転生とらぶる
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ペルソナ3
1832話
焼肉を食べた日の夜……何だかんだと色々注文した為に、最終的に幾月が涙目になったが……まぁ、それはともかくとして。
俺は現在、桐条と真田がいる寮の前にいた。
当然俺の隣には、それぞれここに来る途中で拾ってきたゆかりと荒垣の姿もある。
何故この寮の前にいるのかというのは、簡単な話だ。
今日桐条と約束した、タルタロスの上層階での戦闘を経験させる為だ。
まぁ、別に今日すぐに連れていかなくてもよかったのだが、向こうの要望が今日すぐにとの事だったから、こんな事になった。
もっとも、別にこちらも今日は絶対に駄目だという訳でもないし、その辺りは特に問題なかったんだが。
特に真田が積極的で、桐条もそれを止めるのではなく少しでもタルタロスの情報が欲しいからと、そういう事で決まったのだ。
そんな訳で、俺が代表をして寮の扉をノックする。
……すると、数秒と掛からずに扉が開き、真田が顔を出す。
随分と早いな。まるで俺達が来るのを、扉の側で待っていたかのような速度だ。
もしかして、本当にそんな手段を取ってないだろうな?
微妙に不安に思うも、取りあえずその辺は気にしない事にする。
ここまで真田に火を点けたのは、結局のところ俺なんだし。
「待たせたか?」
「いや、問題ない。まだ影時間にはなってないしな。それより入ってくれ。美鶴が今日の事を相談したいらしい」
真田の言葉に頷き、俺達は寮の中に入る。
昨日に続いて寮に入っているという事もあり、特に緊張もせずに済んだ。
いやまぁ、そもそも昨日から緊張していたかと言えば、そうでもなかったんだが。
そうして寮の中に入ると、昨日と同様にリビングに通される。
……リビングという認識でいいんだよな? もうホテルとかじゃないんだし。
ともあれ、リビングに行くと、そこでは桐条と幾月が待っていた。
昨日は何だか色々と事情があっていなかったらしい幾月だったが、今日は時間的に問題なかったのだろう。
正直なところを言わせて貰えば、幾月にはあまりいい感情を抱いていないから、出来ればあまり関わり合いたくないんだけどな。
「やぁ、よく来てくれたね。もっとも焼肉を食べてからまだそう時間がタンってないんだから、あまり気にする必要もないと思うけど」
タンってない? ……ああ焼肉と牛タン、もしくは豚タンかもしれないが、そっちを掛けたのか。
幾月に会いたくないのは、何だかあまり性格的に合わないというのもあるが、この駄洒落も大きな理由となっている。
うん、正直なところ相手にしたくない。
そう思ったのはきっと俺だけではないのだろう。
実際、ゆかりと荒垣も幾月の駄洒落に反応している様子はなかったし。
「さて、じゃあそろそろタルタロスまで行こうと思うが、準備はいいか?」
「ああ、勿論だ。だが……タルタロスで待ち合わせをするのではなく、この寮で待ち合わせをするとはどういう事だ? 影時間になれば移動するのにも一苦労するのだから、今のうちに車か電車で月光館学園まで移動しておいた方がいいと思うのだが」
なるほど。どうやら、桐条達はタルタロスに挑む時には、前もって移動しているらしい。
「桐条財閥には、影時間でも機械とかを動かせる技術があると聞いてるんだが?」
「……ああ。そのような技術はある。だが、その為に必要な触媒は非常に希少でな。そう簡単に使えるような代物ではない」
「なるほど」
希少な触媒か。
これがダイヤを始めとした様々な宝石であれば、どの世界にもあるからホワイトスターにあるキブツで作る事が出来るだろう。
だが、今の言い方から考えると、希少素材なのは間違いない。
つまり、恐らくだがこの世界特有の物質なのだろう。
そういうのはキブツでも作れないから、技術班のお土産にする為にも、どうにかして入手しておきたいところだな。
「……そもそも、アルマー達はどうやってタルタロスに入っているのだ? 先月からタルタロスに入っていたのだろう? 何度か私達もタルタロスに挑んだが、アルマー達の姿を見る事はなかったのだが」
「ああ、それか。それは俺の魔法で移動してるからな」
「魔法?」
俺がペルソナを通さず、自力で魔法を使えるというのは、既に見せている。
そのおかげで、桐条、そして真田や幾月も俺の言葉を聞いても特に怪しんだりするような事はないまま、話を促してくる。
「ああ。俺が使える魔法は、あの炎獣だけじゃない。他にも影の魔法が使える。その影の魔法の1つに、転移魔法があってな。それを使えば、タルタロスのエントランスに直接転移出来る」
「何と、転移とは……そんな魔法があれば、御殿医も楽が出来そうだけど」
幾月が何やら言っているが、取りあえず今はそれは無視して、桐条と真田に視線を向ける。
「そんな訳で早速転移しようと思うんだが、そっちの準備はいいか?」
「え? あ、ああ。ちょっと待ってくれ。準備を整えてくる」
「俺もだ」
そう言い、部屋に戻っていく2人。
……どうでもいいが、そこで自分の駄洒落に受けている奴をどうにかしてから行って欲しいんだが。
まぁ、幸い幾月は自分が口にした駄洒落について余程気に入ったらしく、周囲状況も理解出来ない様子で1人笑っているのだ。
この辺り、放っておいても害はないのか?
