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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百二十四話 夏休みの宿題その十一

「だからお母さんも結構飲んでたの」
「冬には」
「甘酒をね」
「お酒っていっても」
「甘酒を飲んでたのよ」
「甘酒は」
 このお酒のことを言われてだ、僕はこう返した。
「アルコール入ってないから」
「お酒って言われていてもよね」
「お酒とはね」
 僕的にはだ。
「思わないけれどね」
「義和君はそうなのね」
「あまりね、ただね」
 それでもだとだ、僕は詩織さんにさらに話した。
「寒いからだね」
「冬はよく飲んでたのよ」
「身体を温める為に」
「そうしてたわ、ただ日本酒はね」
 どんどん飲みながらだ、詩織さんは話してくれた。
「飲まなかったわね」
「そうだったんだ」
「ほとんどね、そうだったわ」
「お酒は弱かったとか」
「そうだったの、自分で言ってたわ」
「それであまり飲まないで」
「そう、甘酒を飲んでいたの」
 言いながらまた飲んだ。
「それで身体を暖めてたわね」
「そうだったんだ」
「いいお母さんよ」
「それはよかったね」
「ええ、ただ秋田はね」
 飲みつつだ、詩織さんは僕にこうも言った。
「本当に寒くて」
「冬も長いんだよね」
「雪が深くて」
 東北ならではだ、このことは。
「北海道もそうだけれど」
「日本の北は何処もそうだよね」
「簡単に積もってしかもそれが一メートルとかだから」
「雪かきとか大変で」
「お母さんもよくかいてたわ」
 雪かき、それを行っていたというのだ。
「懐かしいわ、そんな時私もお外に出て」
「一緒に雪かきしてたんだ」
「そうなの、それがね」
 詩織さんは飲みつつさらに話してくれた、夏だけれど冬のお話になっていた。詩織さんはお酒をさらに飲んでいっていた。


第百二十四話   完


                      2017・1・15 
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