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レーヴァティン

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第二十話 新妻その八

「この前実際に飲むまでは」
「そのランブルスコをか」
「それまでは」
「そうなんだな」
「はい、しかし飲んでみると美味しく」
 それでというのだ。
「今はあちらの世界で結構飲んでいます」
「俺も飲んでみるか」
「いいと思います、こうした味です」
「じゃあ飲んでみるか、飲みやすいからな」
 実際に飲んでみてだ、久志も言った。
「あっちの世界でもな」
「それじゃあな、それじゃあ今日はしこたま飲むか」
 その発泡性のある赤ワインをというのだ。
「後はな」
「明日からですね」
「また冒険だな」
「四人目の仲間を探しますか」
「そうするな、しかしな」
「四人目はですね」
「そう簡単に見付かるかね」
 このことをだ、久志は飲みつつ今の時点ではそれ程酒が回っていないので考えられる頭で考えて話した。
「果たして」
「だったら酒場にでも行ってね」
 その彼に順一が言った、彼も同じワインを楽しんでいる。
「情報を集めたらいいよ」
「ここのか」
「この街の酒場は色々な人が集まるからね」
 だからだというのだ。
「色々聞けるよ」
「学術都市だから人も集まってか」
「学問を求めてね」
 そうしてというのだ。
「他の場所からも来てるし行商人も多いから」
「そこデルフォイと同じだな」
「そうだよね、学問を通じて人が集まるのは」
「学問は学ぶだけで終わらないっていうな」
 しみじみとした口調になってだ、久志はこうも言った。
「そしてそれはか」
「実際のことだよ」
「そうなんだな」
「そう、だからね」
「一回酒場に行ってみるか」
「そうするといいよ、酒場以外にもね」
 源三は他の場所も久志に紹介した。
「お風呂屋さんもいいよ」
「ああ、そうした店も人が集まるからな」
「人の心も開放的になるから」
 このことも言うのだった。
「いいんだよ」
「よく喋るんだな」
「お風呂は不思議なものでね」
 源三は飲みつつだ、久志にさらに話した。
「服を脱いで湯舟やサウナで気持ちよくなるせいか」
「人を開放的にさせてか」
「お喋りにさせてくれるんだ」
「お酒と同じだよ」
 人を開放的にさせるということについてだ、同じだというのだ。
「だからそこに行ってもいいよ」
「ヨハネスブルグにもそうした風呂屋さんあるのか」
「市庁が直接経営している大浴場があるよ」
「ああ、昔のローマのあれみたいなか」
「そう、カラカラ大浴場みたいな」
 まさにというのだ。
「そうしたお風呂屋さんだよ」
「そうか、じゃあ居酒屋にな」
「お風呂屋さんにもだね」
「行ってみるな」
「そうしたらいいよ、じゃあ僕も」
 源三はその発泡性のある赤ワインをどんどん飲んでいく、そのせいで顔が赤くなっている。その赤ら顔での言葉だった。
「お風呂屋さんに暫く振りに行こうか」
『自分もかよ」
「そうしようかな」
「お風呂ですか」 
 順一も言ってきた。
「いいかも知れないですね」
「そうだな、サウナあったらな」 
 智も話に入った、勿論この二人も飲んでいる。 
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