夢幻水滸伝
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第二十四話 神星達の出会いその七
紫の端正な詰襟の制服を着た黒髪に眼鏡の知的な顔立ちの少年だった、背は何と今ここにいる面々の中で最も大きく二メートル近くある。
もう一人は彼とは違い小柄で黒い肌に銀色のロングヘアの少女だ、睫毛の長い切れ長の目で白い礼装を思わせるミニスカートの制服を着ている。
その二人がだ、メルヴィル達を見て言ってきた。
「お呼びですか」
「連絡を受けて来たわ」
「ああ、紹介した連中がおってな」
「それで呼んだんや」
アメリカ組と中国組が笑ってその二人に話した。
「日本の三人や」
「神星の連中や」
「あの噂の」
長身の少年が中里達を見て言った。
「彼等ですか」
「そや、僕等と太平洋の覇権を争うな」
「その連中や」
「左様ですか、では名乗らせて頂きます」
長身の少年が応えた、痩せた身体で手足も長い。
「私はリー=シェンスイ。シンガポールから来ました」
「シェリル=パターソンよ」
少女も名乗った。
「オーストラリア人よ」
「その二国か」
「はい」
リーが中里に答えた。
「そして共にです」
「東南アジア、オセアニアの盟主か」
「そうなっています」
「そうか、自分等が東南アジアとオセアニアか」
「はい、ただ」
「ただ?」
「その呼び方は長いので」
東南アジア、オセアニアを共に呼ぶとというのだ。
「ですから南洋とお呼び下さい」
「南洋か」
「はい、その様に」
「確かに東南アジアもオセアニアも南洋やからな」
「赤道近辺、南太平洋にある国々なので」
「そう呼んでやな」
「完結に」
「わかったわ」
「自分等は四智星やったな」
芥川は二人にこのことを言ってきた。
「そやったな」
「はい、そうです」
リーは芥川にも答えた、しかも微笑んで。
「貴方と同じです」
「そやな」
「私はあちらの世界でも人間です」
「そこまででかないか?」
「いえ、身長は同じです」
「二メートル近くあるか」
「はい」
そうだというのだ。
「あちらでも外見は同じです」
「そうなんか」
「職業は学者です」
リーは自分の職業のことも話した。
「星は神機星です」
「四智星の最上位や」
芥川がこのことを話した。
「それだけに知性はかなりやで」
「それはよおわかるな」
「目と喋り方でやろ」
「よくな」
「特進コースA組でな」
「そっちか」
「学年トップらしいわ」
その特進コースでというのだ。
「シンガポールでも有名な秀才らしい」
「シンガポールでもか」
「ああ、頭脳国家って評判やけどな」
「そうしたお話は」
リーは中里に自分のことを話す芥川をいささか不快そうに制止した。
「あまり」
「ああ、好きやないか」
「ですから」
「ほな止めておくな」
「そうしたことは話したくないですし」
それにというのだ。
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