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夢幻水滸伝

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第二十一話 地の星達その十

「急にそう言われてもな」
「心定めが出来てないしな」
「ちょっと考えさせてくれへんか?」
「話はそれからってことでな」
「わかったわ」 
 玲子も二人の返事に納得して返した。
「そやったら決めたらな」
「ああ、こっちから言うわ」
「その時にな」
「わし等には言わんのか」
「どうも腑に落ちんのう」
 井伏と山本は三人のやり取りが一段落したのを見て玲子をわざとじろりと見てそのうえで彼女に言った。
「わし等も彼女おらんが」
「紹介はないんか」
「あんた達はアイドルの追っかけやってるだろ」 
 だからだとだ、玲子は二人にはこう言った。
「だからだよ」
「それでか」
「紹介せんっちゅうんか」
「そうさ、あと声優さんも好きだよな」
「アイリスが好きじゃ」
「わしはウェイクアップガールズじゃ」
 二人共それぞれ好きな西友グループのことも言った。
「ちなみにアイドルは彩姉じゃ」
「まゆゆ最高じゃ」
「そっちに夢中だからな」
「紹介せんのか」
「リアル彼女は」
「幸せそうだしな、まああたしは菅原文太さんみたいな人が好きだな」
 今度は自分の好みを話した。
「三国連太郎さんとかな」
「渋いな、それはまた」
 玲子のその好みにだ、芥川は思わずこう返した。
「お二人共故人なんが残念や」
「今だとどうかね、やっぱり硬派だね」
「古いな」
「男は黙ってやることをやるってな」
 そうしたタイプが好きだというのだ。
「野球選手だったら兄貴さんだよ」
「金本兄貴か」
「そうさ、ああしたタイプには痺れるね」
「兄貴か、ええのう」
「阪神に行ったけどな」
 広島人の井伏と山本はこう言った。
「それでもわしは好きじゃ」
「今もな」
「そうだよな、漢っていいな」
「おう、しかし野球は負けん」
「広島が優勝じゃ」
「果たしてそう上手にいくかね」
 玲子は広島東洋カープを出す二人にも余裕の顔で返した。
「阪神も負けないよ」
「そう言うて毎年勝ち越しとるわ」
「阪神には強いけえ」
「今年も勝たせてもらうけえのう」
「覚悟しとくんじゃ」
「今年は勝ち越すさ、まあ勝っても負けてもな」
 どちらでもというのだ。
「正々堂々としないとね」
「ああ、漢ならな」
「絶対にじゃ」
「そうしないと駄目だね」
「好みわかりやすいな、ほんま」
 三人全体を見てだ、久志は言った。
「この連中は」
「竹を割った、やな」
 綾乃は三人をこう表現した。
「まさに」
「ほんまやな」
「裏表もなくてええ感じや」
「わし等はそういうの嫌いですけえ」
 井伏が綾乃の今の言葉に応えた。
「裏表があったり陰日向があるのは」
「そのまんまやな」
「はい、誰に対しても」
「そういうのはいかんですけえ」 
 山本もこう言う。
「人としてどうか」
「それはそやな、裏表が強い人ってな」
 どうしてもとだ、綾乃も言った。 
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