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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1860話

 有里が入院してから数日……当然のように、2-Fの教室では有里のファンが残念がっており、どこか暗い雰囲気が漂っていた。
 ほんの数日しか来てないのに、この影響力って……色々な意味でもの凄いな。
 そんな風に思いながら、俺と順平、友近の3人は有里の入院している病院に向かっていた。
 一応入院してから数日で、見舞いに行く者の数も減っただろうから、俺達が行っても問題ないだろうという判断からの行動だ。

「で、見舞いって何を持っていけばいいんだっけ?」

 有里に持っていく見舞いの品を何にするか、病院の近くにある商店街を歩きながら友近がそう告げてくる。

「そうだな、普通なら果物の詰め合わせとかなんだが……生憎と、俺達にはちょっと高いな」

 この前TVで見た感じだと、安いのでも3000円くらいの値段だった。
 俺は金銭的に問題ないのだが、順平と友近は普通の男子高校生だ。
 頭割りにしても1人1000円というのは、ちょっと大きな出費だろう。

「花とか?」

 順平の言葉は珍しく常識的なものだったが、男から花を貰って嬉しいかと言われれば……正直微妙だろう。
 そもそも、花とかはクラスの女だったり、有里のファンの女が見舞いの品として持ってった可能性が高い。
 一応枯れる前に交換とかしないといけないから、必ずしも駄目って訳ではないだろうが……それでも男から花を貰って喜ぶかと言われれば、微妙だろう。
 少なくても、俺は男から……それも順平と友近から花を貰っても、嬉しくないと思う。

「止めておこうぜ。花なんか持っていっても、結局枯れるだけだろ? それなら、やっぱり食べ物とか……」
「けど、有里の奴はまだ意識が戻ってないんだろ? なら、何か食べ物を持ってっても、悪くなるんじゃないか?」
「あー……そう言えばそんな事を言ってたな。病院の方では色々と騒ぎがあったらしいし」

 友近の言う騒ぎというのは、俺が予想した通りのものだった。
 意識を失ったままの有里に、王子様のキスならぬ王女様のキスで目を覚まさないかどうか試そうとした女がいたらしい。
 結局その辺は俺から桐条に、桐条から病院に向かって連絡が回っていた事もあって、病室にいた看護婦……看護師だったか? ともあれ、その人物のおかげで事なきを得たらしい。
 まぁ、有里の場合は自分が眠っている間にキスされたと言われても、特に気にしないと思わないでもないが
 ともあれ、そんな騒動が何件かあったらしい。
 ……つくづく、有里のモテっぷりが気になるな。
 いっそ何かシャドウやらペルソナとしての呪いでも受けてるんじゃないだろうな?
 無条件に周囲に魅了を振りまくとか、そんな感じの。
 そう思っても不思議じゃない程のモテっぷりなのは間違いない。
 有里が入院して学校を欠席しているというのも、有里のミステリアスさというか、女の妄想を掻き立てる材料になっているのだろう。

「とにかく、食べ物にするならすぐに食べられるものじゃなくて、日持ちのする奴がいいな。缶詰とか。……やっぱりこういう時は桃缶か?」
「いや、桃缶は風邪の時だろ?」

 友近の言葉に、順平が頷く。

「とにかく、缶詰とか……後は、目が覚めてすぐに退院とはならないかもしれないから、暇潰しに使える物か。漫画とか」
「あ……俺ッチいい事思いついた。やっぱり高校生に持っていく見舞いの品っつったら、エロ本でしょ。売店とかでは売ってないだろうし、性欲をもてあます可能性は高いし」
「あー……なるほど。同級生に欲情するとか、俺にはちょっと理解出来ないけど……そういう事もあるかもしれないな。禁欲生活ってのは危険だし、エロ本はありか」

 必要、か?
 うーん……まぁ、必要と言えば必要かもしれないな。
 ただ、それが毎日のように見舞いに行ってる女達に見つかれば、色々と酷い目に遭いそうな気がするんだが。
 一瞬それは止めるように言おうかと思ったが、考えてみればこれも高校生活、青春と言える。
 そう判断し、結局俺は流されるままに順平と友近の2人と共に本屋に向かう。

「うーん、こっちのはどうよ? 結構エグいって話を聞くぜ?」
「おい、有里に持っていくんだぞ。年上好き全開のお前の趣味に走ってどうするんだよ。やっぱりこういうのとか……」

