レーヴァティン
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第二十三話 堺の街その五
「外の世界から来た奴さ」
「その二人がか」
「あとこの堺に一人凄い剣豪がいるがな」
「その剣豪もか」
「外の世界から来たらしいな」
「成程な、堺にもいるか」
「今ある道場にいてな」
そしてというのだ。
「師範代にまでなってるぜ」
「師範代か」
「とんでもなく強くてな」
「剣を持てばか」
「無敵ってな」
そこまでの腕の持ち主だというのだ。
「とんでもない強さだよ」
「そうか」
「だからな」
それでというのだ。
「その連中と会ってみたらどうだ?」
「外の世界から来た連中に会いたいならか」
「そう思ったらな」
「わかった」
飲み食いをはじめつつだ、英雄は客に答えた。
「そうさせてもらう」
「そうしなよ、あとあんたな」
「今度は何だ」
「ああ、よく飲むな」
飲む量の話もするのだった。
「徳利一本空けたな」
「あと二本はいける」
「俺酒は飲めてもな」
それでもというのだ。
「そこまではいけないな」
「焼酎でどれ位だ」
「徳利にして二本だな」
それ位だというのだ。
「あんたは三本か」
「もっといける」
「四本か」
「それ位はな」
「余計に凄いな」
客は感嘆さえ見せた。
「酒豪なんだな」
「そうなるか」
「ああ、それでそのお侍さんに会うのかい」
「そうしてみる」
答えつつその侍が十二人の一人であればいいと思った、だがその考えは隠して客に応えた。
「今からな、それでだが」
「ああ、まだ飲んでだよな」
「食う」
それは続けるというのだ。
「三枚分な」
「いか、海老、それに豚か」
「どれもいいな」
「食うね、あとこの店焼きそばもいいぜ」
「そちらもか」
「それも食うかい?」
「食おう」
即決だった。
「三枚食うとかなりだが」
「俺の言葉で食いたくなっただろ」
「美味いというのなら食う」
そうするのが英雄だ、このことは久志と同じだ。
「そうしてだ」
「酒も飲むな」
「焼酎だ」
焼きそばの時もそれだった。
「それを飲んでそしてだ」
「焼きそばも楽しむか」
「そして焼きそばにもな」
そちらを食べる場合にもとだ、英雄は淡々とだがそこに確かなものを含めてそして話したのだった。
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