もっとも、生理的な面で幾月が気にくわない俺にしてみれば、近くにいるだけであまり愉快ではない気分なんだが。
何なんだろうな。今までこんな事はなかったと思うんだが。
「ね、ねぇ、アクセル。理事長、そのままにしておいてもいいの?」
1人で笑っている幾月を見て、不気味に思ったのだろう。ゆかりがそう尋ねてくるも……
「そう言ってもな。今の幾月に話し掛けるのは、俺はちょっと嫌だぞ? もし本当にどうしても何とかしたいと思うのなら、ゆかりが声を掛けてみたらどうだ?」
「え、嫌よ」
あっさりとそう返してくるゆかり。
うん。まぁ、ゆかりにとっても今の幾月に話し掛けたくないと思うのはしょうがないだろうが、だからと言って人にやらせるのはどうかと思う。
それでいて、自分はやれと言われば嫌だというのは……いやまぁ、ゆかりくらいの年齢の女が幾月のような年齢の男に気軽に話し掛けるのが難しいというのは、分かるが。
それと、幾月の場合はゆかりの父親と何だか関係があった……というのも、大きいだろう。
そうこうしている内に、12時になり……次の瞬間、影時間になる。
もう慣れてしまったから、特に驚きもない。
だが、俺が初めてゆかりに会った時のように、何も知らない者がいきなりこの影時間に投げ出されれば、間違いなく混乱するだろうな。
そんな風に考えていると、やがて階段から桐条と真田が姿を現す。
2人とも、身軽で動きやすい格好をしている。
それでいて、桐条は……レイピアってのか? そういう系統の、突きに特化した剣を持ち、真田の場合は革グローブを両拳に嵌めている。
お互いの戦闘スタイルがこれ以上ない程に分かりやすい装備だった。
「準備は整った。では、行こうか。……アルマー、頼む」
「ああ。2人共俺の近くに。ゆかりと荒垣は、いつもの事だから言わなくても分かってるな?」
その言葉に、桐条達は微妙に緊張した様子で、ゆかりと荒垣の2人はもう慣れたものだといった様子でこっちに近づいてくる。
当然それぞれ、靴も手にしてだが。
「理事長、では行ってきます」
「ぷっ、くくっ、最近駄洒落のキレがいいな。……うん? ああ、分かった。くれぐれも怪我をしないように、気をつけて行ってきなさい」
幾月も、桐条の声は判断出来るのだろう。その呼び掛けに、あっさりとそう答えてから、再び自分の世界に戻っていく。
……本当に、自分に正直というか、何というか……
個人的にはそういう性格は嫌いじゃないんだが。
ただ、それでも駄目なんだから、やはりこれは生理的に受け付けない相手なのだろう。
ともあれ、全員の準備が整ったと判断して影のゲートを展開する。
「なっ、これは!?」
「おわぁっ!」
桐条と真田が、影に沈んでいく感覚に悲鳴を上げる。
ゆかりと荒垣は、そんな2人に同情の視線を向けていた。
自分達も通ってきた道なのだから、それも当然なのだろうが。
自分の世界に没頭していた幾月も、2人の叫びで我に返ったのだろう。
こっちを見ながら、驚愕の視線を向けていた。
「な……」
だが、幾月がそれ以上何を言うよりも早く、俺達の姿は完全に影に沈み……次の瞬間には、俺達の姿はタルタロスの前にあった。
影時間になる前なら、ここにあるのは月光館学園なんだろうが。
「嘘だろ……」
影から出て、ようやく我に返った真田が信じられないといった様子でタルタロスに視線を向ける。
桐条の方も、言葉には出さないが周囲の様子をじっくりと観察していた。
「ま、こんな訳で俺達は影時間になったりしても、全く問題なく動き回れる訳だ。勿論、これはあくまでも俺がいればの話だが」
「……影の魔法、だったか。素晴らしい魔法だな。これは、誰でも身につけられるものなのか?」