 OLとか女教師とかそういうのが表紙のエロ本を選ぼうとする友近に対し、順平はまだ若い……10代後半くらいの女が表紙のエロ本を選ぼうとする。
 こういう辺り、それなりに趣味が出るよな。

「アルマー、お前はどれがいいと思う?」
「アクセル、お前が選ぶのはどれだ!?」

 自分達だけでは決着がつかなかったのか、2人は俺にも選ぶように決めてくる。
 ……そうは言ってもな。正直、俺はエロ本とか買った事は殆どない。
 士官学校にいた頃とかは、何人かの知り合いから借りたりした事もあったが……

「そうだな、俺なら……」

 そう言いながら、エロ本コーナーを見回す。
 この場合、選ぶのは俺の趣味という訳ではなく、あくまでも有里に渡す代物だという事を忘れてはいけない。
 そうした考えの中、俺が選んだのは……

「おいおい、何でそんな写真集なんだよ? もっと派手な奴にしろよ」

 エロ本……と呼ぶにはちょっと難しいだろう、アイドルの写真集。
 年齢的には俺達よりもちょっと上、女子大生とかそのくらいの年齢か?

「お前達の言いたい事も分かるけど、忘れていないか? これは有里への土産だろ? ここでお前達が持っていったのを、他の見舞客に見られたらどうするんだ?」

 言うまでもなく、他の見舞客は女が多い。
 男もいない訳ではないが、やはり有里のファンの女が多いのだ。
 そのような者達に見つかった時、写真集程度であれば色々と誤魔化す事も可能かもしれないが、エロ本であれば誤魔化しようがない。
 ……そして有里がまだ意識を失っている状況である以上、当然それを誰が持ってきたのかという事が調べられる筈だ。
 高校生活を楽しみたいとは思っているが、女達から敬遠されるような有様になるのは出来れば遠慮したいというのが俺の正直なところだ。
 それは、順平と友近の2人も同様なのだろう。
 やがて不承不承ではあるが、2人とも俺の言葉に頷き、自分の持っていた本を元あった場所に戻す。
 こうして俺達は3人で金を出しあって写真集を1冊購入してから有里の入院している病院に向かう事になった。





「へぇ……結構いい病院なんだな」

 桐条グループの手が入っている以上、当然なのかもしれないが、病院はかなり新しく、大きかった。
 敷地もかなり広く、桐条グループがこの病院にどれだけ力を入れているのかを示している。
 いやまぁ、影時間を解決するには当然シャドウと戦わなければならず、シャドウと戦うのであれば怪我をするのも当然だろう。
 そう考えれば、寧ろこれは納得出来る結果なのかもしれないが。

「おーい、アルマー! 行くぞー!」

 俺が病院の様子を見ている間に先に進んでいた友近の言葉に軽く手を上げ、そのまま追いかける。
 ちょっと周囲の様子に目を奪われすぎたか。

「悪いな」
「何か珍しいものでもあったか?」
「いや、この病院に来たのは初めてだったからな」
「あー……そうか。アルマーはそう言えばここに来るまで、外国にいたんだったよな」
「そんな感じだ。だから、この病院の規模にちょっと驚いた」

 何故驚く? といった表情を浮かべる順平と友近。
 まぁ、何度も普通に来ている病院だと、この病院がかなり大きいという実感は湧かないのかもしれないな。
 観光地とかでも、そこで暮らしている人々にとっては海だろうが山だろうが湖だろうが、はたまた遺跡だろうが……そういうのは見慣れているので、それを見て驚く人がいるというのが納得出来ないのと同じようなものだろう。
 勿論この病院がペルソナ世界で一番大きい……などというつもりはない。
 実際にはこの病院よりも大きな病院は幾らでもあるだろう。
 だが、それでもこの病院がかなりの大きさなのは事実だ。
 影時間関連で色々と使われているのは間違いないだろう。

「ま、とにかく有里の見舞いに行くか」

 このままここで色々と話を続けても時間の無駄だと判断し、順平と友近の2人を促して先に進む。
 受付で見舞いの手続きを済ませると、そのまま病院の中を進んでいく。
 病院の中に売店があるというのは普通だから、それ自体に特に驚きはしなかったが、その規模はかなり大きく、ちょっとしたスーパーくらいの大きさがあるのには驚いた。
 うん、何だろうなこれ……さすが桐条グループといったところか。
 見舞いの品は普通にここで買えるようにもなっている。
 ただ、本とかはそこまで多くないから、俺達の見舞いはあれで良かったと言うべきか。
 そんな風に考えながら病院の通路を進み続け、エレベータに乗って……やがて有里の病室に到着する。

