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夢幻水滸伝

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第二十五話 五騎星その九

「別にそういうのは」
「全然な」
「そういうのはなくて」
「棟梁の下に皆平等やで」
「うちやとや」
 芥川も言う。
「綾乃ちゃんが棟梁、僕と中里が補佐や」
「そうなっているな」
「そや、僕が軍師でこいつが軍事担当や」
 芥川は中里を指差しつつヘッセに答えた。
「政の宰相は太宰がやってな」
「神星の三人はか」
「それぞれ役割受け持ってる」
「君達二人は副棟梁か」
「そんなところや」
 実際にとだ、芥川も答えた。
「僕等はな」
「太平洋が統一したらどうなるか」
 中里はそれからのことを考えて話した。
「綾乃ちゃんが棟梁、僕等九人は補佐か」
「それぞれ役割があってな」
 芥川が中里に答えた、ここでも。
「六武星、四智星のうちの三人全員がな」
「軍師は自分か?その時も」
「いや、それはわからん」
 芥川はやや微妙な感じで中里に答えた。
「その時にならんとな」
「そうなんか」
「智星は他にも二人おるやろ」
「リーとシェリルか」
 今は敵である彼等だ。
「あの二人も軍師になるかも知れんか」
「そやからな」
「自分が太平洋の軍師になれるかはか」
「これからあいつ等と勝負して軍師としてどうかでな」
「決まるか」
「戦に勝っても僕が軍師として負けたらな」 
 その時はというのだ。
「僕は軍師にはなれん」
「そうなるか」
「そや、おそらく教養ではリーが上でや」
 彼の方がというのだ。
「術ではシェリルの方が上や」
「二人の方がか」
「そや、二人はそれぞれ凄い」
 芥川は中里に真剣そのものの顔で答えた。
「僕は戦場の勘には自信があるけれどな」
「自分の軍師の強みはそれか」
「そや、僕は戦う軍師や」 
 前線で自らだ、神具もそういったものであることからもこのことがはっきりと出ている。
「そやからな」
「実戦の勘でか」
「あの二人に対するけどな」
「二人も凄いか」
「そやからはっきり言えんわ」
「そやねんな」
「うち的には」
 綾乃がここで言った。
「芥川君が軍師やろか」
「僕がかいな」
「リー君は太平洋全体の宰相でシェリルちゃんは副軍師やろか」
 そうなるというのだ。
「あと太宰君は副宰相、中里君は軍事大臣やろか」
「僕はそれかいな」
「六人の中で一番強いみたいやし」
 六武星の仲でというのだ。
「そやからな」
「僕は太平洋全体の軍事大臣か」
「そう思ったけどな」
「そうなるか?」
「うちはそう思うで」
 綾乃は明るく笑って何気なく話していた、だが。 
 ヘッセ達五騎星は綾乃のその言葉を沈黙し真剣な面持ちで聞いていた、そして日本の神星達の話が終わってからだ。
 セルバンテスがだ、自分の考えを隠して微笑の仮面を被って言った。 
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