「あー……そうだな。ペルソナやシャドウが使う魔法と違って、一応誰でもある程度までは覚える事が出来る。ただ、ある程度以上からは才能が必須となる。で、転移魔法はその中でもかなりの高難易度の魔法になる訳だ」
実際、普通に魔法を習っても、転移魔法を使えるようになる素質を持つ奴はかなり少ないだろう。
ましてや、それが影の転移魔法となると……
ネギま世界の魔法には様々な属性の魔法があるが、影の魔法は酷くマイナーな魔法だ。
実際、俺が知ってる限りだと、高音とカゲタロウくらいしか影の魔法を使う奴は知らないしな。
あー……でも魔法とかにも流行とかそういうのがあるから、もしかしたら最近は影の魔法が流行っている可能性もある……のかも?
「ふむ、なる程。では、もし私がアルマーの使っている影の魔法だったか? それを覚えようとすれば、どうなる?」
「どうなると言われてもな。……試してみた事はないから分からないが、大丈夫なんじゃないか?」
一瞬この世界の人間がネギま世界の魔法を習得しても大丈夫か? と思いはしたものの、現在ではネギま世界の魔法は普通に様々な世界に広まっている。
高畑のようによっぽど特殊な体質でもない限り、習得しようとすれば基本的には誰にでも覚えられる……というのは、大きな利点だろう。
もっとも、桐条にも言ったように、どうしても中級、上級……といった魔法を習得するとなると、才能が必須となるが。ただ……
「魔法を習得するにも、相応の時間が必要となる。その時間を捻出出来るのなら、いいかもしれないな。ただ、さっきも言ったように一定以上の魔法を習得するには才能が必要となる。桐条にその才能があるかどうかは……残念ながら、俺にも理解は出来ない」
ネギ辺りがいれば、才能を見抜くといった真似が出来るのかもしれないが……残念ながら、ホワイトスターと繋がっていない以上はどうしようもない。
そもそも、それ以前にホワイトスターと繋がってもネギが麻帆良にいるとは限らないのだ。
もしかしたら、何らかの用事でどこかに出掛けているという可能性も否定出来ない。
「ペルソナが使えるから、魔法の適性がある訳ではないのか」
「そうなるな。勿論、ペルソナが使えるからこそ魔法の適性もある……という可能性もある。もしその気があるのなら、一応魔法を覚える教科書と練習用の杖はあるが。どうする?」
「そうだな。本格的に習うかどうかはともかく、出来れば試してみたい。今度時間を作って貰えるか?」
「ああ。真田は?」
「俺はいらん。魔法よりも前衛で殴り合っている方が性に合う」
「だろうな。……そっちの2人は?」
一応、といった様子でゆかりと荒垣に聞いてみるが、荒垣は真っ先に俺の言葉に首を横に振る。
「いらねえよ。元々俺は戦闘をするつもりはないしな」
「そうか。ゆかりは?」
「うーん……そうね」
悩んだ様子を見せるゆかりだったが、一瞬桐条の方に視線を向けると、首を横に振る。
「ううん、いい。今はちょっとそっちまで手が出せるような状況じゃないし、止めておく」
その言葉が真実ではないというのは、ゆかりとそれなりに濃い付き合いをしている俺には分かった。
付き合いの長さだけでいえば、まだ1ヶ月程度でしかない。
だが、付き合いの濃さという点で考えれば、相当なものだろう。
だからこそ、ここで無理に話を進めても意味はないだろうと、頷きを返す。
「分かった。まぁ、気が向いたら言ってくれ。……さて、ともあれいよいよタルタロスだ。……行くぞ」
そう告げ、俺は他の者達を引き連れてタルタロスのエントランスに踏み入れるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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