「あー……やっぱりまだ誰かいるな」

 病室の中から聞こえてくる女の話し声に、俺は小さく溜息を吐く。
 ここで有里の見舞いにやってきた女達と出会ったら、色々と面倒な事になりそうな気がした為だ。
 有里のファンの中には、何と言うか猪突猛進? それに近いような奴もいる。
 ファンの独占欲とか、そんな感じで。
 だからこそ、数日であっても俺達と有里が仲良くしているのが気に入らないと考える奴もいるというのは、有里のファンから聞いていた。
 同じファンだが、それを売るのか? と思ったが、聞いた話によるとファンの中にも穏健派、過激派といった具合に派閥があるとか何とか。
 ……有里の魅力、恐るべしって奴だな。

「どうする?」
「どうするっつったって……」

 俺の問いに、順平が困ったよう病室に視線を向け……
 やがて、不意に病室の扉が開く。
 そして出てきたのは、2年だが他のクラスの女が2人。
 2人揃って不愉快そうに眉を顰め、俺達の方を見ると更に一段不愉快そうな表情を浮かべながら、それでも特に何も言わずに去っていく。
 そんな女達の姿を見て、順平と友近が安堵の息を吐くのが分かる。
 妙な風に絡まれなかった、と思っているのだろう。
 そんな2人を見て、俺は口を開く。

「じゃあ、行くか」
「あ、ああ」
「お、おう」

 どこか及び腰の2人を引き連れ、有里の病室を軽くノックする。

「はーい、どうぞ」

 中から聞こえてきたのは、女の声。
 ん? まだ誰かいたのか?
 一応ノックはしたのだが、返事があるとは思ってなかったのだ。
 さっき病室の中から聞こえてきた話し声は、今出ていった2人の女のものだとばかり思っていたのだが……
 だが、桐条に病室に病院の人間を置いておいた方がいいと言った事を思い出すと、すぐに納得する。
 そうして部屋の中に入った俺達を待っていたのは、1人の看護師……言い慣れないので、看護婦でいいか。ともかく、その看護婦だった。

「おお!」

 20代半ば程のその看護婦を見て、友近が嬉しそうな声を上げる。
 まぁ、母性に溢れてそうな優しそうな顔をしているのが、友近的には年上を感じさせて満点だったのだろう。
 ナース服を盛り上げている胸も、かなり大きいし。
 そんな相手に目を奪われたのは、友近だけではない。
 別に年上好きという訳ではないう順平にとっても、有里の部屋にいた看護婦の女はいい女という点では間違いなく、順平もそれは認めざるを得ないのだろう。

「えっと、君達は?」

 柔らかくそう尋ねてくる看護婦だったが、どこか微妙にこっちを警戒したような色が、その表情の奥にはある。
 俺達が入る前に出ていった2人の女を思えば、ある意味当然なのかもしれないが。

「僕達は、有里君の友人なんです。有里君が入院したので、お見舞いに来たんですけど」

 最初に看護婦にそう言ったのは、友近。
 その行動力は、さすが年上好きといったところか。
 一々説明するのは面倒なので、こっちとしても助かったが。
 ともあれ、そんな風に話し掛けて友近の言葉に、看護婦は小さく笑みを浮かべる。
 ……ただ、その瞳の奥には、未だにこっちを怪しむ光があった。
 まぁ、今まで散々苦労してきたのを思えば、すぐにこっちを信用出来るとは思わないが。

「そうなの、有里君も君達みたいなお友達がいて幸せね」
「そうなんすよ。有里は転入してきたばっかりで、どうしても友達とかがいなかったから、俺達が一緒に昼飯を食ってたりしたんですよ。……ただ、数日ですけどね」

 残念そうに友近が呟くのは、本気か……それとも、看護婦に対するいい人アピールか。
 その理由はともあれ、どうやらある程度は警戒を解かせる事には成功したらしい。

「ふーん。正直有里君にも男のお友達がいて、よかったと思ってるわ。今まで何人もお見舞いの人が来たけど、全員女の子だったもの」

 そう言いながら、看護婦の表情に嫌そうな色が浮かんだのは……まぁ、有里の寝顔を見て、ファンなら色々と思うところがあったという事なのだろう。
 そんな風に思いながら、俺達は暫く看護婦と話すのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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