『塗り潰した7日間』
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『6日目』
『おはよ、寝れたか?』
零は首を横に振った。
おにぎりがいつもより1個多かった...体力が要るから?
『組長から伝言【零、俺の娘、死んでええやか思とったら赦さんぞ。もし!万が一にでも!そんなこと思とんなら、いつかの約束通り、此の手で殺したる。せやから今は生き抜け!】...って』
『...なんで...』
何の涙で、どんな感情なんか、ぐじゃぐじゃで解らん。ただ一言口をついたのが其の言葉...。
『絶対どうにかなる。何も無しにこんなこと言わんやろ。そぉゆう人やんか。どんなに逢わんかったって実の親子より濃い関係の親子やんか!無条件に信頼し合える仲やんか!』
『...ん!解ってる...』
正直、素直に喜べん。
だって巻き込んでしまうんやろ?また前みたいに助けられてしまうん?で、また無実の組長や誠に同じ罪を背負わすん?そんなんもう絶対に嫌やから施設出ても連絡せなんだのに...。
恩は返したい思てる。
でも、恩を返すほどの何かを持ち合わせて無いんよ。マダなんよ。マダあかんねやって逢ったら!マダあかんねやって頼ったら!マダマダあかんねやって...!!マダマダ、マダマダ逢う資格が無い...
『なぁ、一言言うてええか?零、まだ昔のこと引きずってるやろ?』
『引きずってるって...そりゃ...忘れんよ...』
『忘れんのんは皆がそうや。でも、忘れんのんと、引きずってるのは...違うやろ?
誰も零を責める人は居らんかったやろ!心底責める理由が無いからや!
責められるようなことは何もしてないからや!違うか?そんな事で皆を避けるなや!
もっと素直に頼って甘えてええんや!血ぃなんかより濃い絆なんやから!!』
あまりにも誠がアツくなるから、違和感があったんかな...男が来た。
誠ゴメン!!
誠を突き飛ばして男の元へ走ってった。抱きついた。一か八か...。
『お父さん!!なんで逢いに来てくれんかったん?記憶が無いって言ったけん?嫌いになったん?ずっと此の人に言うてたんよ、お父さんに逢わせて!って!今も零がひつこぉ言うて怒らしてしもたんよ...ごめんなさい...もしかして零の記憶が無いのって、お父さんのことメッチャ怒らすようなことしてしもたから?違う?だから逢いに来てくれんかったんやろ?何したら赦してくれる?ねぇっ!赦してください!何でもするからお願いします!!』
もぉほんま何の涙なんか意味が解らん...演技やのに...実の父さんの顔チラつくし。
自称父さんが零の肩を抱く。
本来なら殺すタイミングとして絶好のチャンス(笑)
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