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夢幻水滸伝

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第二十一話 地の星達その十二

 三人と別れてだ、今度は一年の校舎に向かうがその途中で中里が芥川に尋ねた。
「ちょっとええか?」
「何や?」
「ああ、今星の連中と会ってるやろ」
「知ってる連中、付き合いのある連中とな」
「星の奴はもっと多いな」
「神星が十八でな」
 今ここにいる彼等三人を含めてだ。
「それで天、地、人でな」
「七十二ずつやな」
「おるわ、あとな」
「あと?」
「何か他にもおるらしいな」
「その神と天、地、人以外にか」
「ああ、まだな」
 こう言うのだった。
「そう聞いてるわ」
「そうなんか」
「ああ、その連中のことはよおわかってないけどな」
「まだおるんやな」
「そうらしいわ」
「その連中のこともおいおいわかるか」
「そうなると思うわ、まあ今はわかってる連中とだけな」
 その星達のというのだ。
「会っていこうな」
「一年の連中もやな」
「そや」
 まさにというのだ。
「その連中とだけ会いに行くで」
「わかったわ、ほなな」
「ああ、しかしほんまな」
 ここでこうも言った芥川だった。
「広くて生徒の多い高校やな」
「大学もっと多いしな」
 八条大学はとだ、中里はそちらの話もした。
「しかも広いし」
「この高等部よりもずっとな」
「ああ、けどこの高等部も世界屈指やったな」
 その敷地面積の広さと生徒数はだ。
「そやったな」
「そや、それで今言うたんや」
「そういうことか」
「学科も多いし」
 八条学園高等部は普通科だけではない。進学コースもあれば商業科、工業科、農業科、水産科、それに看護科とある。クラスも普通科も十以上ありそれぞれの学科も数クラスずつある。
「マンモス高校やな」
「文字通りのな」
「ちなみにあっちの世界マンモスもおるで」
 綾乃がこの話をした。
「ナウマンゾウもな」
「ナウマンゾウもか」
「そや」
 実際にというのだ。
「恐竜もおるし」
「そういえばトキとかコウノトリとか普通に見るな」
 中里はここでこうした鳥達のことを思い出した。
「あと変わったキツツキも」
「あっ、気付いた?」
「何かちゃうなってな」
「それキタタキやで」
「キタタキ?」
「昔奏した鳥もおったらしいねん」
「へえ、そうなんか」
「あっちの世界絶滅した生きものも一緒におるねん」
 そうだというのだ。
「川にもカワウソおるし海にはアシカがおるやろ」
「山には狼もやな」
「今のこっちの世界の日本は全部おらん様になったけど」
 ただニホンカワウソやニホンオオカミはまだ目撃例もある、公式には絶滅したと言われているが。
「それでもな」
「あっちの世界ではおるか」
「そやねん」 
 そうだというのだ。
「それでナウマンゾウもおるねん」
「僕はまだ見たことないけどな」
「関西では少ないけど関東ではな」
 そこではというのだ。
「結構おるで」
「そうやねんか」
「そうや、浮島にもおるし」
 そうした生きもの達がというのだ。
「妖怪もおるし賑やかやで」
「そうした意味でも楽しい世界か」
「そやで」
「成程な、ほなそっちもな」
「見てやな」
「楽しもうな」
 こうした話もしてだった、三人は今度は一年の校舎にも行くことにした。だがそれは次の休み時間の時のことだった。


第二十一話   完


               2017・6・9 
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