| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二十五話 五騎星その十四

「ほんまにな」
「アフリカはそうか」
「実はあっちのことば僕もあまり知らんねん」
「アフリカのことはか」
「まあ北アフリカは多少位でな」
「エジプトとか地中海沿岸か」
「その辺りはまだ知ってるけどな」
「サハラ砂漠から南はか」
「あっちの世界にもあの砂漠あるで」
 サハラ砂漠、こちらの世界で最大と言っていい砂漠がというのだ。
「結構広くてな」
「あの砂漠を境にしてやな」
「アフリカ大陸は南北に別れるんや」
「そやねんな」
「あっちの世界では欧州は介入してへん」
 こちらの世界の大航海時代以降とは違い、というのだ。
「そやからその分ごちゃごちゃしてないやろ」
「そうなんか」
「ああ、ただ結構それぞれの星の奴で群雄割拠でな」
「やっぱり争ってるか」
「そうみたいやな」
 芥川は首を傾げさせながら中里に話した。
「どうにも」
「群雄割拠は何処もやな」
「それでアフリカ南部もや」
 サハラ砂漠以南のアフリカもというのだ。
「今争ってる最中や、ただあの中に天魁星がおる」
「天魁星!?」
 その星の名前を聞いてだ、中里だけでなく綾乃も血相を変えた。そのうえで芥川に対して問うた。
「天の星の首座やな」
「神星以外では一番高位の星やん」
「その星の奴がおって覇権を目指してる」
「アフリカ南部のやな」
 綾乃は芥川の話を聞いて呟いた。
「そやねんな」
「そや、多分そいつがアフリカ南部を統一するやろな」
「そうなるんやな」
「ああ、まあけどな」
「それでもやな」
「アフリカは後や」
「まずは、やな」
 綾乃も芥川に応えて述べた。
「日本、太平洋を統一して」
「そして印露枢軸をか」
「倒すわ、まああの国は今は同君連合や」
 それになるというのだ。
「あそことな、全力で戦って」
「勝つことに力を注ぐんやな」
「そこからでええわ」
「わかったわ、あっちは三極星が二人もおるしな」
「人口も多い、星の奴は少ないけれどや」
 それでもというのだ。
「強い、あそこと覇を争うで」
「わかったわ、出来たら平和にいきたいけど」
「あっちの世界は一戦交えてって世界やしな」
「しゃあないな、けれど戦はしてもな」
「ああ、無駄な血は流したらあかん」
「そうしてこな」
 綾乃は芥川だけでなく中里にも言った、そうして自分達の教室に戻り午後の授業を受けるのだった。星の者達は学園生活も楽しんでいた。


第二十五話   完


                2017・7・9 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