で約束した、そして実際にトーストにマーガリンをたっぷりと塗って四枚食べてチーズをたっぷり入れたサラダもオムレツも食べて牛乳を一リットル近く飲んでだった。
部活に行った、部活ではいつも通り動けてだ。後輩の子達にこんなことを言われた。
「先輩今日も調子いいですね」
「身体のキレが違いますね」
「いや、実はね」
僕は後輩の子達にドリブルの練習の合間に答えた。
「朝は二日酔いだったんだ」
「お酒を飲み過ぎて」
「それで、ですか」
「うん、朝起きた時なんかはね」
その時を実際に思い出しながら話した。
「もう頭が痛くて身体もだるくて」
「しんどくて」
「動けなかったんですか」
「だからお風呂に入ってね」
「お酒を抜かれたんですね」
「そうされたんですね」
「だから今みたいに動けるんだ」
このことを話した。
「普通にね」
「やっぱり二日酔いだとですよね」
「満足に動けないですよね」
「合宿の時なんかもう」
「朝は大変でしたよね」
「あの時皆朝からお風呂入ってたよね」
かく言う僕自身もだ、毎日みたいに入っていた。
「二日酔い解消の為に」
「サウナもお湯も入って」
「水風呂も入って」
「そうして二日酔い解消してました」
「お水も飲んで」
「二日酔いにはお風呂だよ」
何といってもだ。
「だから先生も入れって言われてたんだよ」
「実際に効きましたしね」
「それでお酒抜けてましたから」
「気分よく一日もはじめられてましたね」
「あの時は」
「だからね、本当に二日酔いにはね」
僕は後輩の子達に強く話した。
「お風呂だよ」
「そこで汗かいてお酒抜いて」
「気分をすっきりしてですね」
「今みたいに部活をすればいいんですね」
「そうだよ、いや今朝は本当に辛かったよ」
今思うとだ。
「死にそうだったよ」
「それが今ではですね」
「いつも通り動けるんですね」
「お酒を抜いてきたから」
「だからですね」
「そうなんだ、お酒を飲んでもいいけれどね」
八条町ではだ、高校生になればお酒を飲める。この町だけにある特別な条例のお陰でそれが出来るのだ。
「二日酔いになったら」
「部活に支障が出ない様に」
「ちゃんとですね」
「お酒は抜く」
「そうすべきですね」
「そうだよ、部活も楽しもうね」
僕は微笑んで話した。
「こうしてね」
「はい、わかりました」
「じゃあ僕達もそうします」
「お酒を飲んだ時は」
「二日酔いになった時は」
「是非ね、まあ飲み過ぎないのが一番だね」
僕は自分自身には内心よ言うよと思いながら後輩の子達に話した。そして自分自身のことも彼等に話した。
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