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昔の美食

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第四章

 使用人達と共に食べた、そのうえで彼は言った。
「どの料理もね」
「満足して頂けますか」
「いい味だね」
 生魚も肉料理も果物も食べつつだ、彼は共に食べるホワンに答えた。
「どれも」
「それは何よりです」
「君も楽しんでいるね」
「はい」
 ホワンはオレンジの汁で割った赤ワインを飲みつつヴィットリオに答えた。
「この通り」
「それは何よりだよ、皆もだね」
「この通りです」
「心から」
 他の使用人達も答えてくれた。
「楽しませてもらってます」
「いや、美味しいですね」
「これが古代ローマの食事ですか」
「実にいいですね」
「うん、しかしね」
 ヴィットリオ自身も食べている、彼はそこでこう言った。今は欧州での主食であるパン古代ローマから主食であるそれを食べて言った。
「このパンにしても」
「お気付きですか」
「今の技術やキッチンを使っているね」
「はい、お砂糖等も入れています」
「良質なイーストも使って」
「今の窯で焼いています」
 パンを焼くそれでというのだ。
「そうしています、そしてです」
「他の料理もだね」
「今のキッチンを使ってです」
「シェフ達が調理をしてくれたね」
「調味料も今のもので食材自体もです」
 つまり全てがというのだ。
「今のものです」
「そうだね、古代ローマの料理でも」
「当時と同じ食材、調味料を使っていますが」
「それでもだね」
「そうです、そうしたものはです」
 全てがとういうのだ。
「現代のものです」
「例えばエスカルゴも」
 料理の中にあったそれをだ、ヴィットリオは例えとして出した。
「今のエスカルゴを今の調味料で味付けしたね」
「今のキッチンを使用して」
「そうだね」
「餌もです」
 エスカルゴに食べさせていたそれもというのだ。
「現代の牛乳で太らせました」
「そしてその分だね」
「やはり味が違います」
「つまり味がよくなっているね」
「はい」
 そうだというのだ。
「この料理はあのネロの頃の書を参考にしていますが」
「二千年位前だね」
「その二千年の間にです」
 キリスト教が誕生して少し経った頃だ、尚ネロはそのキリスト教を弾圧したことで知られているが実は彼が最初にそれを行った人物ではない。
「文明は進化してです」
「食材も調味料もキッチンも」
「全く別のものになっています」
 そうなっているというのだ。 
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